議員秘書になるには
議員秘書になるまでの道のり
議員秘書秘書には、公設秘書と私設秘書の二種類あります。
公設秘書はさらに政策担当秘書、第一秘書、第二秘書に分けられます。
議員秘書になるための道のりは、「第一秘書・第二秘書・私設秘書」と「政策担当秘書」で違います。
第一秘書・第二秘書・私設秘書への道のり
「第一秘書・第二秘書・私設秘書」の場合は資格試験もなく、議員の裁量で採用が決まります。
議員としては信用のある人物をそばに置きたいため親しい人や身内からの紹介が多いようです。
そのようなコネクションを持っていない場合、選挙ボランティアとして働き自分を売り込む方法があります。
選挙ボランティアは、自分がほれ込んだ議員のもとで働けるため、モチベーションを維持しやすい点がメリットでしょう。
議員の目に留まれば秘書として採用される可能性があります。
政策担当秘書への道のり
政策担当秘書として働くには2通りあります。
「政策担当秘書資格試験」に合格するか、公設秘書を10年以上務めたあとに研修などを経て資格を取得する方法です。
ただし、政策担当秘書としての資格を取得しても必ず採用されるわけではありません。
最終的には国会議員と面接・面談し、お互いに合意する必要があります。
20代で正社員への就職・転職
議員秘書を目指す人におすすめの資格は?
議員秘書におすすめの資格・種類は?
議員秘書は公設秘書と私設秘書に分けられます。
公設秘書には政策担当秘書、第一秘書、第二秘書があり、政策担当秘書以外、資格は必要ありません。
ただし、雇用禁止事項が二つ法律で定められており、一つは「満65歳以上の人の雇用禁止」、もう一つは「当該国会議員の配偶者の雇用禁止」です。
政策担当秘書として働くには、「政策担当秘書資格試験」に合格するか、公設秘書を10年以上務めたあとに研修などを経て資格を取得する方法があります。
「政策担当秘書資格試験」の難易度は相当高く、2019年度の申込者合格率はわずか4%という結果となっています。
国家公務員試験の中でも一番難易度が高いといわれている「総合職試験」の申込者合格率は約10%ですので、政策担当秘書資格試験の難易度の高さが分かります。
そのため公設秘書を10年以上務めて資格を取得するパターンが多いようです。
公設秘書に最低年齢の定めはありませんが、20代後半でも「若手」と言われています。
参考として政策担当秘書試験合格者の平均年齢を見てみると、2019年度は36.6歳、2018年度は37.9歳、2017年度は32.1歳となっています。
20代で議員秘書になったとして10年以上業務を経験し、やっと一人前の秘書として働ける世界です。
一方、私設秘書には年齢、学歴、経歴など制限は一切ありません。
中にはインターン生として秘書業務を学ぶ大学生もいますので、多様な人材が私設秘書として働いているようです。
参考:人事院 2019年度国家公務員採用総合職試験の合格者発表
参考:参議院 国会議員政策担当秘書資格試験実施状況一覧(過去10年)
政策担当秘書の資格
政策担当秘書とは?
衆議院、参議院ともに、公設秘書の政策担当秘書として働くには資格を取得する必要があります。
政策担当秘書とは1993年の国会法改正で政策秘書が設けられ、政策立案および立法活動を補佐することが役割です。
政策担当秘書資格の取得方法
政策担当秘書の資格は2つあります。
1つめは、年1回行われる「国会議員政策担当秘書資格試験」に合格する方法です。
この政策担当秘書資格試験は国家公務員の上級職並みの難関といわれています。
2つめは、「選考採用審査認定」を受ける方法で、この資格を取得するパターンが多いようです。
「選考採用審査認定」は、公設秘書を10年以上務めたあとに研修などを経て取得します。
国会議員政策担当秘書資格試験の概要
<受験資格>
1.大学(短期大学を除く)を卒業した者および試験翌年3月までに大学卒業見込みの者
2.政策担当秘書資格試験委員会が1)に掲げる者と同等以上の学力があると認める者
3.合格発表の時点で65歳未満の者
なお、次のいずれかに該当する人は受験できません。
1.国会議員の政策担当秘書資格試験等実施規程第7条の規定により受験できない者
・日本国籍を有しない者
・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わらない者または執行を受けることがなくなるまでの者
・公務員として懲戒免職の処分に処せられ、当該処分の日から2年を経過しない者
2・平成 11 年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている者(心神耗弱を原因とするもの以外)
<試験内容>
第一次試験:
・国会議員の政策担当秘書に相応した高度で幅広い内容を有する多肢選択式試験
・国会議員の政策担当秘書として必要な高度な企画力・分析力・構成力等を見る総合的な論文式試験
第二次試験:口述式
<難易度>
2019年度の試験申込者199名の内、最終合格者は8名、合格率はわずか4%という結果が公表されています。
国家公務員採用試験の中でも一番難易度が高いといわれている「総合職試験」の申込者合格率が約10%ですので、政策担当秘書資格試験の難易度の高さが分かります。
参考:人事院 2019年度国家公務員採用総合職試験の合格者発表
選考採用審査認定の概要
<認定要件>
1.司法試験、公認会計士試験、国家公務員採用Ⅰ種試験、外務公務員採用Ⅰ種試験または審査認定委員会が定める試験に合格している者
2.国や地方公共団体の公務員または、会社、労働組合その他の団体の職員としての在職期間が通算して10年以上であり、専門分野における業績が顕著であると客観的に認められる者
3.次のいずれかに該当し、第24条に規定する政策担当秘書研修を受講し、その修了証書の交付を受けている者
・公設秘書として在職した期間が10年以上であること
・公設秘書として在職した期間が5年以上10年未満であり、かつ、当該期間と政党職員の職務など議員秘書に類似するものとして審査認定委員会が認める職務に従事した期間の合算が10年以上であること
<試験内容>
書類審査と口述審査
<難易度>
合格者数などのデータは公表されていません。
しかし、高度な専門知識があるか、豊富な実務経験を有するプロフェッショナルにならなければ選考採用審査認定を受けられません。
試験がないとはいえ、難易度は相当高いといえるでしょう。
議員秘書になるための学校の種類
議員秘書になるために必ず行くべき学校はありませんが、法学部や経済学部、政治学部などで学んでおくと役立ちます。
政治家の仕事は法律や条例、行政に大きく関わるため、仕事をサポートする秘書も同様の知識を有している必要があります。
講座やセミナーで議員秘書としてのスキルも身に付ける方法もあります。
秘書マッチングサービスを展開している企業では議員秘書を育成するセミナーを開催していますし、政党によってはインターンシップを開催して秘書業を学んでもらう取り組みを行っています。
議員秘書になるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・学部 )
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議員秘書に向いている人
奉仕する気持ちが強い人
すべての仕事は議員や関係者のために行うものです。
加えて、休日や勤務時間、スケジュールなども議員や関係者の都合で決まるため、自分の都合で何かを決めることはほぼないといえます。
常に誰かのために行動しているので、奉仕の精神を持っている人は向いています。
秘密を守り、情報の精査ができる人
議員秘書として秘密を守ることは大前提です。
政治の世界ではあらゆる情報が行き来しますが、決定事項ではない情報を手に入れることも多くあります。
うっかり誰かに話してしまうと自分だけではなく、議員の信用問題にもつながります。
信頼できる議員仲間や秘書、情報を聞いて協力を惜しまない支援者には深い情報を流すことも時には必要です。
そうした判断を瞬時にできる人も秘書向きです。
コミュニケーションが苦にならない人
議員秘書はとにかく多くの人と会います。
議員が提言する法案や条例案などについて根回しをすることもあれば、官僚に協力をあおぐこともあります。
議員の代理で訪問者の対応をすることもありますし、支援企業や後援会へのあいさつ回りすることもあります。
人と話すのが嫌いだと毎日が苦痛な上に、結果として議員にも迷惑がかかります。
上手にコミュニケーションを取れる人は周囲からも頼りにされますし、自分の仕事もしやすくなります。
議員秘書のキャリアプラン・キャリアパス
議員との関係性や経歴にもよりますが、ここでは議員秘書の代表的な存在である国会議員の秘書の例を紹介します。
最初は地方事務所の私設秘書として働くことから始めます。
雑用をこなしながら、議員に認められれば地方事務所の責任者となったり公設第二秘書として働くようになります。
その後のキャリアは公設第一秘書、政策担当秘書に就ける可能性があります。
結局は選挙で勝たなければ議員を続けられないため、地方事務所で働く秘書も重要な存在といえます。
地元を隅から隅まで知り尽くし、支援者からの信頼が厚い秘書は、議員にとって頼りになります。
地方事務所で働く秘書は、東京の事務所で働く秘書よりも重要な役割を果たす場合もあるでしょう。
議員に対してどのような役割を果たしたいかで、働き方も変わります。
議員秘書を目指せる年齢は?
公設秘書の場合、満65歳以上は採用できないと法律で定められています。
ちなみに政策担当秘書の受験データによると、2019年度の試験では申込者の最高年齢は64歳で、最低年齢は21歳でした。
合格者の平均年齢も公表されており2019年度は36.6歳、2018年度は37.9歳、2017年度は32.1歳となっており、働き盛りの年齢の人が合格している傾向があるようです。
なお私設秘書には年齢制限はありません。
65歳以上になっても議員秘書を続けたい、もしくは目指したい場合は私設秘書として働く道があります。
参考:令和4年度(2022年度)国会議員政策担当秘書資格試験 実施状況
参考:参議院 国会議員政策担当秘書資格試験実施状況一覧(過去10年)
議員秘書は女性でもなれる?
女性でも当然、議員秘書になれます。
公式データは発表されていませんが割合でいうと2割程度ともいわれており、人数としてはかなり少ないようです。
一つの指標として過去3年間の政策担当秘書の試験結果データを紹介します。
■2019年度
申込者数199名の内、女性は24名。最終合格者8名の内、女性は1名
■2018年度
申込者数208名の内、女性は30名。最終合格者12名の内、女性は0名
■2017年度
申込者数292名の内、女性は49名。最終合格者15名の内、女性は1名
数字を見ると、政策担当秘書を目指す女性が少ないのが分かります。
議員秘書全体として女性が少ないため、このような結果になっていると推測できます。