調香師に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
調香師に向いている性格・適性
香りが好きであること
調香師になるには、当然のことではありますが、香りが好きであることが大切です。
調香師の仕事は、イメージと違いかなりの体力が必要で、非常にストレスも多い仕事といわれます。
とくに香水などを扱うパフューマーになるためには長い期間研修が行われ、1日に数十種類の香料を嗅いで、あらゆる香りを覚えなくてはいけません。
さらに、いくつかの香料が混ざった香りを嗅いで、その成分を当てる訓練など、毎日厳しいトレーニングがつづきます。
こうした日々を数年繰り返して、ようやく一人前の調香師になれるのです。
心から香りが好きでないと、とてもできない仕事といえます。
流行や需要に敏感であること
自分の好きな香りだけを作っていられる調香師は、世界でもほんの一握りです。
多くはクライアントの依頼に応じて、決められた予算や期限の中で香りを作り上げていきます。
そのためには、頑固な職人気質というより、あらゆるニーズに合わせられる柔軟性が求められるでしょう。
また香りには流行もあるので、今どういう香りが求められているか、どのような香りが人気なのかを、敏感に察知できるセンスも必要です。
自分の作りたい香りではなく、多くの人に幅広く受け入れられる香りを作るのが、調香師の仕事なのです。
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調香師に必要なスキル・能力
嗅覚と記憶力
数千種類以上あるといわれる香りをそれぞれ嗅ぎ分けるには、やはり嗅覚がものをいいます。
とはいえ、嗅覚は生まれついたものより、長年の訓練によるところが大きいとされているため、日々さまざまな香りに関心を持っておくことが大切でしょう。
また嗅覚そのものよりも、多くの香りを覚えられる「記憶力」こそ重要だ、と考える調香師も多いようです。
体力と健康管理
健康な嗅覚を維持するための自己管理能力は、非常に大切な資質といえるでしょう。
できるだけ風邪をひかないように、つねに注意しなくてはいけませんし、花粉症などのケアも通常より気をつかいます。
ほかにもタバコを吸わないなど、嗅覚を鋭敏に保つべく、日ごろから努力が求められます。
想像力と集中力
調香師が香りを調合する際には、「どのような香料を組み合わせるか」「多くの人に香りが受け入れられるにはどうするか」などさまざまな想像力を働かせなくてはなりません。
またクライアントから依頼された香りのイメージ、商品のターゲットとなる年齢や性別なども踏まえながら香りを作り出していきます。
このように多くのことを想像しながら香りを作っていくため、高い集中力も求められます。
調香師に向いていないのはどんな人?
調香師は、香りや香料についての知識だけではなく、実際にさまざまな香りを体験し、それを再現することが求められます。
たとえば花の香りを再現する際には、実際に庭園や花畑に行って花のにおいをかいだり、食品の香りづけをする際には対象となる食品を何度も食べて香りを比べたりするなど多くの苦労があります。
ひたすら研究室にこもって調合に没頭できるというわけではないため、こうしたさまざまな体験をいとわない行動力のある人でなければ難しいでしょう。