漫画家になるまでの道のり

娯楽系漫画家になるには

一般的に漫画家としてデビューする際には、以下の方法があります。

新人賞を受賞する

新人賞は、年に数度開催される大きなものもあれば、毎月作品を募集する比較的小規模なものまでさまざまなものがあります。

賞によって応募条件も異なり、しっかりとペン入れやトーン貼りをした完成品の漫画でなくても、ネーム（漫画の下書き）で応募できるものも多数あります。

一部の出版社では、既存の漫画の枠にとらわれないWeb漫画やテーマを限定した漫画など、新しい表現も受け付けています。

ここ数年はこのようなコンテストを行う出版社も増え、受け入れられる表現の幅も広がりました。

今までは漫画家になれなかったタイプの人でも、漫画家になれる可能性が高まっているといえるでしょう。

出版社に直接持ち込みをする

出版社に直接持ち込み、編集者に見てもらう方法です。

かつてはこの方法が一般的でしたが、出版社に余裕がないことから直接作品を持ち込むことは近年ではあまり歓迎されないようです。

なかには持ち込みを積極的に歓迎する出版社も多くありますし、出版社が全国を回り作品を持ち込んでもらうイベントを開催することもあります。

チャンスを広げたい場合はこうした機会を逃さず利用するとよいでしょう。

Webで作品を発表し声を掛けてもらう

Webサイトで自分の実績をアピールすることで、仕事をもらうという方法もあります。

近年はSNSやコミュニケーションサイトから人気のある作家がデビューすることも珍しくありませんし、Webで連載していた人気の作品をコミック化することも増えてきました。

ただし、よっぽど目を引くスキルや実績がないとなかなか難しいといえるでしょう。

漫画家のアシスタントを経験する

こうした方法のほかに、漫画家のアシスタントを経験してデビューするルートもあります。

人気漫画家になって仕事の依頼がたくさん舞い込むようになれば、アシスタントが必要になります。

アシスタントはベタ塗りや消しゴムかけ・背景描き・トーン貼りなどの作業を担当します。

これらは漫画家になる人が必ず身につけるべき技術ですから、確実にスキルアップにつながります。

アシスタントとして実力を磨きながら、自分の描きたい漫画を描き、デビューを目指すというケースは多く見られます。

書籍向け漫画家、広告漫画家になるには

書籍向けの漫画家や広告漫画家を目指したい場合、まずは漫画家を募集している出版社や広告代理店に作品を送り、採用してもらうところから始まります。

雑誌連載の漫画家と違う点は「常時募集している」という点と、完成したストーリーを送る方法をとることはめったにない点です。

過去に書籍や広告の漫画を手がけたことがある場合は、それを送るのが最も有効なアピールになります。

書籍や広告の世界では、ほとんどデジタルで仕事が進行しているため、デジタルソフトを利用して作品を描くことが求められます。

こうした漫画家を志す人は、イラストレーターやフォトショップなどのソフトにも慣れておくとよいでしょう。

漫画家の資格・難易度

デジタルツールに関するもの

近年はデジタルでの漫画が主流になってきていますので、デジタルデータでの入稿を求められることも少なくありません。

資格は必ずしも必要ではありませんが、パソコン操作やソフトの使い方などに精通しているなど、新しい技術に対応する柔軟さも求められます。

資格よりも「描くこと」が大切

あらゆる漫画家に共通して必要なことは「ひたすら漫画を描く」ということです。

「漫画家になりたい」と言う夢を持ちながらも、漫画を実際に何ページも書いている人はほとんどいません。

とにかく描いているうちに、コツをつかんで作業速度も速くなり、絵のクオリティーも上がります。

漫画家には資格やスキルよりもとにかく「描く」ということが大切です。

漫画家になるための学校

漫画家を目指す人向けの学校やスクール、通信講座なども存在しますが、専門的な学校に通わなくてはデビューできないわけではありません。

漫画家になるには一定以上の画力やストーリー構成力などが必要となるため、それらを独学で身につけるのが難しいと感じる場合は、学校やスクールを利用するのもよいでしょう。

ただし、こうした学校はあくまでも基礎を身につけるためのものであり、デビューにはさらなる努力が必要です。

学校によっては業界との太いパイプを持っているところもあり、在学中にアシスタント先を紹介してもらえることもあるようです。

漫画家になるための学校はある？（大学・専門学校）

漫画家に向いている人

漫画家はとにかく常に漫画に対する情熱を絶やさないことが大切です。

漫画家は常に机に向かい絵を描き、ストーリーを考えなければなりませんが、こうした作業がまったく苦にならず、漫画を愛し続けられる人こそが、漫画家に向いているといえるでしょう。

また表現者・クリエイターとして、一定程度の画力を持つことはもちろん個性や創造性を発揮できる人も向いています。

漫画家に向いている人・適性・必要なスキル

漫画家を目指せる年齢は？

漫画家はフリーランス・自営業であるため、表向きには年齢制限はありません。

会社勤めをしながら漫画を描きデビューした人や、主婦として日常や育児漫画を描いていたら人気が出て漫画家デビューしたという人も少なくありません。

出版社の投稿募集でも年齢制限はほとんどありません。

しかし、実際に漫画家としてデビューするには、20代が一定の目安とされるようです。

漫画家は若ければ若いほど伸びしろがあるとみられ、編集側としても育てる余地があり歓迎されやすいのです。

また単純に、漫画家は不規則な生活を強いられるので、体力があり無理のきく若いうちのほうがよいということもあるようです。

漫画家は高卒から目指せる？

漫画家になるために学歴は関係なく、高卒から漫画家になった人も多くいます。

10代でデビューする人も多いのが特徴で、なかには中学生・高校生など在学中にデビューしたという人もいるほどです。

画力や構成力さえあれば、学生時代から十分に勝負できる世界であるといえるでしょう。