調香師の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
調香師の業務スケジュール
フレーバリストは会社員
現在、日本で活躍する調香師のほとんどは食品に関する香料を扱うフレーバリストです。
フレーバリストのほとんどは食品メーカーの研究部門に所属しているため、一般の社員と同じく通勤し、企業内で研究を行います。
香料を専門に扱う企業に勤めている場合も同様です。
香料を扱う企業は他の会社から委託されて調香を行う機会が多いため、打ち合わせなどで出張の頻度が多いのが特徴です。
独立して働くパフューマーも
香粧品香料を扱うパフューマーも、化粧品や生活用品メーカーの研究部門に所属している場合がほとんどですが、なかには独立して香水やアロマに関する商品などの調香を行っている人もいます。
その場合は自宅で仕事をすることも多いため、通常の会社員とは異なる勤務体制をとっています。
常にベストコンディションが求められる
調香師の仕事に最も大切なものは、自身の嗅覚です。
疲労がたまってくると嗅覚が鈍ることも多いため、調香はなるべく体の疲れが少ない午前中に行うことが多いようです。
もちろん、作業の進捗状況に応じて一日中調香したり、場合によっては残業や泊まり込みで作業に没頭したりすることもあります。
ただし体調の変化は嗅覚に大きな影響を与えるため、調香師は体調管理には万全を期しています。
風邪や花粉症で鼻が詰まるなど、嗅覚が鈍ってしまうことは調香師にとっては命とりなのです。
また女性はホルモンバランスの変化によって嗅覚に大きく影響が出てしまうこともあります。
そのため自身のコンディションを考えながら業務を調整する必要も生じます。
調香以外の仕事も多い
調香師というと、ひたすら香料を配合していく仕事をイメージする人もいますが、それ以外の仕事も多いのが実情です。
企業の研究職として働く場合が多いため、仕事の成果を発表したり、プレゼンテーションしたりすることもあります。
また、他の企業から依頼を受けて調香をする場合は、打ち合わせなどで出張することも少なくありません。
このように、ときには調香をせずに一日が終わるということもあるようです。
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調香師の1日
調香師の勤務時間・休日
調香師の勤務時間
一般的な勤務時間
調香師は企業に勤める会社員が多いため、労働時間などは一般的な社員とほぼ同じところが多いようです。
勤務時間は9:00~17:00くらいが目安ですが、場合によっては残業もあるでしょう。
仕事の流れ
調香師はクライアントから依頼を受けると、研究所でミーティングを行い、まずはサンプルを開発します。
数千種類の香りから調合し、何度も試行錯誤をしながら、サンプルを作ります。
クライアントに提出しサンプルにOKをもらったら、今度は試作品の製作に入ります。
ここでも、何度も調香・評価・改良を重ねながら、最終的にGOサインが出ると、ようやく大量生産に入ります。
一般的には、パフューマーもフレーバーもこのような流れです。
決められた予算や期限の中で、最高の香りを作るべく、研究所では常に嗅覚と頭を使った仕事が行われています。
調香師の休日
休日は、会社にもよりますが、週休二日制のところが多く、土日に休めることが一般的です。
勤務場所は研究所と呼ばれるところがほとんどで、本社とはまったく離れた場所にあることも珍しくありません。
調香師の残業時間
通常の業務で残業することはほぼありませんが、クライアントから依頼された香りの納期が迫っている場合、また調香に非常に手間取っている場合などは残業をします。
どうしても思うような香りができないときなど、状況がひっ迫しているときには深夜まで研究に没頭したり、徹夜で調香したりすることもあるようです。
また社内外で研究発表などをする際には、通常の仕事のほかに資料をつくるなど、調香以外の仕事も増えます。
調香師は忙しい? 激務?
研修の内は厳しい毎日
調香師としてのスタートは、社内における研修です。
数千種類にもおよぶ香料を嗅ぎ分ける訓練から始まります。
誰もが想像できるように、匂いというものはよほど強力なものでない限り覚えにくく、毎日繰り返しトレーニングをして、記憶するしかありません。
基礎的な訓練を終えると、そこに他の香料を合わせた場合の変化も覚えていき、徐々に香りの知識を増やしていきます。
1日の勤務時間内でも、かなり根気と体力のいる仕事といえそうです。
試行錯誤する日々
調香には明確な正解はありません。
どれだけ経験を積んだとしても、思うような香りができないこともありますし、クライアントからOKが出ないこともあり、日々試行錯誤が続きます。
調香の仕事は誰にでもできるわけではなく、代わりのいない仕事のため、精神的なプレッシャーは多い仕事といえるでしょう。
調香師の休日の過ごし方
調香師は、休日も香りを意識して過ごす人が多です。
花や草木など自然の香り、野菜や果物など食品の香りといった日常接するさまざまなものの香りを覚え、研究に活かそうと考えているそうです。
また、調香師は仕事で海外に行くことも多いため、英会話やフランス語など外国語を勉強している人もいます。