クラブDJの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
クラブDJの仕事とは
クラブDJは、クラブなどのお店やイベントなどでBGMとなる音楽を選び、音楽を流していく仕事です。
自分の知識とセンスを生かし、その場の雰囲気や客層に合った選曲をすることはもちろんですが、ターンテーブルやミキサーを操作しながら音の調整をしたり曲を絶妙に繋いだりと、細かな気配りも求められます。
仕事は夜が中心のため、日中はアルバイトなど他の仕事をしながら夜はDJの仕事をするというスタイルをとっている人が多いです。
20代で正社員への就職・転職
クラブDJの業務の内容
DJのプレイスタイル
DJと聞くと、ヘッドフォンを片耳にかけて、手でレコードを動かしているというイメージを持っている人も多いでしょう。
しかし近年はそのプレイスタイルも多様化しており、DJはさまざまな機材を駆使し工夫をしながら音楽をかけています。
レコードを使うDJ
レコードを使ったDJは最もオーソドックスなスタイルです。
大きな黒い円盤形のレコードをターンテーブルという機材に装着して回転させ、レコード針を落とすことによって音楽が流れます。
ターンテーブルは通常2つ用意され、左右に違う曲を配置します。
2つのターンテーブル間に、両方の音を支配するためのDJミキサーという機材があり、このDJミキサーに双方のターンテーブルを繋ぎ、低音、高音と曲の音質を調整していきます。
DJミキサーには、会場に出力する音とヘッドフォンの中に聞こえる音を分けて調整できる機能が備わっているため、左右のターンテーブルで流している2つの曲を上手くミックスしていくことができるのです。
曲と曲の間で音や流れを途切れさせることなく上手につないでいくのがDJの腕の見せ所です。
レコードというアナログな音源を扱うことによる難しさもある一方で、そこに面白さややりがいを感じている人も多く、DJらしいビジュアルもあることから、今も根強い支持を受けています。
PCを使うDJ
PCにDJができるアプリケーションを入れることにより、PC内で音を加工したり、先に曲のBPMを合わせておくことができたりするため、計画的で安定性のあるDJプレイを行うことができます。
さらに、たくさんの音源を持ち運ぶことができるので、ノートパソコンひとつあればイベントに合わせてさまざまな選曲できます。
会場にはノートパソコンだけ持ち込み、DJミキサーと接続するだけでDJが始められます。
現場で長年の経験がなくとも、音楽を間違えずに流せ、アプリでさまざまな加工ができるので、今では多くのDJたちに人気のスタイルです。
ただし、PCの場合はデータがクラッシュしたときのリスクに備える必要があります。
メリットとデメリット
PCを使ったDJは、レコードのDJに比べると動きがなくて地味に見えるという難点もあります。
また、レコードを使っているDJからは「会場やお客さんに合わせた選曲が即座にできない」「音質がレコードとは異なる」といった意見もあるため、「何を優先させるか」を考えながら、プレイのスタイルを決めることが大切です。
クラブDJの役割
クラブイベントの主役
DJと聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、クラブで行われるイベントのステージで音楽を選曲しているDJの姿でしょう。
DJが流す音楽に合わせて、フロアにいるたくさんのオーディエンスが踊ったり声をあげたりしながら盛り上がっていく、DJはまさにクラブイベントの主役とも言える存在です。
クラブに限らず、ダンスホールやディスコ、野外でのライブなどに出演することもあります。
飲食店を音楽で演出
DJのなかには、レストランやバーのような飲食店でのBGMの選曲を仕事にしている人たちもいます。
音楽はその店の雰囲気を作り上げる上で大きな役割を果たすものですから、DJは音楽での演出を担当しているともいえます。
客層や時間帯を見ながら最適な選曲をすることで、お客さんに心地よい時間を過ごしてもらうのが飲食店のDJの使命です。
店によっては、選曲だけではなく、音響や照明も担当するなど、空間のプロデュースを全面的に任されることもあります。
20代で正社員への就職・転職
クラブDJの勤務先の種類
飲食店やクラブ
特定の飲食店やクラブと専属契約を結んでいるのが「専属DJ」です。
お店のオープンから閉店までBGMを選んでは流し続け、店の雰囲気を作りあげるのに一役買っています。
専属DJとして店側から全面的な信頼を得るようになると、チーフDJとして昇格することもあります。
ただし、チーフになったからといって必ずしも給料が大幅にあがるわけではなく、自分の収入の中から曲を買う必要もあり、日中は他の仕事をしながら夜はDJの仕事をするというスタイルをとっている人が多いのも事実です。
フリーランスのDJ
特定の飲食店やクラブとは契約を結ばずに、個人で活動しているのが「フリーランスのDJ」です。
基本的に同じ店に出入りしている専属DJとは異なり、さまざまなイベントやパーティに参加して単発の仕事に対する報酬をもらうというのが基本的なスタイルです。
自分で仕事を探さなければいけないため、業界の中でいかに人脈を広げられるかということや、オーディエンスを踊らせたり盛り上げたりするための選曲テクニックが、成功のための大きなカギとなります。
実際、よほどの有名人でもない限り、DJのネームバリューだけでたくさんのオーディエンスを集めるのは難しく、報酬もそれほど高くないのが現実です。
生業として生活できる人は全体の1割にも満たないといわれており、普段は選曲や編曲など、他の仕事をしながらDJを続けている人も多くいます。
プロダクションやレーベルに所属したり、オリジナルの曲を作成・販売したりして、DJでありながらミュージシャンとして活動している人もいます。
クラブDJと関連した職業
タレントやミュージシャンとしての活躍も
人気DJのなかには、本業のDJだけではなくてタレントやミュージシャンとして活動している人もいます。
音楽のアレンジを任されたり、他のミュージシャンの演奏の収録を手伝ったりとその内容はさまざまです。
DJの仕事は定期的に依頼が入るとは限りませんし、「クラブだけ」「飲食店だけ」と活動の場を限定しながら十分な収入を得られる人はほんの一握りです。
そのためさまざまな場所での仕事を受けるというケースが多く、自然と活躍の場が広がっていくなかで、タレントやミュージシャンの仕事を引き受けることになるようです。
海外のDJ
海外の有名DJのなかには、ツアーで世界中を飛び回ったり手がけたリミックスCDがミリオンセラーになったりすることで高い収入を得ている人もいます。
「世界で最も稼ぐDJランキング(The World’s Highest-Paid DJs)の2019年版によると、トップの『ザ・チェインスモーカーズ』は約4600万ドル(約50億円)の収入があったとされています。
こうしたことから、海外では「人気DJ=億万長者」というイメージを持っている人も多いのですが、日本ではこのような事情はあてはまらないようです。
しかし日本のクラブDJのなかには、海外に留学して現地のクラブでプレイをしたり世界的なDJの大会に出場したりする人も増えており、国という垣根を越えてテクニックを磨く努力をしています。