プロゴルファーの引退後の生活
プロゴルファーの引退後
プロゴルファーにハッキリとした引退はない
プロゴルフ界では、あまり「引退」という言葉を使いません。
年齢を重ねてからはシニアの大会に出場するなどプロとして活動を続けていくことが可能です。
2017年、女子プロゴルフ界を引っ張ってきた宮里藍選手が「引退」を宣言しましたが、ゴルフ界では珍しいことです。
昔から「プロゴルファーに引退はないからね」というのがゴルフ界の常識です。
また、宮里藍選手は引退後、東京五輪のゴルフ日本代表コーチの打診がありました。
本人が辞退したため実現はしませんでしたが、プロゴルファー引退後もゴルフにかかわっている人は多く存在します。
年齢が高くなってもシニア大会に出場できる
ツアープロが、第一線のトーナメントに出場しなくなっても、たいていの選手はプロゴルフ協会に籍が残ります。
肩書がプロであることに変わりありませんし、シニアの大会に出場することもできます。
男性は50歳以上になれば、シニアプロか、シニアレッスンプロ、女性は45歳以上になれば、シニアレッスンプロの資格試験を受けることができます。
日本のシニアには、「ジャンボ」の愛称で親しまれている、尾崎将司をはじめとして、中嶋常幸、深堀圭一郎らそうそうたるメンバーが名を連ねています。
名選手たちの円熟味溢れるプレーをみられるのがシニアツアーの魅力です。
ちなみに、尾崎、中島と共に「AON」と称された、世界的プロゴルファーのひとり、青木功は、日本ゴルフツアー機構の会長に就任してからは、会長業に専念するためにシニアツアーの出場は控えています。
ただ、過去にシニアツアーで9度のエイジシュート(年齢以下の数字でラウンドする)を達成している名手ですから、いずれツアーに復帰してほしいものです。
シニアプロ、シニアレッスンプロのなり方
男性の資格試験は、第1次が書類審査(過去3ラウンドのスコアを添付)、第2次が面接、第3次が実技テストと筆記テストです。
合格基準は、男性のツアープロが76ストローク以内で、実技評価基準をクリアすること。
男性のレッスンプロが81ストローク以内で、実技評価基準をクリアすることです。
女性のレッスンプロは83ストローク以内で、実技評価基準をクリアすることです。
ツアー帯同コーチとして、ツアープロのコーチをしている人もいますし、レッスンプロとして若手の育成に携わっている人もいます。
実力が伴わなければ、転職する人もいる
プロの世界ですので、実力が伴わなければ、ゴルフで稼ぐことができません。
実は、「引退」を宣言せず、ひっそりと第一線のトーナメントから離れていく人も少なくありません。
そういうプロの中には、ティーチングプロやレッスンプロになる人もいます。
ツアートーナメントで結果が出なくても、教えるのがうまい人やコーチの方が向いている人もいます。
しかし、その陰では、ゴルフ場や練習場、ゴルフショップ、スポーツショップなどのスタッフに転職する人もいます。
また、ゴルフとはまったく関係のない仕事に転職する人も少なくありません。