JICA職員の語学力・英語力はどれくらい必要?
新卒者採用試験で問われる英語力
世界を股にかけて活躍するJICA職員は、さまざまな国の関係者と交渉を進めるうえで英語力が必須です。
しかし、新卒者採用試験の応募資格には英語力に関する記述はなく、採用に関するFAQページでも「選考において語学力を必須条件としない」と明記されています。
その一方で、同ページのなかでは「入職後1年以内にTOEIC800点、3年以内に860点以上の取得が最低限の目安」とも書かれています。
応募時点では英語力に関するハードルを設けないことで理系分野の学生も応募しやすいメリットがありますが、現実問題として、JICAの仕事のあらゆる場面で英語力が必要です。
たとえ国内拠点の配属になったとしても、海外の視察団や研修員を迎え入れる際に英語が話せなければ仕事に支障が出るでしょう。
そのため「選考時点では語学力は問わない」とされていても、在学中から英語力を磨くに越したことはありません。
最終的に「誰に内定を出すか」といった局面において、同等の資質がある2人が残ったとすれば、当然ながら英語力の高い人のほうが採用される確率は高いでしょう。
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社会人採用試験で問われる語学力
社会人採用では新卒者採用と異なり、応募資格に「英語で実務遂行が可能な方」と明記されています。
具体的な基準も出されており、「TOEIC860点相当以上またはTOEFLiBT100点・PBT600点以上」を有していなければ応募はできません。
中途採用でJICA職員を目指す人は、日々英語の勉強を重ねる必要があります。
語学スキル習得のためのプログラムも
「業務を遂行するには英語力が必須」という事情から、JICAでは英語をはじめとする各語学スキル習得のためのプログラムが用意されています。
TPOに応じた英語表現を学ぶ上級者向けの研修などもあり、入職後はそれらの研修を通じて英語力を高められます。
しかし研修があるとはいえ、英語に苦手意識がある人や英語の勉強に力を注いだ経験がない人が「入職後1年以内にTOEIC800点」をクリアするのは厳しいといえるでしょう。
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英語以外の語学力に関して
英語以外の語学力に関してはどうでしょうか。
JICAでは中南米のプロジェクトも数多く抱えており、その地域の国々ではフランス語やスペイン語が公用語とされています。
そのため社会人採用の募集要項では、求める経験の部分で「フランス語、スペイン語等による職務経験を有する方」と記載されています。
それらの語学スキルがあれば、面接時には大きなアピールポイントになるでしょう。
しかし採用時になにより求められるのは英語力であり、TOEICスコアなどがJICAの示す具体的な基準を超えていなければ応募さえできません。
英語が話せるのは大前提として、それ以外の言語スキルは採用時よりも配属部署や勤務先の希望を出す際に役立つと考えておくのがよいでしょう。