航空整備士の大変なこと、苦労

航空整備士のつらいこと・大変なこと

常に勉強、英語も必要

「一等航空整備士」や「二等航空整備士」といった国家資格、さらには機体ごとに用意されたライセンス資格など、航空整備士にはさまざまな資格が用意されています。

航空整備士としてキャリアアップしていくには、それらの資格取得に向けた勉強をする必要もあります。

航空関連の資格試験は簡単ではなく、プライベートを割きながら多くの勉強時間を費やすことになるでしょう。

毎日、帰宅後に何時間も机に向かうことも航空整備士であれば当たり前のようなものであり、勉強することが苦手な人や嫌いな人ですと苦労を感じるかもしれません。

また、航空機関連のマニュアルのほとんどは英語で書かれているため、航空整備に携わる上では英語の読解力も必要となります。

スピーキング力はさほど必要にはなりませんが、読解力は半ば必須で、不足している人であれば自主的に英語の勉強をする必要が出てきます。

責任の重さと大きなプレッシャー

整備ミスが原因で、航空事故に発展するケースもめずらしくはありません。

なかには小さな部品一つの整備漏れが原因となり、多くの乗客の人命にかかわる大事故に繋がることもあります。

そのように航空整備士の行う整備業務の責任は大きく、「絶対に失敗できない」という責任を抱えて働かなければなりません。

それは時にプレッシャーとして重くのしかかり、恐怖すら感じてしまうこともあります。

責任が重い仕事であるからこその「やりがい」もありますが、同時に責任は精神的な「負担」ともなりえるものであり、航空整備士はその両面と向かい合う難しさがあります。

勤務時間が不規則

空港では昼夜問わずの24時間体制で整備を行っており、空港で働く航空整備士の場合は、勤務時間も交代制のシフト勤務となります。

朝番・遅番・夜勤の「3交替制」としている会社が多く、遅番として昼過ぎに出勤し夜22時近くまで働く日もあれば、夜勤として真夜中に出勤し朝方まで働く日もあります。

また、会社によっては、週の半分は朝番、残りの半分は夜勤といったように、1週間の中で出勤時間が頻繁に変わってしまうこともあります。

航空整備士はただでさえ身体を動かし体力を使う仕事であり、そのうえで不規則な勤務や夜勤などが続くと、身体に掛かる負荷はとても大きくなるでしょう。

航空整備士の仕事は身体的にハードな側面があるため、身体を壊さないためには、日ごろから健康や体調管理に気を配らなくてはなりません。

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航空整備士の悩み

収入面の悩み

航空整備士の年収は、会社や取得資格によっても異なりますが、おおむね30代で400万前後、40代で500万円~600万円の人が多いようです。

低収入とまではいかないものの、「責任の重い仕事の割には見合った額ではない」「夜勤手当も含めた上で考えると少ない」と不満をもつ整備士も多いようです。

また、近くに高収入のパイロットやキャビンアテンダント(CA)がいることもあり、それらと比較し、自分の収入に悩んでしまうことも多いようです。

人間関係の悩み

航空機の整備はもちろん一人で行うわけではなく、何人何十人もの整備士たちと協力して作業を進めていきます。

常に同僚整備士たちと顔を合わせ、同じ現場で働き続けることになるため、その分人間関係面のトラブルが起きやすい側面もあります。

航空整備士の年齢層は高めであり、40代~60代の割合が多く、これまでのやり方を曲げずに、ガミガミと怒鳴るように接してくるベテラン整備士もなかにはいます。

そのような上からの圧力に苦しむ若手整備士もいれば、上司と部下の板挟みに合い悩む中堅整備士もおり、中には人間関係が耐えられずに退職してしまう人も一部いるようです。

休日面の悩み

航空整備士は、休日もシフトを組み交替で取ることが基本となり、毎週の土日が必ず休みとなる訳ではありません。

消防や警察など官庁系で働く航空整備士の場合であれば、毎週土日が休みとなるケースもありますが、空港で働く航空整備士の場合は、土日祝日は休めないのが普通と考えておく方が賢明でしょう。

そのように休日が不定期な職業でもあるため、妻(夫)や子どもたちと休日が合わせられず、家族サービスがなかなかできないことに思い悩む人も多いようです。

航空整備士を辞める理由で多いものは?

航空整備士を辞める理由は、人それぞれではありますが、一般的に多いものとしては次のようなものが挙げられます。

<航空整備士を辞める理由として多いもの>
・給料に不満
・職場の人間関係、モラハラ、パワハラ
・管理職になり仕事内容が一転し、整備の仕事に携われなくなったため
・入社した頃のような意欲が減り、勉強する毎日に苦痛
・不規則な生活に耐えられない、健康が心配

航空整備士の場合は、どれか一つの理由で辞めるというよりも、それぞれの理由が重なって退職の決意に至るというケースが多いようです。

なお、「キャリアアップのため大手航空会社に転職」、「まったく違う夢ができ、自分の夢を追う」など、ポジティブな理由で辞めていく人ももちろんいます。