「便利屋」とは

部屋掃除や害虫駆除など、人々が日常生活を送るうえで発生する「困りごと」を解決する仕事。
便利屋とは、人々が日常生活を送るうえで発生するさまざまな「困りごと」を解決することを仕事にしている人、あるいはその組織のことをいいます。
依頼内容は家事や引っ越しの手伝い、庭木の剪定、害虫駆除、パソコン作業など多岐にわたり、なかには特定の資格や免許を持っていなくてはできない仕事も発生します。
便利屋に勤めて働く場合の給料は、正社員であれば月給18万円~20万円程度から、アルバイトであれば時給850円~1000円くらいからのスタートが相場とされますが、独立開業した場合には人によって大きな差が出てきます。
便利屋は経費をさほどかけなくても仕事をすることができるため、工夫次第では利益を上げやすいですが、競争が激化しているなかで生計を立てていくのは容易ではありません。
お客さまからのどんなニーズにも応えられるだけの技術の向上、資格取得を目指す努力が必要になるでしょう。
「便利屋」の仕事紹介
便利屋の仕事内容
依頼を受けて日常生活上の「困りごと」を解決する
便利屋とは、人々が日常生活を送るうえで発生するさまざまな「困りごと」を解決することを仕事にしている人、あるいはその組織のことをいいます。
便利屋が請け負う仕事の代表的なものとしては、部屋の片づけ、引っ越しの手伝い、庭木の剪定、蜂の駆除、犬の散歩、新しいパソコンのセットアップ…など多岐にわたります。
便利屋は依頼を受けると、その内容を確認して作業に必要な人員や時間を割り出し、案件ごとに依頼主からお金をもらって仕事をします。
便利屋の就職先・活躍の場
会社に勤めるか、個人で開業するか
便利屋として働く人は大きく、便利屋として事業を営んでいる企業に勤める人と、個人で独立して仕事をしている人の2種類に分けることができます。
前者の場合は給料が会社から支払われ、一般的な会社員と同じような働き方になります。
個人で開業する人も多くいますが、便利屋になることは簡単でも、便利屋として生計を立てることができるほど稼げるかどうかはわかりません。
依頼者の多種多様なニーズに応えていくなかで、自分だけの強みを持っていると優位性が発揮できるでしょう。
便利屋の1日
日によって1日の流れは異なる
便利屋は、24時間体制で依頼を受け付けている便利屋もあれば、時間を決めて営業しているところもあります。
そのため、どういったスタイルで働くかによって、勤務時間は変わってくるといえるでしょう。
個人で働く場合、営業時間は自由に決めることができますが、基本的に営業時間がそのまま勤務時間となります。
<会社勤めの便利屋のある1日>
7:00 出勤
7:30 デスクワーク
9:00 現場で引っ越し作業
13:30 昼休憩
14:30 現場で庭掃除
16:00 帰社・仕事終了
便利屋になるには
誰でもすぐ便利屋になることはできる
便利屋になるために、特別な資格や学歴は必要ありません。
便利屋の会社に就職する場合には、各社の年齢制限などの条件を満たしたうえで、熱意さえあれば便利屋になることは可能です。
個人で仕事をすることもでき、思い立ったその日から便利屋と名乗って仕事を始めることも不可能ではありません。
ただし、便利屋が提供するサービスは幅広いものになるため、携わる案件の内容によっては運転免許をはじめ、さまざまな資格や免許が必要になることがあります。
便利屋の学校・学費
学歴はほとんど問われない仕事
便利屋になるうえで、学歴が問われることはほとんどないといっていいでしょう。
中卒であろうと、大卒であろうと、便利屋として働きたい気持ちがあれば、便利屋になることは可能です。
また、特別な勉強をしていなくても、便利屋としての知識やスキルは業務を通じて身につけていくことができます。
ただし、もし電気工事などの専門的な技術や資格を持っていれば、そうした依頼が入ったときに請け負うことができるという点では、学校で学ぶことも無駄にはならないでしょう。
便利屋の資格・試験の難易度
扱う案件の内容によっては資格や免許が必要
便利屋としての仕事をスタートするにあたって、絶対に必要となる資格はありません。
独立して個人で便利屋をする場合でも、何かしらの方法でお客さまを見つけ、その人の困りごとを解決して報酬をもらう形になれば、仕事として行っていくことができます。
ただし、特殊な依頼を請け負うのであれば、その内容に応じた資格や免許が必要となります。
便利屋に生かせる資格や免許としては、「廃棄物処理業」「古物商」「普通2種運転免許」「電気工事士」「貨物運送届出」などが挙げられます。
便利屋の給料・年収
独立開業して安定した収入を得るのは難しい
便利屋に勤める場合は、一般企業の会社員と同様、会社から給料をもらって仕事をすることになります。
正社員であれば月給18万円~20万円程度から、アルバイトであれば時給850円~1000円くらいからのスタートが相場となっているようです。
独立開業して働く場合には、どれだけ多くのお客さまを集められるかや、どのような案件を請け負っていくかによっても、収入が大きく変わってきます。
工夫次第では利益を上げやすいですが、必ずしもすべての人が便利屋を開業して儲けているわけではありません。
便利屋のやりがい、楽しさ
多種多様な仕事ができ、刺激的
便利屋として働いていると、日常生活を送っているだけではなかなか経験できないような、多種多様な案件に携わることができます。
持っている技術や資格によっては、電気工事や内装など特別な技術を要する仕事を請け負うこともできますし、一つのことだけでなく、いろいろな経験ができて刺激的な日々を送れることは便利屋のやりがいといえます。
また、依頼者の困りごとを解決することで、直接「ありがとう」と言って喜んでもらえるのも、この仕事の魅力です。
便利屋のつらいこと、大変なこと
「困りごと」の内容は多種多様
便利屋は、お客さまのさまざまな「困りごと」に対応します。
困りごとの内容は多岐にわたり、たとえば買い物のように簡単に終わるものもあれば、ものすごく体力を使うものや、多少の危険を伴うようなものもあります。
また、早朝や深夜に対応しなくてはならない案件もあります。
お客さまのために、違法でない限りは基本的に何でもやるというスタンスをとる便利屋も少なくありませんが、「どんな依頼がくるかわからない」という大変さがある仕事です。
便利屋に向いている人・適性
人を助けることに前向きになれる人
便利屋が請け負う案件は、日常生活に密着した「雑用」といえるようなものもたくさんあります。
しかし、どんなに小さな仕事であっても、目の前のお客さまのために頑張れる人が、便利屋の適性があるといえます。
仕事に必要な知識や技術は後から身につけることができますが、まずは人と関わることが好きでフットワークが軽く、どんな困りごとでも自分が解決するという気持ちを持てる人であれば、便利屋に向いているといえるでしょう。
便利屋志望動機・目指すきっかけ
いろいろな経験をしたいという思い
便利屋を目指すきっかけは人それぞれ異なりますが、便利屋という仕事の特徴である「何でもやる」という点に魅力を感じたという人が多いようです。
一般的な仕事では、ある決まった業務について集中して行いますが、便利屋の場合はお客さまからの依頼があれば、部屋の片づけから掃除、引っ越しの手伝い、遺品整理など、ありとあらゆることを行います。
こうした「いろいろな経験をしたい」という思いから、便利屋という仕事に興味を持ち、実際に便利屋として働き始める人は多くいます。
便利屋の雇用形態・働き方
雇われるほか、独立して働く人も多数
便利屋は、会社に雇われて働く人と、独立して働く人がいます。
会社に雇われる場合、大手企業であれば正社員としての採用が中心ですが、なかには全員アルバイト・パートというところもあるようです。
また、小規模の便利屋の場合、給与制度が不透明であったり、福利厚生が充実していない場合があるようです。
いわゆる「ブラック」な組織もあるとされるため、どのような場所で、どのように働くのかは自分で気を付けて考えたほうがよいでしょう。
便利屋の勤務時間・休日・生活
24時間体制で働く便利屋もいる
便利屋は、24時間体制で依頼を受け付けているところもあれば、時間を決めて営業しているところもあります。
どういったスタイルで働くかによって、勤務時間は変わってくるといえるでしょう。
もし24時間体制をとる便利屋の会社で働くのであれば、複数のスタッフが日勤・夜勤といった交代制で働くのが一般的です。
休日はお客さまの都合によっても変わってきますが、個人で働く場合は特定の休日を設けず、仕事が暇なときに休むという形をとっている人もいるようです。
便利屋の求人・就職状況・需要
便利屋を営む会社の規模や待遇はさまざま
便利屋は、チェーン展開している大手もありますが、少人数で事業を営んでいる組織も少なくありません。
一般的に公開されている便利屋の求人の多くは、ある程度の規模の会社となるでしょう。
必ずしも正社員として働けるわけではなく、最初はアルバイトやパートからスタートする会社もあるようです。
学歴や年齢などはあまり問われず、それよりも意欲や熱意、これまでの仕事の経験や所持資格などが重視される傾向にあります。
雇用形態や待遇などを選ばなければ、就職はさほど難しくないでしょう。
便利屋の転職状況・未経験採用
未経験者でも転職しやすい仕事
便利屋への転職を目指すのであれば、まずは会社勤めをするのか、それとも独立開業するのかを決める必要があるといえるでしょう。
便利屋は未経験者を受け入れる傾向が強く、異業種から転職したいという場合でも採用のハードルはさほど高くありません。
とくにアルバイトであれば、熱意さえあれば受け入れてもらえる可能性は高いでしょう。
ただし、電気工事士や2種運転免許などの資格・免許を持っていると、業務上役立たせることができるため、優先的に採用されることが多いようです。
便利屋の現状と将来性・今後の見通し
需要はあるが、独立開業して生計を立てるのは難しい
通称「何でも屋」といわれる便利屋は、人々の日常生活の中で発生するさまざまな困りごとを解決するために、なくてはならない存在になっているといえます。
メディアでもよく取り上げられる害虫駆除やごみ屋敷の掃除をはじめ、近年は高齢者からの仕事の依頼が増えているとされ、今後も安定的な需要が見込まれます。
しかし、「いつ、どれだけ」の依頼が入るか見えづらい仕事であるため、独立開業して生計を立てていくのは難しいのが実情です。
もし便利屋として安定的に働きたいのであれば、大手チェーンの便利屋への就職を考えるのが一番でしょう。