樹木医になるには? 必要な資格や取得方法を解説

樹木医になるまでの道のり

樹木医になるためには、樹木医または樹木医補の資格が必要です。

樹木医の資格を取得するには、実務経験7年以上か、樹木医補の認定を受けてから1年以上の実務経験があることが必要です。

樹木医研修を受講し、面接や資格審査を受け、合格すると資格を取得することができます。

樹木医補とは、樹木医の早急な普及を目指したもので、実務経験が短くても樹木医としての試験に応募できるというものです。

樹木医補になるには、樹木医補養成機関として登録されている大学・学部で樹木学や植物病理学、森林生態学などの基礎的な知識を習得し、卒業することで認定試験への応募資格が得られます。

樹木医になるまでのルート

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樹木医の資格・難易度

樹木医資格とは

樹木を診断・治療したり保護・管理したりするには、とてもハイレベルな知識や経験が必要です。

そこで、1991年に林野庁が主導して「樹木医制度」が発足しました。

当初は国家資格でしたが、現在は民間資格となっています。

「樹木医」は商標登録されており、「樹木医」という名前で仕事をするためには、財団法人日本緑化センターが主催する樹木医認定試験に合格し、登録されることが必要です。

樹木医の受験資格

樹木医資格審査を受けるには、次の二つのうちどちらかの条件を満たす必要があります。

  1. 造園業などの実務経験を通算7年以上積むこと。
  2. 樹木医補の認定を受けた後1年以上の実務経験を積むこと。

参考:日本緑化センター 樹木医研修受講者選抜試験募集要項

樹木医の難易度・勉強時間

樹木医の試験概要

樹木医試験は毎年夏に研修受講生を選ぶ試験が行われます。

その試験で120人が選ばれ、同年の10月に2組60人に分かれて約2週間の研修を行います。

研修では、講義や実習を行い、履修科目ごとに筆記テストが行われます。

また樹木医としての適性を判断するため、研修終了時には面接が行われます。

最終的に筆記試験および面接の結果に基づき、樹木医制度審査議会による審査を行い、合格者が決定します。

合格者は同センターが作成する樹木医登録名簿に記載され、この名簿を基に仕事の依頼がくるようになります。

樹木医のネットワーク

樹木医研修の受講者選抜試験は、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の5会場で行われ、研修は茨城県つくば市の財団法人筑波学都資金財団筑波研修センターで実施されます。

ほとんどの受講生は合宿をし、寝食をともにしながら資格取得に向かって勉強します。

年齢や経歴に関係なくさまざまな人が集まりますので、人生の先輩から貴重な話しが聞けたり同世代のコミュニケーションが深まったりなどのメリットも多く、ここでの繋がりが、樹木医になってからのネットワークにもなるようです。

樹木医補とは

樹木医になるためには、実務経験年数7年という条件があります。

この条件は経験豊富な技術者を樹木医に育てあげるという面ではプラスに働きますが、その反面、できるだけ早く樹木医になりたいという意欲をそいでしまうという側面がありました。

そこで誕生したのが樹木医補という制度です。

樹木医補とは、樹木医の一歩手前のレベルの資格として2004年に導入されました。

大学などで、樹木学、植物病理学、森林生態学などに関する基礎的な知識・技術を習得した人が受験資格を持ち、樹木医補試験に合格すると1年間の実務経験のみで樹木医の資格取得にチャレンジすることが可能になります。

樹木医に関連する資格

樹木医に関係する資格には、公園管理運営士、ビオトープ管理士、造園修景士、街路樹選定士、環境カウンセラー、エクステリアプランナー、森林インストラクターなどの民間資格があります。

とくに、樹木医をはじめ公園管理運営士やビオトープ管理士、街路樹選定士、造園修景士、環境カウンセラーなどは、官公庁による入札や公募に参加する条件とされています。

また、造園業に従事する場合に持っていると有利なのが、造園施工管理技師や土木施工管理技師、造園技能士などで、これらは国家資格となります。

いろいろな資格を併せ持つことで活躍の機会も増え、よりよい治療が可能になるともいえます。

参考:公園管理運営士
参考:ビオトープ管理士
参考:造園修景士
参考:街路樹選定士
参考:環境カウンセラー
参考:エクステリアプランナー
参考:森林インストラクター

樹木医になるための学校の種類

多くは独学

樹木医を育成することを目的として設置された専門学校や大学は現在のところありません。そこで、多くの人は独学で勉強をして認定試験に挑みます。

試験の応募条件に7年間の実務経験が必要とあるため、造園会社などで業務をこなしながら知識と経験を積み重ねていくのが一般的です。

大学や専門学校で学ぶ

樹木医補に必要な科目は、養成機関として登録されている大学や専門学校などで履修することができます。

大学で必修科目の単位を取得し、卒業後に日本緑化センターに必要書類を提出して審査を受けます。

そうした大学や専門学校には関係各所からの就職情報が多数寄せられたり、先輩が勤めている会社に優先して就職ができたりするなど、大学ならではの特典も多くあります。

また、大学や専門学校には樹木医に必要なさまざまな分野の専門家がたくさんおり、卒業し、樹木医として活躍し始めてからも多くのことを恩師に相談できることも見逃せない利点です。

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樹木医に向いている人

樹木医は自然を相手にする仕事のため、樹木や自然が好きであることは必須です。

樹木が好きでなければ、依頼主の気持ちを理解し、樹木にとって負担の少ないよりよい処置をすることはできません。

また、自然の中で働くため昆虫や菌類、動物などに抵抗がないことも求められます。

樹木の病気の原因は害虫や菌類、動物が原因であることもしばしばで、こうした現場を目の当たりにしても抵抗がなく、一日中自然の中で働くことをいとわない人が樹木医に向いているといえるでしょう。

樹木医に向いている人・適性・必要なスキル

樹木医のキャリアプラン・キャリアパス

樹木医資格審査は合格率20%という難関です。

努力を重ねた人だけが認定される狭き門ですが、合格がゴールではありません。

樹木医として登録されてからがスタートであるのはいうまでもないでしょう。

認定に至るまでに深い知識や技術を習得していることは紛れもない事実ではありますが、樹木医が相手にするのは生き物です。

教科書通りに業務が進むことはほとんどありません。

実際に樹木医になってからも、先輩の樹木医について勉強したり、さまざまな現場を経験したりと、常に向上心を持って知識や技術を高める姿勢を持ち続けることが大切です。

樹木医を目指せる年齢は?

樹木医の資格を取得する際に年齢制限はありません。

業務経験が7年以上必要とされるため、受験者の平均年齢は40代と高めになっています。

樹木医は高卒から目指せる?

樹木医を目指す際に、特別な学歴は必要ありません。

たとえ高卒からでも、業務経験を積めば樹木医の受験資格を得られます。

ただし、樹木医補から樹木医になる道を選ぶ場合は、専門学校や大学で学ぶ必要があります。

樹木医は女性でもなれる?

2020年現在登録されている樹木医2,834人のうち、356人が女性です。

樹木を扱う仕事は体力が必要なことも多く、もともと造園などの業界が男性社会のため、女性の進出はまだ少ないですが、女性ならではの感性を生かし活躍する樹木医も増えてきています。