力士の階級・番付の種類

相撲の世界は厳しい階級社会

大相撲の世界は明確な階級社会となっており、力士の強さを表す階級は「番付」と呼ばれます。

「横綱」や「大関」といった番付は一般的にもよく知られていますが、それ以外にもたくさんの番付があります。

力士の番付は横綱を頂点に、上から以下のような種類があります。

・横綱
・大関
・関脇
・小結
・前頭(平幕)
・十両
・幕下
・三段目
・序二段
・序ノ口

トップである横綱から十両までの力士は「関取」と呼ばれ、力士として一人前とみなされます。

関取の人数は42人と決まっており、全力士のわずか10%程度という狭き門です。

幕下以下の番付の力士は正確には「力士養成員」といい、力士としてはまだ半人前とされています。

また、大関、関脇、小結の3つの番付は、まとめて「三役」と呼ばれることもあります。

番付には「東」と「西」があり、東の方が上位に位置します。

同じ番付でも東の方が西よりも上となるため、「東の横綱」が番付の最上位です。

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関取と幕下以下の待遇の違い

関取と幕下以下の力士養成員とでは、待遇面で大きな違いがあります。

まず、月給が発生するのは関取になってからです。

力士養成員には給料が発生せず、わずかな手当が支給されるのみとなっています。

したがって、厳密に言えば十両以上の番付まで昇進しなければ、職業とは言えない面もあります。

また、相撲部屋では稽古以外の時間を使って関取や親方の身の回りの世話をしたり、料理、掃除、その他さまざまな部屋の雑用をこなさなくてはなりません。

結婚が許されるのも関取になってからと定められています。

番付昇進の条件は?

力士の階級である番付は年に6回開催される場所ごとに変更され、一場所15日間の戦績によって次の場所の番付が決まります。

番付の最上位である横綱から幕下以下まで、それぞれに昇進の条件があります。

十両から横綱までの番付については、昇進の条件はそれぞれ以下のようになっています。

横綱への昇進条件

横綱になるためには横綱審議委員会から推薦される必要があり、その条件は主にふたつあります。

まずは大関として2場所連続で優勝、あるいはそれに準ずる成績をおさめる必要があり、その上で横綱にふさわしい「品格」があるかも判断されます。

日本の国技である大相撲の最高位である横綱には、強さだけでなくその地位にふさわしい品格も求められます。

大関への昇進条件

大関になるには臨時で開催される理事会で推薦され、その上で満場一致で決定される必要があります。

大関昇進のための成績的な条件ははっきりとは決まっていませんが、一般的には関脇、もしくは小結として3場所連続で好成績を収めることが必要です。

また、大関は東西で1名ずつ、合計2名置かれますが、大関不在の場合は横綱が大関の地位も兼任する形となって「横綱大関」と呼ばれます。

関脇への昇進条件

関脇に昇進するためには、基本的にその下の番付である小結として勝ち越す必要があります。

1場所は15日間ですから、「勝ち越し」は8勝7敗以上の成績です。

小結として勝ち越すことで、次の場所で関脇に昇進できる可能性が生まれます。

小結への昇進条件

小結に昇進するためには、その下の番付である前頭の筆頭(前頭の中の最上位の番付)、もしくはそれに近い地位で勝ち越すことが必要です。

前頭への昇進条件

前頭(平幕)には「役についていない幕内力士」という意味があり、小結と十両の間に位置する全力士、別の言い方をすると横綱や三役に該当しない力士を意味します。

前頭は最上位である「筆頭」から「二枚目」、「三枚目」というふうに格付けされており、現在は「十七枚目」まであります。

十両への昇進条件

十両は幕下力士として上位の地位になることで昇進できますが、定員は東西あわせて28名となっています。