クラブDJの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「クラブDJ」とは
クラブハウスでBGMを選曲し、ターンテーブルやミキサーを操作して場を盛り上げる
クラブDJは、クラブなどのお店やイベントなどでBGMを選曲し、場を盛り上げるための音楽をかけていく人のことです。
一般的なDJの働き方は、「店舗の専属として働く人」と「フリーランスで活動する人」の2パターンに分かれます。
特別な学歴や資格などは必要ありませんが、さまざまなジャンルの音楽に詳しくなり、編集や選曲のテクニック・スキルを磨くことは不可欠です。
人脈が重要とされる業界のため、DJができることをアピールしたり、自分が出ていないイベントでも積極的に顔を出したりして、存在を広く認知してもらうといった行動力も欠かせません。
また、新しいアイデアやプレイスタイルを考えて、どんどん披露するような姿勢も必要になってきます。
クラブDJだけで生計を立てていくのは難しく、多くの人は別のアルバイトや仕事をしながら、副業的なかたちでDJの活動をしています。
「クラブDJ」の仕事紹介
クラブDJの仕事内容
クラブなどのお店やイベントで音楽を選曲し、場を盛り上げる
クラブDJとは、クラブなどのお店やイベントなどの場で、BGMとなる音楽を選び、流していく人のことです。
音楽に関する豊富な知識やセンスを発揮して、その場の雰囲気や客層に合った選曲をします。
「曲を選ぶだけ」と想像すると一見簡単そうですが、クラブDJはターンテーブルやミキサーなどのDJ機器を操作しながら、音の調整をしたり曲を絶妙につないだりしなくてはなりません。
そのため、個々のDJの感性や表現力が如実に表れます。
最近では従来型のレコードを使ったDJのほか、パソコンを活用してDJプレイをする人も増えています。
DJの活動内容や働き方はさまざま
DJは、まさにクラブイベントの主役ともいえる存在です。
DJの選曲ひとつで場の雰囲気が一気に変わることもあり、イベントの成功に大きく貢献できる役割といえるでしょう。
人によっては、飲食店などで選曲に加え、音響全般や照明までトータルプロデュースしながら活動しています。
なお、クラブDJの仕事は夜間が中心となること、またDJの活動だけで生活できるほどの収入を得るのは簡単ではないため、日中はアルバイトなど他の仕事を掛け持ちしている人が多いです。
「ミュージシャン兼DJ」という人も比較的よく見られます。
クラブDJになるには
希望する働き方によって、さまざまな方法が考えられる
ひとことで「クラブDJ」といっても、さまざまな働き方をする人がおり、目指すワークスタイルによってどのような道のりをたどればよいかも変わってきます。
クラブやバーなどの「専属DJ」になりたい場合には、各店舗が出す求人に応募するのが一般的な方法です。
ただ、求人サイトなどに求人が出されることはほとんどないため、店舗の張り紙やホームページなどを通して情報を見つける必要があるでしょう。
採用の可否を決定するうえで、「ミックステープ」と呼ばれるデモテープの提出を求められることが多くなっています。
人脈を広げるための行動が重要
特定の店舗と契約をしない、「フリーランスのDJ」として働く人もたくさんいます。
こちらのスタイルを目指す場合には、クラブに毎週通ったり、オーガナイザーと呼ばれる主催者と知り合ったりするなかで、仕事につながることがあります。
イベントの場合は、ネット上で出演者を募ることもあるため、積極的に情報を入手して応募しましょう。
このほか、クラブDJの養成スクールに通い、スクール主催のイベントに参加しながらDJ活動を始める方法や、タレントやミュージシャンとして実力をつけてからDJとしてデビューする方法なども考えられます。
全体としていえるのは、DJの世界では「人脈」が非常に重要になるということです。
DJが活躍する店に通ってオーナーと親しくなることで、そのまま声をかけてもらい、仕事につながるといったこともめずらしくありません。
クラブDJの学校・学費
学歴や資格は一切関係なく働ける
クラブDJは、特別な学歴や資格が一切求められない職業です。
DJとしての仕事を探す際に「学歴が低いから」といった理由で不都合が生じることもまず考えられません。
DJが扱う「ターンテーブル」や「ミキサー」などの機器の知識や使い方は、独学でも十分勉強することができます。
DJになりたいという気持ちさえあれば、誰でも、いつからでもこの職業を目指せます。
もし幅広いジャンルの音楽の理論、著作権や演奏権といった音楽ビジネスの知識、あるいは音響機器の扱い方などを専門的に学びたいのであれば、音楽系の専門学校やDJの養成スクールに通うのもよいでしょう。
ただ、学校やスクールを出ても直接的に仕事につながるわけではないため、自分で積極的にクラブへ通うなどし、DJとしての実力や熱意を認めてもらう心構えが必要です。
クラブDJの給料・年収
専業で生活できる人はごくわずか
クラブでは数多くのDJが活躍していますが、実際にDJとしての仕事だけで生活が成り立っている人はごくわずかです。
クラブDJは、どこかの企業の正社員として雇われて働くといったことはほとんどありません。
クラブなどの専属DJになるのはまれなケースであり、たいていはフリーランスとしてクラブと短期的な契約を結んだり、単発で仕事をしていたりします。
安定した収入を得るのが難しいため、日中に別のアルバイトなどをして生計を立てている人が多いです。
駆け出し時代はとくに生活が厳しい
学歴や資格が問われないDJは、なるためのハードルは決して高くありませんが、駆け出しのころは無報酬に近い状態で活動する人も少なくありません。
イベントに出演する際は「ノルマ」のようなものがあり、決められた集客数などを達成できなかった場合、不足分は自腹となってしまいます。
お金がもらえるようになるには、地道に活動を続けてDJの腕を磨きながら人脈を広げていくなど、行動力が必要です。
本当にDJが好きでなければ、続けていくのは難しいでしょう。
関連記事クラブDJの年収はいくら? 専属DJとフリーランスDJの収入の違いは?
クラブDJの現状と将来性・今後の見通し
自分なりの「スタイル」を出す努力と工夫が不可欠
現在、クラブDJの世界は飽和状態で、DJ志望者もあふれています。
また、最近ではオンラインで簡単に流行の音楽を聴けるようになり、編集ソフトやアプリを使って素人でも簡単に音の加工や曲をつなぐことができるようになっています。
少しばかり音楽に詳しかったり顔が広かったりするだけでは、なかなか仕事を獲得するのも難しいでしょう。
こうした厳しい現実のなか、現在DJとして活躍している人たちは、それぞれに工夫して個性を打ち出しています。
プレイの特色を出すことや新しい企画を考える能力、営業能力を磨くことなど、さまざまなスキルを身につけることが必要です。
決まったルールや縛りがない世界でもあるぶん、いかに自分のアイデアを膨らませ、時代に合わせた新しいスタイルを切り開いていけるかが重要なポイントになっています。
クラブDJの就職先・活躍の場
クラブイベントの主役になる
「DJ」と聞くと、クラブで行われるイベントのステージに立ち、音楽を選曲する様子をイメージする人が多いでしょう。
DJはまさにクラブイベントの主役といえる存在で、クラブはもちろん、ダンスホールやディスコ、野外でのライブなどに出演することもあります。
そのほか、レストランやバーのような飲食店で、BGMの選曲を仕事にしている人たちもいます。
タレントやミュージシャンと兼業しながらDJを続けている人もおり、活躍のスタイルは実にさまざまです。
クラブDJの1日
DJとしての仕事は夜間が中心
一般的なクラブイベントや飲食店でのDJの仕事は、夜遅い時間帯からスタートすることが多いです。
必然的に「夜型」となり、また不規則な生活が続きやすいことが特徴です。
昼間には新譜のチェックや選曲、主催者との打ち合わせなどを行います。
ここでは、クラブイベントに参加するDJのある1日を紹介します。
関連記事クラブDJの1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
クラブDJのやりがい、楽しさ
オーディエンスを沸かせたときの興奮
クラブDJの使命は、音楽を通して、心地良い空間や盛り上がる空間を創りあげることです。
実力のあるDJは、会場の空気を読みながら次々とベストなBGMを選曲し、その場にいる人たちを喜ばせ、熱狂させることができます。
自分の好きな音楽でお客さんたちが楽しそうに踊っているのを見たとき、クラブDJは大きな達成感とやりがいを味わうことができるでしょう。
また、DJとして人気が出てくると、ファンもついてくるようになります。
自分の参加するイベントに毎回足を運んでくれる人が増えてくると手ごたえを感じられますし、もっと期待に応えたいという気持ちになるものです。
クラブDJのつらいこと、大変なこと
思うように盛り上がらず、ときには孤独なステージも
DJとしてステージに上がったからといって、毎回大成功したり、お客さんから思うような反応が返ってきたりするとは限りません。
会場の空気がいまいち盛り上がらず、お客さんが少し白けたムードになっているのを感じると、DJとしてはつらい思いをします。
また、集客そのものに失敗して、イベント会場にお客さんが集まらないということもあり得ます。
こうしたことが続けばDJとしての自信もなくしますし、ステージの印象が悪くなれば「次の仕事が来ないかもしれない」という恐怖感に襲われます。
とくにフリーで活動するDJは、いかに自分のモチベーションを保ち続けながら、活躍の場を広げていくことに苦労する人が多いです。
クラブDJに向いている人・適性
DJをすることが心から好きだと思える人
現代の日本において、クラブDJが置かれている状況は決して安泰とはいえません。
あまり稼げずに、昼間に他の仕事やアルバイトを兼業して、なんとか生活している人もたくさんいます。
「本当にDJが好きでたまらない」「体力的にきつくてもお客さんを朝まで楽しませたい」といった気持ちがなければ、DJを続けていくことはできないでしょう。
友人や知り合いのパーティなどの場で、DJブースに立って好きな曲を流す、それくらいのDJになるのは簡単です。
しかし、長年プロとして第一線で続けていくのは難しく、誰でもできることではありません。
「楽しい」を仕事にするためには、DJに対する誰よりも強い情熱が必要です。
関連記事クラブDJに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
クラブDJ志望動機・目指すきっかけ
マニアックなレベルでの「音楽好き」
クラブDJになるためのきっかけとしては、やはり「音楽が好き」であることでしょう。
クラブという場に親しみがあり、活躍するDJの姿を見て憧れたというような人も少なくありません。
ただし「音楽が好き」と言っても、ちょっとした興味レベルではなく、とにかく深く音楽を愛しており、誰にも負けないマニアックな知識があるようなレベルでなければDJの仕事は務まりません。
特定のジャンルや国、年代の音楽にとどまらず、多種多様な音楽に関して知識を習得する貪欲さがあり、吸収していきたいと思えるような人がDJを目指すことが多いです。
クラブDJの雇用形態・働き方
専属DJになるか、フリーランスとして活動するか
クラブDJの働き方は、大きく分けて2パターンです。
ひとつは、特定のクラブや飲食店と専属契約を結ぶ「専属DJ」です。
専属DJは、継続的に仕事ができるため安心感はあるものの、必ずしも安定した働き方になるとは限りません。
給料についても、経験豊富で人気があるDJは好待遇の場合もありますが、専属DJの仕事だけでは生活するのが難しいほどしかもらえない場合もあります。
次に、特定の店舗とは契約を結ばずに、個人で活動しているのが「フリーランスDJ」です。
フリーランスDJは、さまざまなイベントやパーティに参加して単発の仕事を請け負い、それに対する報酬をもらって活躍します。
自由な活動ができるのは魅力ですが、安定した仕事量を確保するのは難しく、かなり不安定な生活を送る人もいます。
クラブDJの勤務時間・休日・生活
夜型で不規則な生活になりやすい
クラブDJの勤務スタイルは不規則です。
飲食店やクラブなどの専属DJとして働く場合は、通常、その店舗の営業時間が勤務時間に、そして休業日が自分の休日になります。
一方、フリーランスのDJの場合は、すべて案件に合わせて行動するため、決まった勤務時間や休日はありません。
ただし、パーティやクラブイベントは平日の夜や土日祝日に行われることが一般的です。
したがってDJの多くが深夜や土日祝日に働き、それ以外のときに休みを取っています。
DJだけで生計を立てるのは難しいため、平日の日中は別の仕事をし、夜はDJといったハードな日々を過ごしている人もいます。
クラブDJの求人・就職状況・需要
活躍の場は広いが、安定して仕事を続けるのは難しい
DJのニーズは、クラブや飲食店、イベントの場などさまざまです。
求人情報は各店舗やイベントのホームページ、SNS、店舗の張り紙などで見つけられますが、通常、求人情報は不定期にしか出てきません。
また、出てきたとしても1人や2人など、若干名の募集であることがほとんどです。
実際には「紹介」で仕事が回ってくることも多く、どれだけ関係者に顔を売っておけるかが重要になってきます。
とくに駆け出しのDJは、店舗に何度も足を運んでオーナーやイベントの主催者に顔を覚えてもらうこと、積極的に営業活動やアピールをすることなどが欠かせません。
また、最初は報酬にあまりこだわらず、たくさんのクラブイベントに出演して人脈を広げていくのも有用です。
クラブDJの転職状況・未経験採用
厳しい競争の世界で生き抜く覚悟を
DJの募集は決して多いわけではなく、たとえ経験者であっても、仕事を見つけるのは難しいです。
その背景には、クラブ離れや不況の影響などで専属のDJを雇う余裕がない店舗が増えたことや、近年は素人でもパソコンやアプリで曲と曲をつないで音を加工できるようになったことなどがあります。
今後も厳しい状況は続き、DJの募集がさらに減っていく可能性はあるでしょう。
一部の人気DJには仕事が集中しても、あまり知名度がない駆け出しDJが安定的に仕事を続けるのは大変です。
この仕事一本でやっていこうと思うなら、厳しい競争を生き抜く覚悟を持たなくてはなりません。
転職で目指す場合には、金銭面など生活上の不安をどう解消するか、よく計画しておくことをおすすめします。
世界のクラブDJの年収が高い理由は?
クラブ文化が栄えており、規模も大きい
日本のクラブDJに比べて、海外で活躍するクラブDJは、圧倒的に大きな収入を得られるチャンスがあるといわれています。
世界のクラブDJの年収が高い理由は、クラブ文化が栄えており、クラブの規模も大きいことです。
また、パーティーにDJを呼ぶ機会が多く、DJが職業として成り立っている国が多いこともひとつの要因です。
世界で最も稼ぐDJの年収は約50億円といわれますが、ほかにも年収数億円以上に達するDJは、海外には何人もいます。
日本人でも、クラブDJとして大きな収入を手にしたい、華々しく活躍したいと考えるのなら、海外での活躍を視野に入れてみるとよいでしょう。
たとえば「DMC DJ CHAMPIONSHIP」など、国際的なDJの大会の日本予選に参加し、高い評価を得れば、世界で活躍する第一歩となります。