仲居になるには

学歴、資格不要

仲居のノウハウは実際に現場で働き始めてから身体で覚えるもの。

したがって入職時に必要とされるものは、やる気と情熱、と心得ておいて構いません。

中には中卒でも採用されるところもありますが、他の志願者と競合した場合に不利になることもあります。

進学は自身のアピールポイントの一つになるので、前向きに検討すべきでしょう。

仲居になるまでのルート

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直接旅館に雇用されるのが一般的

仲居の募集がある旅館に問い合わせ、採用面接を経て直接雇用されるのが王道です。

最近では深刻な人材難を打破すべく、派遣会社経由で仲居を雇うところも増えてきているのでそういったところに登録するのも一つの手段です。

学校に直接求人が来ていることもあります。

進学して接客スキルを高める

仲居として必要な基本知識や技術は大学や短大、専門学校の専門学部で学ぶことができます。

専門の教育機関で学んだ経験は現場での指導をよりよく吸収することが可能になります。

また、即戦力として期待されたり、責任ある立場を任されたりすることも珍しくありません。

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ホスピタリティ系学部の増加

最近では、仲居に必要なおもてなしに関するいろはを学べるホスピタリティ系の学部の設置がある学校が増えてきています。

自身の学力や通学地域を考慮した上で複数校から志望校を選択することが可能になってきました。

その他、観光学部や外国語学部への進学も採用面接時のアピールポイントになってきます。

とっておきたい資格

「接客サービスマナー検定」や「サービス接遇検定」はできれば就職前にとっておきたいものです。

進学同様、現場で生かせるだけでなく、採用面接での強みにすることができます。

また語学力が求められる場面も多いため、英検やTOEICも受検しておきたいものです。

幅広い客層を相手にするために

前項で述べたように仲居を目指すにあたって進学には大きなメリットがあります。

デメリットとしては2~4年程度、現場に出るのが遅くなるということですが、これは仲居にとって必ずしも悪いことばかりではありません。

というのも仲居の対応する客層は老若男女を問わず、幅広い話題を提供できることが求められます。

あまり若年すぎると、対応しきれない客層があるのは致し方のないことですので、あせらずに経験を積んでいきましょう。

仲居就職、求人募集の状況

深刻な人材不足

多くの旅館が仲居不足に悩まされています。

業界全体でも40数年ぶりに求人倍率が上がっており、志願者としては働く場所の選択肢が増え、より自分に合った条件を見つけることができるようになっているといえます。

自治体でも観光産業における人材確保のために広報活動に力を入れるなどして対策をとっているところが増えてきています。

派遣社員の台頭

前項で述べた人材不足を派遣社員で補っている旅館も少なくありません。

観光業に特化した人材派遣会社も複数あり、登録すれば比較的容易に働き先を見つけることができるでしょう。

直接雇用の前に業界の雰囲気を知り、慣れていく意味でも派遣からスタートすることにもメリットはあります。

ただし、福利厚生がなく、期限付きでの採用になるため、将来的には専属勤務を目指すことをおすすめします。

また旅館側も費用がかかり、期限が決められている派遣社員よりも直接雇用で良い人材を確保したいと考えています。

サポート体制万全

求人を見てみると「まかないあり」「寮費無料」という記載も多く見受けられます。

業務の特性上、生活の中に仕事が溶け込んでいきやすいような配慮がされている場合が多いので条件が合えば是非利用すべきでしょう。

未経験者歓迎

前職が何であっても、また特別に観光に関する知識がなくてもやる気と情熱で採用を勝ち取れる職種です。

もちろん、経験者や専門知識を学んできた人は仕事を早く覚えられたり、早々に責任ある立場に立たされたりといったメリットがあるのは否めませんが未経験者でも努力次第で実力を伸ばしていくチャンスは大いにあるといえるでしょう。

離職率が高い

仲居不足の大きな理由としては離職率が高いことが挙げられます。

伝統的な側面の強い職種であるため、礼儀作法等の厳しさに耐え切れずに去っていく人も少なくありません。

加えて立ち通しである上、重いものを持ったりすることも多いことから身体を痛め、やむなく退職を考える人もいます。

このような労働状況を改善すべく、業界を挙げてイメージアップをはかっています。

インターンシップを導入するなどして仕事のやりがいや魅力を実際に体感してもらおうという試みも主流になりつつあります。

仲居の志望動機・面接

人と関わることが好きである

仲居の業務の中心は接客であることは言うまでもありません。

他者とコミュニケーションをとることが好きであることは必須です。

それまで自身がどのような人間関係を構築してきたか、アピールできる点を探しておくようにしましょう。

例えば学生時代の部活動やサークル活動での経験、接客のアルバイト経験など自身にしか語れないエピソードをスムーズに話す準備は必ずしておくべきです。

国際交流に興味がある

前項に加え、日本人以外の外国人と関わることに対して積極的であることも伝えておきたいポイントです。

というのも仲居は外国人観光客のおもてなしをする機会が非常に多いから。

たとえ語学力に自信がなくても関わることを積極的に楽しめる人材を旅館側は求めます。

それまでに国際交流の経験がある人は必ず話しておきたいところです。

もちろん、語学に関するスキルのある人は貴重な人材です。十分にアピールを。

土地への愛情を伝える

仲居はいわばそれぞれの土地の観光大使。

訪れた客にその土地の魅力を存分に伝え、一人でも多くのファンを獲得する指名もあります。

面接までに名所をはじめ、郷土料理、土産物など、それぞれの土地に関する知識をつけておけるとよいでしょう。

もちろん、それらは入職後に時間をかけてつけていくものでもあります。

面接時にはその土地のどのようなところに魅力を感じ、志望するに至ったのか、また入職後、客にどのように伝えていきたいのかを自分なりにまとめておくと情熱を持って志望してきていることが伝わります。

第一印象は大切

仲居が担当する客と接する時間は出会ってまもなく終了します。

仲居の正社員以外の働き方

アルバイトの仲居

時給は平均程度

仲居のバイトの時給は1000~1100円程度に留まります。

他の業種のアルバイトと比べて特別高いということもなければ低いこともありません。

そのわりに覚えることが多く、礼儀作法等に厳しいということもあり、アルバイトとしては敬遠されがちな部分もあるのは否めません。

しかしその一方で得られるスキルは一生ものであり、将来に役立つ財産になるため、志願する人が一定数はいるのが現状です。

求人情報は豊富

前項で述べたような理由で人材確保に苦労している旅館が大多数。

加えて離職率も高いため、求人は多い業種であるといえます。

条件や勤務地等、自分にあった職場をみつけることができるでしょう。

正社員顔負けの勤務日数

仲居のアルバイトは他業種同様、一日のうちの数時間、スポットとして勤務するものもあります。

勤務日数も週3日からでよいものもあるので、根気よく探せば自分の希望に沿うものがみつかるでしょう。

しかし圧倒的にフルタイムに近い形で勤務できる人材をを求めている求人が多いといえます。

結果、収入を伸ばしやすいアルバイトであるといえますが、前述のように気軽に応募できる類のものではないと考える人も多いかもしれません。

寮完備、食事付き

仲居のアルバイトは正社員同様、勤務状況によっては寮に入ることも可能です。

食事も賄いがついている場合がほとんどであり、生活に関わる費用がかからないのが一般的です。

これを有効に活用することで高収入を得ることが可能になってくるアルバイトであるといえるでしょう。

学生をターゲットとした短期バイト

ハイシーズンには人手が多く必要なため、「リゾートバイト」として短期間住み込みで働ける学生を積極的に募集している旅館も多くあります。

この経験は就職試験の際の大きなアピールポイントになりうるため、仲居を志願している学生ならば是非経験しておきたいものです。

経験者は高時給で勤務可能

それまでに仲居の経験がある人は設定されている時給に200~500円程度上乗せされた状態で勤務することが可能である場合がほとんど。

経験者とみなされる条件としてはまず2年以上の実務経験があることが挙げられます。

それより短い期間の場合は旅館によっては経験者扱いにならないこともあるので注意しましょう。

次に着付けが自分でできること。

これは着物の着用が義務付けられている旅館の場合は必須です。

派遣の仲居

業界の主力

派遣会社に所属している仲居は現在、業界を支える大きな労働力になっています。

離職率が高く敬遠されがちである仲居という職業は今まさに深刻な人材不足。

直接雇用の仲居だけではとても旅館を回すことができないため、多くの旅館が派遣会社から人を雇っているのが現状です。

専門の派遣会社、急増中

仲居を中心とした観光業に特化した人材派遣会社は数多く存在しており、インターネットでその情報を得ることは容易です。

登録すれば条件に合った勤務先をすぐに紹介してもらえるため、登録しておくのもいいでしょう。

正社員より高収入?

派遣社員の仲居は時給換算で給料が発生します。

そのため、固定給で勤務する正社員に比べて良い収入を得ているということも珍しくありません。

もちろん、正社員と同等の待遇を受けられないことや、雇用期間が延長されない可能性があることは覚悟しておくべきですが、派遣として働くことにメリットを感じる人も多いといえます。

充実した生活サポート

直接雇用の仲居同様、寮や賄いを利用することができる場合がほとんどです。

仕事の内容も差別されることはないと考えていいでしょう。

自分が何に重きを置くかで仕事の選び方も変わってきます。

双方のメリット、デメリットを踏まえ、派遣という働き方を選び、活躍することのできる職種であるといえます。

直接雇用を目指して

旅館の中には派遣社員の中で秀でた人材を正社員にしたいと考えているところがほとんどです。

派遣からの正社員登用が狭き門である職業が多い中、朗報であるともいえます。

というのも旅館側もコストを抑えて長期勤務の人材が欲しいというのが本音。

まずは派遣社員として経験を積み、スキルを得た上で正規雇用を目指すというルートでもリスクがそれほどないと考えることもできるでしょう。