医療事務の需要・現状と将来性
医療事務の現状
医療事務は、業務に関連する資格を取得したりスキルが身に付いたりするだけでなく、比較的勤務時間が安定していることから、とくに女性が長く続けられる仕事として人気があります。
女性は、出産や育児といった私生活の変化によって、仕事を続けたいと思っても勤務形態の問題から仕事を続けることが難しい場合があります。
その点、医療事務では雇用形態(正社員、派遣社員、パート・アルバイトなど)や勤務場所により勤務時間を調整することができるため、仕事が続けやすいのです。
また、未経験者でも仕事を始められるという点も、人気がある理由のひとつでしょう。
しかし、長く続けやすい仕事であることから、現場には「勤務経験20年」といったベテランも多く活躍しています。
そのため、職場によっては新規で人を雇う必要がほとんどなく、新卒者にとっては競争が激しくなってしまっている面もあるようです。
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医療事務の需要
日本は少子高齢化社会に突入し、保健医療分野は注目を集めています。
日本の少子高齢化社会は今後も進んでいくことが予測され、保健医療の重要性はますます大きくなっています。
保健医療のニーズが大きくなれば、それだけ医療事務の需要は高まっていきます。
一方で、多くの医療機関が業務の効率化を目指ており、医療のIT化が進んでいます。
IT化によって、医療事務の重要業務である「レセプト作成」も電子化されてきているため、手書きで作業をしていた時代に比べると、人員が削減されているともいえます。
しかし、コンピューターを使って業務をおこなう人材はまだまだ必要です。
IT化が進んだいま、事務処理スキルの一環としてコンピュータの扱いに長けた人が求められていくでしょう。
医療事務の将来性
保健医療分野が拡大するなか、病院やクリニック、そして介護施設は年々増加しています。
とくに、高齢社会である現在の日本において、介護施設は勢いよく増加しており、医療事務のニーズが増えることが予想されます。
医療事務は、資格を持ち、専門的なスキルを強みにして活躍することができる仕事ではあるものの、IT化が進むにつれて人の手が必要な仕事自体は減っていく可能性もあり、絶対に将来性があるとはいえないかもしれません。
とはいえ、今後もしばらくは専門知識やスキルを備え、患者さんに対してきちんと対応できる人材が多方面で求められていることは確かです。
医療事務のおもな職場は、病院などの医療機関です。
病院は人が生きていく上でなくてはならない機関なので、医療事務の仕事もゼロになることはないでしょう。
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医療事務の今後の活躍の場
医療事務というと、病院やクリニックなどの医療機関が職場となるイメージが強いかもしれません。
しかし、今後は日本の人口における高齢者の割合がますます増えると予想され、病院のほか、介護施設や訪問看護ステーションにおける医療事務のニーズも高まっていきます。
介護施設にもレセプト業務(介護報酬請求業務)などが存在するため、医療事務の知識を持ったスタッフが必要とされます。
さらに、医療事務の需要は、医療健康センターや健康診断センター、企業内の診療所などにもあります。
どのような現場であっても、不安を抱える患者さんへ適切な対応ができるのは、コンピューターやAIではなく、人間です。
今後も医療事務スタッフは、IT分野とうまく役割分担をしながら仕事をしていくことになるでしょう。