刑務官の勤務時間と休みのシフトは? 夜勤や残業はある?

刑務官は、刑事施設内で受刑者の監視や管理、施設の運営など幅広い業務を担当しており、ドラマや映画などで取り上げられることも多い職業です。

しかし、実際にどのようなスケジュールで動いているのかはあまり知られていません。

この記事では、刑務官の勤務時間や働き方、休日について紹介します。

勤務体系は「昼間勤務」と「昼夜間勤務」のシフト制

刑務官の働き方は、管理する施設や職務によって違いますが、刑務所などでは24時間体制で安全を守るため、夜間も刑務官が警戒に当たる必要があります。

このため、「昼間勤務」と「昼夜間勤務」という2つのシフトがあり、刑務官たちは交代で仕事をこなしています。

刑務官の1週間の労働時間は「38時間45分」と決まっています。

また、刑務所などには、庶務や会計などを担当する「事務専門の部署」もあります。

こちらの場合、夜間の仕事はなく、基本的には昼間のみの勤務です。

給与は、一般の国家公務員に比べて約12%程度給与水準が高い公安職の給与規則が適用されます。

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刑務官の勤務時間

ここからは、刑務官の具体的な勤務時間について説明します。

刑務官の勤務体系は、大きく分けると「昼間勤務」」と「昼夜間勤務」の2パターンがあり、後者は夜勤も含まれます。

日勤にあたる「昼間勤務」

昼間勤務の場合、勤務時間は「朝7時頃から夕方17時まで」です。

受刑者の模範となる存在であるため、他の公務員以上に遅刻は許されません。

業務では、すべての予定に詳細な時間枠が設定されており、予定通りに作業を遂行することが求められています。

まず、夜間勤務からの引き継ぎを受けて、開房点検や刑務作業の指導などの業務に取り組みます。

受刑者の運動や入浴、面会などの予定がある場合、刑務官は受刑者を指定された場所に案内し、監視や確認を行う責任があります。

さらに、定期的に事務作業も行う必要があります。

勤務時間内には2時間の休憩時間が確保されていますが、1回の休憩は約30分程度で、実際の労働時間は基本的に8時間となります。

また、予期せぬ状況が発生すると、休憩時間を削って仕事に当たることもあるでしょう。

昼夜間勤務でも同様で、勤務時間中は通常外出することはできません。

24時間勤務の「昼夜間勤務」

昼夜間勤務は、朝7時30分に出勤し、翌朝の7時30分まで勤務する形で、勤務時間は24時間です。

ただし、昼夜間勤務の際には、24時間の勤務中におおよそ4時間ほどの仮眠を取ることができるようになっています。

仮眠時間も「早寝」と「遅寝」のシフトを組みますが、遅寝の場合は夜中の2時頃から仮眠を取得します。

ただし、仕事や雑用などが発生して仮眠時間が削られることもあり、実際には1時間程度の仮眠しか取れないこともあります。

24時間勤務の翌日は休みとなり、その次の日も休日になることが一般的です。

しかしながら、何かトラブルがあった場合は、勤務時間が延長されることがあります。

同僚との調整によってスケジュールが変わることもありますが、基本的にはこのローテーションが続き、1か月に8日間の休みが取れるようになります。

刑務官の1日のタイムスケジュールについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
刑務官の1日のスケジュール・生活スタイル

刑務官の休日

ここでは、刑務官の休日がどれくらいあるのかや、休みの日の実際の過ごし方について紹介します。

週休2日が基本だが不規則になる

刑務官の休日は通常、週に2日間の休みがあり、昼夜間勤務を担当する場合でも1ヶ月に約8日ほどの休暇が与えられます。

しかしながら、刑務所や拘置所など「24時間365日」稼働する施設での勤務が主体となるため、週末や祝日、年末年始にも勤務が必要なことがあります。

有給休暇については、入職1年目は15日間、その後は年に20日間の有給休暇が利用できる権利があります。

また、夏季休暇、結婚・出産・介護・病気・慶弔などの特別な休暇も用意されており、たとえば夏季休暇を3日取って他の休暇と組み合わせて長期の夏休みを取得することも可能です。

ただし、刑務所や拘置所では一定の人員が必要で、基本の勤務スケジュールを守る必要があるため、急な休暇の取得は難しい場合もあります。

休日の過ごし方

受刑者の刑務作業の監督や見回りなど、刑務官の仕事は常に集中力を保つ必要があります。

仕事中はストレスがたまりやすいからこそ、休日は自分の趣味に没頭したり、自宅でゆっくり休むことでリフレッシュする人が多いです。

ただし、休日が完全な休息とは限らず、時には「自宅待機」を指示されることもあります。

この場合、施設で何らかの問題が発生した場合、応援要請があるかもしれません。

そのため、自宅待機の際には特定の範囲を離れて外出することはできず、飲酒も禁止されていることがあります。

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刑務官の残業時間

刑務官の残業の有無は、担当する施設や部署によります。

ただし、一般的に残業は多めといわれます。

その背景には、刑務所が24時間365日、多くの受刑者を監督しなければならない一方で、刑務官の数が足りない状況があります。

刑務所においては、たとえ1分でも「刑務官が一人もいない」という状況は許されません。

そのため、刑務所などで刑務官の数が不足している場合、保安を維持するために残業が必要になることもあるのです。

時間外勤務(残業)が求められることもありますが、法定の勤務時間を超えた分には適切な残業手当が支給されます。

刑務官の夜勤

受刑者のいる刑務所などの刑事施設では、夜間もしっかりと保安を確保する必要があります。

そのため、刑務官は昼間勤務と昼夜間勤務の2つのシフトに分かれて、交代制で勤務を行っています。

刑務官になるのであれば、夜間の勤務も避けられないことを覚悟しておきましょう。

刑務官は激務?仕事はきつい?

刑務官の仕事に対して「きつい」というイメージが持たれることもあります。

ここからは、24時間365日体制で働く刑務官たちの仕事の忙しさを見ていきましょう。

配属先によって激務となることも

刑務官は国家公務員として働くため、勤務時間や休日は法律で明確に規定されています。

休憩時間や、24時間勤務の場合には仮眠の時間も用意されています。

比較的余裕のある勤務先では基本的なスケジュールが守られており、連日の残業や休日出勤が必要なほどの過酷な勤務はありません。

ただし、刑務官の人数が不足していたり、現場の事情によっては厳しい勤務条件が課せられる可能性もあるため、配属先の状況によって大きく異なると考えておいたほうがよいでしょう。

刑務官特有の仕事の大変さがある

刑務所内にはさまざまな受刑者が収容されており、なかには挑発的な態度をとられたり、トラブルが発生したりすることがあります。

これを未然に防ぐために、刑務官は常に神経をとがらせなければなりません。

また、刑務官は受刑者の監督と指導が主な仕事であるため、時には高圧的な態度を取ったり、刑罰を与えたりすることが求められます。

受刑者の気持ちを理解しながらも厳しい行動をとらざるを得ない状況もあり、とくに慣れないうちは、そこに精神的なストレスを感じるかもしれません。

精神的に強くても、日々神経を張り詰める必要があるため、緊張感を持ち続けることで神経がすり減ってしまうこともあるでしょう。

さらに、刑務官は勤務時間内は刑事施設内に閉じこもって過ごすため、外界との接触が限られます。

このような業務の特殊性からくる緊張感や、閉鎖された空間での勤務に大変さを感じる人もいます。

まとめ

刑務官が働く刑務所は、24時間365日常に稼働しているため、刑務官のシフトは不規則なものになりがちです。

勤務時間中は強い緊張感を保ち続けなくてはならないため、働く時間の長さ以上に、精神的なストレスを感じる人もいます。

ただ、勤務時間や休日は国の法律できちんと定められており、残業をした場合には手当もつきます。