庭師になるには? なるまでのルートや免許を解説
庭師になるまでの道のり
庭師になるには、高校や大学で造園や土木について学んだあと、造園会社に就職するのが一般的です。
庭師は職人的な仕事になるため、一人前になるまでには長い年月がかかります。
作業の下準備や道具の手入れからはじめ、徐々に植木の手入れや剪定の仕方などを覚えていきます。
「親方」と呼ばれるようになると、図面の作成、見積もりの計算、人事管理等の事務的な職務を行う能力が求められます。
造園会社で経験を積んだ庭師は、その後独立する場合が多いのが特徴です。
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庭師の資格・難易度
庭師になるために、とくに必要な資格や学歴はありませんが、能力を証明するものとして、「造園技能士」や「造園施工管理技士」、公的資格として「樹木医」などがあります。
「造園技能士」には1級・2級・3級があり、1級が厚生労働大臣、2・3級が都道府県知事により合格を認定される資格です。
「造園施工管理技士」は、合格率の低さから数ある施工管理技士資格の中で最難関といわれています。
ただしこれらは実務経験が必要なため、就職後に自分のレベルや状況に応じて取得することとなります。
庭師になるための学校の種類
庭師として働くためには、造園会社に就職することが一般的です。
就職するにあたり、特別な学歴が問われることはありません。
ただ各種学校において、造園・園芸・建築・土木などの知識をつけておくことは就職の際のアピールポイントになります。
また庭師として働き始めてからの助けになることも多いので、進学の際は専門の学科を選ぶことをおすすめします。
大学や短大の園芸科や造園科、土木科への進学を希望する場合は、理系学科であるため、高校では理系選択をしておく必要があります。
これらの専門学科を設置している大学はそれほど多くないので、志願者が殺到し、高倍率になることもあります。
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庭師に向いている人
庭師に向いているのは、自然に関心を持っている人です。
自然とひとことで言っても、季節や天候、風向き、日当たり、土の状態、草木の特徴、虫や動物についてなど、表す範囲は実に幅広く、あらゆる樹木についても知り尽くしていないといけません。
こうした知識を身に付けるには、いろいろな庭を見たり造園の本を読んだりして、学習や経験を積み重ねていかなくてはなりません。
常に学ぶ意欲を持ち、得た知識を仕事で生かしたいという向上心を持っている人が庭師に向いているといえるでしょう。
庭師のキャリアプラン・キャリアパス
庭師の修業期間は長い
庭師だけでなく職人の世界全般でいえることですが、一人前と認められるまでにはかなりの時間がかかります。
個人差や各々の認識にもよりますが、少なくとも3年間は見習い期間として技術を習得することを第一に考えておきましょう。
庭師の仕事は庭木の剪定を中心に庭園の設計や外構の施工、害虫駆除に至るまで、庭周りの管理を複合的に依頼されるケースが多いため、覚えなければいけないことは多岐にわたります。
大体の作業を一人で行うことができ、独立・開業するまでの実力がつくまでには目安として10年くらい見ておくべきでしょう。
はじめは雑用から
庭師というと高い木に軽々と登っていき、機敏な動作で剪定をしていく姿をイメージする人も多いですが、このレベルになるまでには数年を要します。
就職後の数年は先輩の切り落とした枝や葉の清掃や道具の手入れ、備品等の運搬などの補助的な仕事が中心になります。
庭師の仕事は高い技術力を要するものばかりです。
美しい仕上がりの対価を客から徴収している以上、ある程度の経験がなければこなすことはできないのです。
また庭木の剪定は、たとえベテランであっても落下事故の危険と隣り合わせですし、専門の機械を使用した施工は使い方を間違えれば大事故につながりかねません。
安全面から考えてもなりたての庭師にはすぐ任せることができない仕事が多いのです。
先輩の技術を盗めるのは見習いだけ
庭師の華やかな側面だけを見て志願した人にとっては、この修業期間はつらく感じられるかもしれません。
しかしこの期間は、先輩の技術を見て学ぶことのできる貴重な期間です。
一人前になってからでは、なかなかゆっくりと人の技術を見る機会を得ることができないため、見習い期間の重要性にいち早く気付き、向上心を持って臨める人にこそ、庭師としての明るい将来が待っているといえるでしょう。
庭師を目指せる年齢は?
庭師の仕事に年齢制限はないため、やる気と情熱さえあれば何歳からでもなることができます。
ただし通常は下積みで何年も修行しなくては一人前にはなれませんし、体力的にもハードな仕事であるため、年齢を重ねてからの転職はある程度の覚悟をしなくてはならないでしょう。
庭師は高卒から目指せる?
庭師は高卒からでも目指せる仕事です。
全国的に見て数は多くありませんが、園芸高校では庭師として必要な基礎知識を学ぶことができますし、農業高校の園芸科、造園科、土木科でも同様の勉強ができます。
関連の学科を併設している普通科高校もあるので、高卒後に庭師を目指す人は進学先として検討してみるとよいでしょう。
庭師は女性でもなれる?
これまで造園というと男性が中心ですが、近年は女性でも庭師として働く人が増えてきています。
女性ならではの感性やセンスを生かした庭づくりは非常に需要がありますが、庭師の仕事は体力がなければ務まらないものばかりで、ときには危険を伴う作業もあるのが事実です。
そのためどうしても女性の庭師は男性に比べて不利になってしまい、男性を採用したいと考える企業が多いのが現状です。