レコーディングエンジニアのつらいこと・大変なこと・苦労
レコーディングエンジニアのつらいこと・大変なこと
アシスタント時期が長い
レコーディングエンジニアになるためには、数年~10年ほどのアシスタント生活が必要不可欠です。
その仕事内容はアシスタントとは名ばかりで、いわゆる雑用や力仕事がほとんどです。
技術的なことの他に、アーティストやミュージシャンが演奏しやすい環境作りにも配慮しなければならないため、接客業のような動きも求められるでしょう。
また、アシスタントは、先輩エンジニアがスタジオ入りする前に入って機材の準備やセッティングを行い、エンジニアが帰った後も残って片付け作業を行うことも少なくありません。
アルバム制作でレコーディングが数日間にわたる場合、自宅に帰らずにスタジオ内で仮眠を取り、朝からまた次の作業に取り掛かることもあり、どんなに体力のある人でも音を上げるほどの過酷さです。
そんな毎日の中で、少しでも時間ができると録音にかかわるスキルを磨く自主練習をはさみながら、ひたすらエンジニアデビューを目指す日々が続きます。
この過酷な数年間を乗り切らなくては、レコーディングエンジニアとして一人前になることはできないのです。
作品作りのプレッシャー
楽曲制作には、アーティストやミュージシャンをはじめ、プロデューサー、ディレクター、作詞家、作曲家、アレンジャーなどのたくさんのスタッフがかかわっています。
そのすべてのニーズに応え、音源制作の最終仕上げを行うレコーディングエンジニアは責任重大です。
体力的にはアシスタント時代より楽にはなりますが、個人事業主であり、自分の責任でプロとしての仕事を果たさなければならないため、プレッシャーや精神的負担は計り知れません。
何時間もレコーディングルームにこもりっきりで、何度も録音や音を聞く作業を延々と繰り返し、ときには深夜に及ぶことや泊まり込みになることも珍しくないのです。
「いいサウンドを作りたい」という情熱を持ち続ける人にしかできない仕事だといえるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
レコーディングエンジニアの悩み
レコーディングエンジニアは、過酷な仕事内容に対し、給料が見合っていないということは多くあります。
とくにアシスタント時代の給料は一般のアルバイトとさほど変わりないといわれています。
また、社員のレコーディングエンジニアの給料は一般のサラリーマン並みと、特別に高いわけではありません。
クライアントに気に入られてフリーランスになると報酬は格段にアップしますが、安定的に仕事が入ってくる確証がないという不安が常につきまとうという悩みがあります。
レコーディングエンジニアを辞める理由で多いものは?
この仕事は、たいていがレコーディングエンジニアになる前のアシスタントの段階で辞めてしまいます。
アシスタントの仕事は過酷で、その大変さにこの道をあきらめる人は非常に多いです。
また、レコーディングエンジニアになってからも、ミキシングの腕がよくなければアーティストやスタジオから仕事の依頼が来ることはありません。
たとえ一人前になったとしても、アーティストとの信頼関係やミキシングのスキルによっては仕事を得ることができず、廃業したり転職したりするという人は珍しくないのです。