賞状書士の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「賞状書士」とは

賞状書士の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

書道の師範免許などを持ち、賞状や卒業証書などに美しい文字を書く仕事。

賞状書士は、賞状や卒業証書などに美しい文字を書く仕事です。

各種賞状のほか、贈答品の表書きや各種宛名書き、感謝状や席札、名札、式次第、祝辞、ポスター、のし紙など多種多彩にある筆文字を手がけます。

特別な資格がなくても賞状書士になることはできますが、業務に関連する民間資格を取得したり、書道の師範免許や関連資格を持って仕事をする人が大半を占めています。

求人はあまり公開されておらず、資格を取得した民間団体に認定書士として登録され、紹介を受けることが必須になるでしょう。

収入は出来高制であり、賞状1枚につき2000円から5000円ほどが相場といわれます。

実力があれば多くの収入を得ることも可能ですが、現実としては主婦あるいは定年退職後の在宅ワークや、副業としてこの仕事を務める人が多くなっています。

「賞状書士」の仕事紹介

賞状書士の仕事内容

誰もが貰って嬉しい賞状や卒業証書などの立派で美しい文字を書いているのが賞状書士です。

その他にも贈答品の表書きや各種宛名書き、感謝状や席札、名札、式次第、祝辞、ポスター、のし紙など多種多彩にある筆文字を手がけています。

賞状書士に依頼が来る書状は、授与する相手への敬意を払う意味で発行されるものばかりです。

そのため、賞状書士には、賞状内にバランスの良い、美しい文字を途中で墨が擦れること無く書くことができる技術が求められます。地域社会に欠かすことのできない職業であるといえるでしょう。

賞状書士は依頼主から仕事を受注し、用紙や原稿を受け取ると、ほとんどの場合、自宅で作業を行います。

たいていの場合、レイアウト原稿も一緒に渡されるため、書き損じを防ぐため、それを下敷きに用紙をライトテーブルと呼ばれる用具に載せ、透かしながら書いていくのが一般的な方法です。

賞状書士になるには

賞状書士の仕事は資格がなくても請け負うことが可能です。

しかしほとんどの賞状書士は関連の講座や検定を受けて資格を取得しており、それを能力の証明として仕事を得ています。

賞状書士を行う上で有効な資格は複数あり、どれも民間資格で、名称もそれぞれ異なります。

どの団体も養成講座を設置しており、それを受講した上で検定試験を受けるような手順になっており、合格すると認定証の交付が受けられます。

さらに当該団体の認定書士として登録されることができ、仕事のあっせんが受けられます。

賞状書士を志願している人はまずどこかの団体の養成講座を受講し、認定資格の取得を目指しましょう。

また、賞状書士の資格ではなく、書道の師範免許や関連資格を能力の証明として賞状書士を務めている人も中にはいます。

賞状書士の給料・年収

賞状書士の収入は出来高制であることがほとんどです。賞状1枚につき、2000円から5000円ほどであり、1日3時間程度の作業で月収10万円稼ぐ人もいます。

専業主婦や定年退職者など時間に余裕のある人の在宅ワークとしては非常にわりがよいといえるでしょう。

ただし、依頼が常にあるとは限らないため、安定した収入を得ることが難しい場合もあります。また、場合によってはボランティアに近い形で依頼を受けることもあるようです。

ギフトショップや冠婚葬祭業界で正社員として勤務している人の場合は業務の一環として組み込まれることも多いため、特別な手当てはつきません。

賞状書士の現状と将来性・今後の見通し

賞状書士は一度技能を身につければ、筆一本で場所を選ばず、生涯にわたって仕事が続けられます。

日本において、各種式典や冠婚葬祭、表彰式などの大きな行事に風格ある美しい筆文字は欠かせないものです。

したがって、書状書士の需要がこの先、全くなくなるということは考えにくいといえるでしょう。

しかし、最近ではパソコンの性能も上がっており、手書きに近い風合いのフォントも豊富になってきました。

中にはそれまで手書きで対応していた文書をプリントで安易に済ませるケースも出てきています。しかし時代が変わっても簡素化すべきではないと考えられている文書は多数存在します。

相手への敬意や感謝を表す文書は手書きでの対応が必須です。美しい文字で心を表すことのできる賞状書士は今後もあらゆる場で社会を支え続けることになるでしょう。

賞状書士に向いている人・適性

美しい文字を書くことが生業である賞状書士の第一の適性は言うまでもなく、毛筆で美しい文字を書くのが得意であることです。

幼少期から書を習い、親しんできた人や学校の授業で良い評価を得てきた人などは技能の習得から仕事の受注まで比較的スムーズに進むでしょう。

ただし、美しい文字は正しいトレーニングとたゆまぬ努力を惜しまなければ誰でも書くことができるものです。

物事に地道に努力できる人は例え字にそれほど自信がなくても十分に目指せる職業であるといえます。

また、賞状を書き損じた場合、用紙代を自己負担しなければならないことも多いため、作業には高い集中力が求められます。

これまでにスポーツ等で集中力を養ってきた人は意外にも賞状書士に向いているといえるでしょう。

賞状書士の勤務時間・休日・生活

賞状書士という職種は副業的要素が強いため、それぞれのライフスタイルに応じた働き方が可能である点が大きな特徴です。

企業に所属し業務の一環として行う人、別の職業を持ちながら終業後や休日に行う人、在宅ワークとしてルーティンにしている人などその業務形態は多種多様。

ただし、作業の特性上、高い集中力を要するため、1日のうちにそれほど長時間は行わないのが一般的です。

個人差もありますが一度に最長で大体3時間前後で作業を行っていると考えて下さい。時間が長くとれる日には休憩をはさみながら、数回作業を行うこともあります。

とにかくそれぞれの裁量で業務を行うことができるのは賞状書士ならではの特徴であるといえます。

もちろん給与は作業量に応じて支払わるため、稼働時間がそのまま収入に結びつくことになります。

賞状書士の求人・就職状況・需要

実は専門のトレーニングを積み、資格を所持している賞状書士の人口はそれほど多くありません。

その一方で賞状書士の技術を必要とする場は学校や官公庁、ギフトショップや冠婚葬祭業界などたくさんあります。しかしその一方で表立った求人が出ないのが現状です。

したがって賞状書士としての就職を考えている人は資格を取得した民間団体に認定書士として登録され、紹介を受けることが必須になります。

ただし賞状書士は副業的要素が強い職業であるため、書道教室を開きながら依頼を受けたり、ギフトショップや冠婚葬祭業界で一般の社員として勤務する傍らで作業を任されたりすることになるでしょう。

また全く別の職業に従事している人や専業主婦、定年退職後の人などの在宅ワークという側面が強いのも賞状書士の特徴です。

いずれにしても賞状書士業務のみで生計を立てている人はほとんどいないと考えてよいでしょう。