フリージャーナリストが苦労すること(体験談)

名刺で仕事ができない

大手新聞社や、テレビ局に所属する記者、編集委員、論説委員などでは、仕事に関する苦労はそれほど多くはないと思われますが、フリーのジャーナリストでは、相当苦労があるようです。

その最大のものは、名刺がないということです。

大新聞、テレビ局に所属している記者は、当然のことながら、社名入りの、記者、論説委員などの名刺を持っていますが、いったんフリーになると、取材やアポイントをとることすら難しい場合があります。

新聞社所属の記者は、ある面で、名刺によって仕事をするケースが多いようです。

本人の能力、人柄、取材力とは関係なく、「○○新聞社の記者」「××テレビ局の報道記者」というだけで、インタビューや取材は可能です。

しかし、フリーの場合は、さまざまな理由をつけて取材を断られるケースが大変多いのです。

私自身、新聞社を退社後、フリーのジャーナリストとしての名刺を作ったのですが、そうした名刺では、なかなか取材が困難です。

契約している「△△出版社」の名刺を出したこともありますが、それでも取材ができませんでした。

日本は「名刺社会」とよく言われます。どこかの組織、会社に所属し、肩書きがないと相手から信用してもらえないということです。

それは、フリーのジャーナリストになってはじめて味わった悲哀です。

取材ができなければ、ジャーナリストとしての仕事ができません。

幸いなことに私の場合は、全国新聞にかつて所属し、そのときの名刺でさまざまな人に取材をした経験があり、その人たちとは、フリージャーナリストになった現在でも、会って話を聞くことができます。

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記者クラブに所属できない

フリージャーナリストの苦労としては、記者クラブに所属できないマイナス面があります。記者クラブは、取材の拠点であり、大概の中央官庁や企業団体に設置されています。

しかし、そこに設けられている記者クラブには、新聞社、テレビ局として加盟が認められている会社の記者でなければ、所属することができません。

したがって、フリージャーナリストは、記者クラブには加盟できず、記者会見を聞くことも、記者発表の席に臨むことも不可能です。

そうした点で、フリージャーナリストは大きなハンディを背負うことになります。

収入面の苦労

仕事上の苦労とは別に、収入の面でも、苦労はあります。

新聞社などに所属していれば、給料の形で安定した収入を得られますが、フリーの場合はそうはいきません。

契約原稿料、委託原稿料などの原稿料として、あるいは、講演料などとして、収入を確保しなければなりません。

会社に所属していれば、社会保険料や賞与、退職金などは会社が負担します。

しかし、フリージャーナリストでは、すべて自分ひとりの力でそれらを負担しなければなりません。そのためには相当の仕事量をこなす必要があります。

私の知人でも、フリージャーナリストになって過重な仕事で健康を害した人がいます。フリージャーナリストは傍目ほどかっこいいい職業ではないのです。