航空整備士の1日のスケジュール・生活スタイル

航空整備士の業務スケジュール

空港はシフト制となることが多い

空港では基本的に昼夜問わず24時間体制で整備を行います。

そのため、空港で働く航空整備士たちの場合、交代制のシフト勤務となるケースがほとんどであり、朝番・遅番・夜勤の「3交替制」を採用している航空会社も多いです。

3交替制による勤務時間の目安は次のとおりです。

<3交替制の勤務時間の目安>
・朝番:8:00~17:00頃まで
・遅番:13:00~22:00頃まで
・夜勤:21:00~8:00頃まで
※細かくは職場によっても前後します。

また、朝番の人は常に朝番と固定されているわけでもなく、週に2回は朝番、残り2回は遅番など、1週間の間に頻繁に出勤時間が入れ替わる職場もあるようです。

変則的な生活となってくるため、この仕事に慣れないうちは毎日のリズムをつくるのに苦労することもあるでしょう。

なお交代制の場合は、休日もシフトを組んで交代で取る形となり、毎週土日に決まった休みを取るような生活は送りにくいでしょう。

空港以外であれば一般的な勤務形態となることも

空港以外で働く航空整備士であれば、シフト勤務にならず、一般的な日勤会社員のような勤務形態となることが多いです。

たとえば、官公庁・新聞社テレビ局でのヘリコプターの整備や、企業や富豪が所有する自家用機の整備、航空関連メーカーでの完成品の整備といったような仕事であれば、空港のように24時間体制で行うことはあまりありません。

そのような仕事であれば、「9:00~17:30頃が定時」「平日5日出勤」「土日祝日は休み」といったような一般的な形態となり、規則正しい生活が送れる職場もあります。

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空港で働く航空整備士の1日(ライン整備×早番の場合)

空港で「ライン整備」に携わる航空整備士の早番の1日を、モデルケースとして紹介します。

※ライン整備:フライト前の航空機の整備・点検を行う整備業務であり、次のフライトの出発時間に間に合うよう、的確かつスピーディに整備を行う必要があります。

07:30 出社
メンテナンスセンターに出社後、作業場となる空港のターミナルビルに移動します。
08:00 業務準備
朝礼、準備体操、担当便の確認、整備工具の支度、ブリーフィングなどを行い、本日の業務の準備をします。
08:15 航空機の立ち上げ
整備する機体の電源を入れ、作動チェックなどを併せて行います。
08:30 ライン整備作業開始
次のフライトに影響のないよう、限られた時間内で的確に作業を進めていきます。

無事に一つの機体の整備が終われば離陸のお見送りをして、次の機体に取りかかります。

12:00 昼食
一斉にとることが多いので、仲間とコミュニケーションをとりながら一息つきます。
13:00 午後のライン整備作業開始
引き続き、担当便のライン整備を進めます。
16:30 作業終了、片付け
工具や、作業で出たゴミなどをきれいに片付けます。

現場が汚れているとミスにつながるため、常に清潔に保っておくことが大切です。

16:45 次のシフトの担当者へ引き継ぎ
万が一作業途中になっているものがあれば、確実に伝えるようにします。
17:00 退社
トラブル等がなければその日の業務は切り上げ、退社します。
20:00 帰宅後、資格取得に向けた勉強
一等航空運航整備士を目指した勉強です。

難関な試験のため、残業がない限り、勉強はほぼ毎日行います。

空港で働く航空整備士の1日(ドック整備×夜勤の場合)

空港で「ドック整備」に携わる航空整備士の夜勤の1日を、モデルケースとして紹介します。

※ドック整備:航空機を格納庫に格納して行う大掛かりな整備業務であり、一つの機体の整備に少なくも1週間以上の期間を費やし隅々まで整備を行います。

22:30 出社
メンテナンスセンターに出社後、作業場となる格納庫エリアに移動します。
22:45 業務準備
準備体操、担当便の確認、整備工具の支度、ブリーフィングなどを行い、本日の業務の準備をします。
23:00 ドック整備作業開始
格納庫内で、担当する機体のドック整備を進めていきます。

エンジンや着陸装置、コクピットから客室まで、さまざまな箇所を1週間以上の長い時間をかけて点検・整備していきます。

01:00 休憩
軽く夜食をとります。
02:00 作業開始
引き続き、ドック整備を進めていきます。
07:30 作業終了、片付け
本日の予定作業が完了したら、片付けをはじめます。
07:45 次のシフトの担当者へ引き継ぎ
万が一作業途中になっているものがあれば、確実に伝えるようにします。
08:00 退社
トラブル等がなければその日の業務は切り上げ、退社します。
09:00 帰宅
夜勤をした場合、その翌日は休みとなるのが基本です。

帰宅後は、そのまま就寝するのも、ショッピングや趣味に費やすのも自由です。

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小ネタ:航空整備士がフライトに同乗することもある

航空整備士は空港のターミナルビル内や格納庫内で働くのが基本であり、パイロットのように各地を飛び回ることはあまりありません。

ただし航空会社によっては、毎回航空機のフライトに一定人数の航空整備士が同乗し、到着先の空港で定期点検を行うケースもあるようです。

そのようなルールのある会社であれば、お金を支払わずに仕事として航空機で各空港を飛びまわれ、ちょっとした旅行気分も味わうこともできるでしょう。

航空整備士の勤務時間・休日