女性の有名な落語家8人を紹介
なお、ほとんどの落語家たちは落語の団体に所属をしています。
この記事では、代表的な団体別に、有名な女性落語家の経歴や活躍の様子を紹介します。
落語協会
落語協会は創立1923年、最も正統派といえ、歴史のある落語の団体です。
古典に重きを置くことが特徴で、いわゆる「落語らしさ」を楽しむことができます。
三遊亭歌る多(さんゆうてい かるた)
1993年に落語協会所属で女流初の真打に昇進したのが、三遊亭歌る多と古今亭菊千代のふたりです。
落語400年の歴史において女流真打が誕生したのは初めてのことでした。
三遊亭歌る多は東京都荒川区出身で、1982年に三代目三遊亭圓歌(さんゆうてい えんか)に入門しました。
2010年には落語協会の理事に就任し、現在では情報番組に出演するなど、マルチな活躍を見せています。
古今亭菊千代(ここんてい きくちよ)
古今亭菊千代は、1993年に三遊亭歌る多とともに史上初の女流真打に昇進しました。
東京都板橋区出身で、1984年に二代目古今亭圓菊(ここんてい えんぎく)に入門しています。
朝鮮民主主義人民共和国に文化交流、訪朝団の団長として訪朝したり、パラグアイ、アルゼンチンにて公演を行ったりするなど、日本にとどまらず世界でも活躍する落語家です。
林家きく姫(はやしや きくひめ)
林家きく姫は、2001年に女流としては4人目(落語協会所属の女流としては3人目)の真打に昇進しました。
もともとジャズヴォーカリスト志望で音楽学校に通っていたものの、テレビで『笑点』を観たのがきっかけで、16歳で初代林家木久蔵(現:林家木久扇)に入門しました。
古典落語を得意とし、テレビにも多数出演しています。
川柳つくし(かわやなぎ つくし)
川柳つくしは、2013年に女流としては6人目(落語協会所属の女流としては4人目)の真打に昇進しました。
千葉県市川市出身で、1997年に川柳川柳(かわやなぎ せんりゅう)に入門しています。
新作落語を得意とし、趣味のウクレレが高じてウクレレ漫談を演じることもあります。
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落語芸術協会
落語芸術協会は、創立1930年、長い歴史を持つ落語団体です。
かつては落語協会と比べて「古典の協会、新作の芸協」といわれることもありましたが、現在は古典落語の落語家も多く所属しています。
協会の発表によれば会員数は200名以上と規模が大きく、テレビで活躍する落語家も多く所属しています。
桂右團治(かつら うだんじ)
桂右團治は、2000年に女流としては3人目(落語芸術協会所属の女流としては初)の真打に昇進しました。
兵庫県神戸市出身で、早稲田大学在学中に十代目桂文治(かつら ぶんじ)に入門しています。
英語による落語にも取り組むなど、さまざまな活動を見せています。
春風亭鹿の子(しゅんぷうてい かのこ)
春風亭鹿の子は、2010年に女流としては5人目(落語芸術協会所属の女流としては2人目)の真打に昇進しました。
東京都墨田区出身で、1996年に五代目春風亭柳昇(しゅんぷうてい りゅうしょうに入門、師匠の芸風とは異なり、主に古典落語を演じています。
女流としては珍しい大ネタや、啖呵を演じるなど本格派の落語家として知られています。
上方落語協会
上方落語協会は創立1957年で、大阪に拠点を置き、近畿地方を中心に活動する落語団体です。
「笑い」を重視した落語が特徴的で、上方言葉や上方文化にも触れることができます。
露の都(つゆの みやこ)
露の都は大阪府堺市出身で、1974年に二代目露の五郎(現・露の五郎兵衛/つゆの ごろべえ)に入門し、1975年に露の都として初舞台を務めました。
史上初(かつ最年長)の女流落語家ですが、上方落語協会に所属しており真打制度はありません。
1991年には史上初の「東西女流落語会」を主催し、以来、毎年12月に東京と大阪で開催しています。
マクラ(導入部)に独自の「みやこ噺」を演じ、人情噺や怪談噺を得意としています。
三代目桂あやめ(かつら あやめ)
桂あやめは、兵庫県神戸市出身で、1982年に五代目桂文枝(かつら ぶんし)に入門しました。
上方落語協会所属で、1994年に三打目桂あやめを襲名しています。
落語に関する数々の賞を受賞した実力派であり、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のタレントとしても活躍しています。
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「女性の有名な落語家」まとめ
この記事で紹介したように、落語家の世界には女性も多くおり、それぞれに活躍しています。
一人ひとり経歴や個性もさまざまなので、興味を持った人がいれば、ぜひさらに詳しく調べてみてください。