テレビADの勤務時間・休日・仕事は激務?
多忙を極めるテレビAD
多忙を極める人々が多いといわれているテレビ業界でも、その忙しさが群を抜いているのが、ADという職業です。
今、現役で活躍している多くのADは、自宅にもなかなか帰ることもできず、会社で寝泊まりをするような生活をしています。
大手のテレビ局勤務のADならば、社内にシャワーや仮眠用のベッドなどの設備がありますが、制作会社勤務のADの場合だと基本的にはそのような設備はありません。
数日間ゆっくりお風呂に入れないまま仕事をしていたり、職場のソファで仮眠を取って翌日の仕事に臨んだりしている人々も少なくありません。
不眠不休で働き、身も心も少しずつ疲弊していかざるを得ないのが、ADの生活の実態といえるでしょう。
テレビ業界での仕事ということで華やかなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際の生活は仕事漬けの毎日で非常に地味なことが多いのです。
それだけ大変な日々を送らなければならないことを、しっかりと覚悟した上で、テレビ業界に進むことをオススメします。
20代で正社員への就職・転職
長期出張になることも
ADは、デスクワーク以外に、ロケや取材・スタジオ収録などでデスクを離れる仕事もあります。
都内の仕事だけではなく地方での仕事もありますし、企画の内容によっては海外に行くこともあります。
特に世界中の秘境を訪ねるようなバラエティ番組や世界的なアスリートの活躍に密着したドキュメンタリー番組などでは、海外での取材やロケがメインになることも珍しくないのです。
ディレクターはもちろんのこと、同行するADにとっても慣れない環境のなかで仕事をする過酷さがあります。
さらに、長期間に渡るロケから帰ったあともADはそのままゆっくり休めるわけではありません。
ディレクターがスムーズに編集作業に入れるように、インタビュー内容を字起こししたり、映像のデータを編集機材に取り込んだりしなければいけないのです。
早朝から深夜までに及ぶ勤務時間で、家に帰るのも面倒になってしまい、何日も会社に泊まり込んでいるADも現場にはたくさんいらっしゃいます。
基本的にはサラリーマンのように定時で働くことができるADはいないと考えた方がよいでしょう。
ときには、休憩時間もまったくとることができず1日が終わっていたということもあるほどです。
激務を乗り越えて掴む夢
ADはハードな現場をたくさん乗り越えていかなければいけません。
肉体的にきついのはもちろんのこと、現場でディレクターから叱られたり、カメラマンから無茶な要求をされたりすることもあります。
ロケの現場では取材先からクレームを受けることも珍しくはないのです。
ときには「どうして自分がこんな目にあわなければいけないのか」と思うような理不尽なこともあるでしょう。
このようなADの仕事は、「楽しそう」という気持ちだけでは、体力的にも精神的にも続けることができないものです。
けれども、そんな苦労を乗り越えた結果として、素晴らしい番組ができあがります。
番組は、楽しみに観てくれる視聴者のためにあります。
ですから、体力はもちろんですが、いい番組を作りたいという情熱、そして時には自分を差し置いても人のために動くことができるサービス精神が必要です。
ほとんどのディレクターやプロデューサーは、AD時代を経験しています。
激務ともいえるAD時代は番組制作の流れを体得することができる、とても貴重な時間なのです。