刑務官の採用の状況
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刑務官の応募者数は景気に影響される
刑務官は公務員であるため、そのタイミングでの「景気動向」に大きく影響されて志願者数も増減します。
景気が良い時であれば民間企業に人気が集まり公務員を目指す人は減少し、逆に景気が悪い時には公務員に応募者が集まりやすくなる傾向があります。
2019年度の刑務官の応募者数については、全体で11,525名、そのうち男性が8,664名、女性は2,861名です。
この応募者のうち、最終合格者数は全体で1,210名、合格倍率は約9.52倍となっています。
過去3年間の試験倍率を振り返ってみると、2016年度が約5.7倍、2017年度が約5.3倍、2018年度が約5.0倍となっており、2019年度は「応募者が多く倍率の高かった年度」といえるでしょう。
今後も景気の動向によっては「将来の不安」を感じる若者が増え、安定を求めて民間企業ではなく刑務官などの公務員に流れてくる可能性が考えられます。
刑務官を含め公務員就職を目指している人は、その年の景気動向をしっかりチェックしたうえで対策を取ることが必要でしょう。
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女性刑務官の採用状況
2019年度の刑務官合格者の男女別の内訳を見ると、男性は817名で合格倍率は約10.6倍、女性は393名で合格倍率は約7.3倍となっています。
女性の方が合格者数は少ないことは事実ですが、この倍率からも「男性と女性に極端な差がある」というわけではないようです。
刑事施設のなかには「女子刑務所」もあるため、刑務官としての役割を果たしていくためには一定数の女性刑務官は欠かせない存在となっています。
その一方で、近年は若い女性刑務官がなかなか定着しづらいことが問題となっており、今後は女性刑務官が働きやすい環境整備が進んでいくことが予想されています。
採用試験については、女性は「刑務B」に分類されており、基本的な試験内容は男性と同様となりますが、体力検査の基準が男性よりも低く設定してあるなど一部違いもみられます。
受験する地域によって倍率が異なる
刑務官の採用試験は各都道府県で実施されています。
そのため、全体の試験倍率については先ほどご説明したとおりですが、「どの地域で受験するのか」によっても試験倍率は大きく変動することに注意しましょう。
たとえば民間の求人が極めて少ないとされる沖縄をみてみると、2019年度の最終合格者数は「5名のみ」とほかの地域に比べても非常に少ない人数となっています。
合格倍率も「80倍」と高く、一方で関東甲信越の地域ブロックでは「約17.7倍」の倍率であるため、両者の合格難易度には大きな差があることがわかります。
こうした状況からもわかるとおり、採用人数が少ない地域で受験する場合は、同じ年度の試験だとしても合格倍率は跳ね上がる傾向があります。
「どの地域で受験するのか」は合否を大きく左右するため、自分の居住地域にこだわらず、地域ごとの倍率を考えたうえで受験地を決めることも検討していきましょう。