脚本家の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
脚本家の仕事とは
脚本家とは、基本的なストーリー骨組みと進行を作り、脚本に起こす仕事です。
ジャンルはテレビドラマや映画、舞台演劇をはじめ、ラジオドラマ、漫画、アニメ、テレビゲームやインターネットのソーシャルゲームに至るまで多岐にわたります。
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脚本家の業務の内容
業務内容は幅広い
脚本家といえば映画やドラマのイメージをもっている人が多いでしょう。
しかし脚本家はそれ以外にも、舞台演劇、CM、ゲーム、ラジオドラマなどセリフやナレーションがある商業作品のほぼすべてに関わっています。
アニメやゲーム作品の場合は、俳優が演じる作品とは異なるノウハウが必要となるため、専門の脚本家も多く存在しています。
映画の脚本家
原作がないオリジナルの場合は、脚本家が一からストーリーを考えます。
小説などの原作がある場合、長いストーリーのなかからエピソードを厳選し、2時間前後のストーリーに書き換えていきます。
大きく分けると、原作の中の一部分にクローズアップする、または全体の流れを要約するという2種類の方法があります。
どの部分をどのように扱うかによってまったく異なる作品になってしまい、ときには映画の評価に大きく左右するため、脚本家にとって重要な作業です。
ドラマの脚本化
原作がないオリジナルの場合は、映画同様脚本家が一からストーリーを考えます。
小説などの原作がある連続ドラマでは、原作のストーリーに対して連続ドラマ全体のストーリーの長さが上回る場合はエピソードを増やす、下回る場合はカットするという作業が必要です。
1話ごとにドラマティックな盛り上がりを作ったり、次回も見たくなるシーンをラストに回したりなど、連続ドラマならではのテクニックが求められます。
アニメの脚本家
アニメの脚本はマンガが原作となることが多く、ストーリーやキャラクターの設定は原作に基づき忠実に守らなくてはなりません。
スピンオフ映画など原作がない場合は、監督と脚本家が協力してプロット(あらすじ)を考えることが多いようです。
またテレビアニメのように話数が多い作品では、シリーズ全体の流れを決めるためのシリーズ構成を考えるところからスタートし、連続ドラマと同じように脚本を制作していきます。
複数人で協力して脚本を作る
テレビなどの長期シリーズや連続ドラマなどでは、一人で脚本をつくるのではなく、複数人やグループ作業で仕上げていくということもあります。
テレビのシリーズというシリーズ上、一人の脚本家に負担がかかると、アイデアが枯渇したり、体調不良で中途降板が起きたり、マンネリになって新しい展開ができなくなったりといろんな弊害が生まれてくることがあります。
そのために何人もの人物が意見を出しあったり、互いに切磋琢磨したりすることで脚本を練り上げ質の高くし、見る人を飽きさせない工夫を凝らしていきます。
専門の脚本家だけでなく、テレビ局側のスタッフや宣伝上の理由から広告業界の関係者が手を入れて、共同作業で脚本を作り上げていく方法もあります。
脚本家の役割
話の土台を作り上げる
脚本家は、話の土台を作り上げる役割を担っています。
ストーリーの骨組みや台詞、舞台背景、人物造形など物語の基本となる部分は脚本家の構成にかかっていますので、絶対になくてはならない重要なポジションとなっています。
柔軟な対応が求められる
脚本家は、現場の俳優・監督の意見や要望を聞いたり、またテレビシリーズなどの場合は視聴者の反応によって話を変えたりと、かなり柔軟な対応をすることが求められています。
脚本をもう一度書き直したり、視聴率不振を改めるために既に提出していた脚本を最初から仕立て直したりしなければならないこともあります。
そのため脚本を書き終え一度提出すれば仕事が終わるわけではありません。
原作を脚本にする
脚本家が仕立て上げるのはオリジナル作品ばかりではありません。
小説や漫画などのヒット作を原作に、ドラマやアニメにすることも多くあります。
原作があると基本的な話は出来上がっていますが、その中から作品のエッセンスとなるものを見極め、時間の制限を考えながら、作品の味を殺さずどう取捨選択すればよいかを考える必要があります。
どこまで原作に忠実であるべきか、どう脚色してオリジナルな部分を付け加えるかなどの見極めも必要になります。
ときには改変したせいで原作者とトラブルになったり、原作のファンから批判されたりするといったケースもあるため、原作をどのように扱いどこまで忠実にするかを考えるのも脚本家の役割です。
周囲と協力して作り上げる
脚本家は自身の文章や想像力だけでなく、現場において周囲と協力しながら作品をつくりあげることが必要です。
場合によってはプロデューサーや監督に拒否されて、一からすべて書き直すという状況に陥ることもありますが、頑なに自分の主張を通すのではなく、意見を聞きながらも要望に合わせて書きなおすことが必要です。
周囲の意見や評価を大切にしながら面白い作品を描き上げることが、脚本家の一番の役割といえるでしょう。
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脚本家の勤務先の種類
脚本家は、芸能プロダクションやマネジメントオフィスに所属している人もいれば、フリーランスで個人事業主として働いている人もいます。
安定した収入が得にくい業界であるため、普段は会社員として働きながら副業としてシナリオを書いている人もいます。
テレビやラジオのドラマ、ゲームのシナリオ、舞台の台本など多彩なジャンルの中から、自分の得意な分野を決めて活動している人が多いようです。
脚本家の仕事の流れ
打ち合わせ
脚本家は、作品のプロデューサーや監督から依頼を受けます。
持ち込まれた企画書や原作作品を読み、キャストや公開時期などの概要を鑑みた上で、仕事を受けるか同課を決めます。
取材や資料集め
仕事を受けることを決めると、取材をしたり資料を集めたりして脚本を描くための準備をします。
ときには原作者と直接打ち合わせたり、資料写真や映像を撮りに行ったり、現場を取材したりなどもします。
脚本の執筆
いよいよ脚本を書き始めます。
はじめに登場人物についての設定や相関図、連続ドラマであれば一話ずつのあらすじや大きなエピソードなど大まかなところを決め、それを元に詳細な脚本を書いていきます。
基本となるストーリーの展開の中に、登場人物から舞台設定、アクション、セリフ、心理など作品の要素となるものすべてを盛り込んでいきます。
完成・修正
脚本が完成するとプロデューサーや監督に提出し、内容を確認します。
修正がある場合はその部分をその都度書きなおします。
脚本家と関連した職業
脚本家と似た仕事に、小説家があります。
0からオリジナルのストーリーを作り出すという点では、脚本家も小説家も同じです。
脚本家が小説家と違うのは、観客や視聴者など目で見て判断するビジュアルの部分が大きいために、単に文章のみで話を進めるのではなく、映像的な動きなどがより重視されることです。
もう一つは脚本ができあがった時点ですべて完了するのではなく、監督やテレビ局側の要望によって内容が大きく変わっていく場合があることです。
脚本を書く場合には、脚本家が独断で決めるのではなく、映画監督やテレビのプロデューサーなど、各方面の関係者と話をしながら脚本をつくり、テレビドラマの場合は、視聴率や視聴者の反応を見ながら脚本を随時変更していくということもあります。