農業経済学とは? 大学で学ぶことや就職先は?

(読了時間:4分7秒)

農業経済学の概要・理念

農業によって生産される農作物は、加工や流通、販売といったルートを通り、私たち消費者の手元に届けられています。

農業は第一次産業と言われるように、私たちの暮らし維持し「食」を支えていく上で、きわめて重要な役割を果たしています。

そのため、農業が産業全体、さらには経済活動に与える影響は甚大であり、農業と経済の関わりについて研究すべきテーマは無数に存在します。

こうした産業としての農業を研究し、経済学の視点から農業を考察していくのが農業経済学という学問です。

身近なところでは、スーパーマーケットなどの店頭で野菜や果物の価格が上がったり下がったりすることがありますが、こうした価格の変動も経済学のアプローチで分析することが可能です。

また、国レベルでの食料自給率や世界レベルでの食糧不足・貧困問題といったように、大きな視野で農業と暮らしとの関わりを捉え、研究することもできます。

このような研究を通じて、国内農業を保護するとともに、安全な食糧の供給を維持することが、農業経済学の大きなテーマの1つとなっています。

農業経済学で学ぶこと

「農業」という言葉が付いていますが、農業経済学は経済学の一分野ですので、経済学や経営学社会学といった社会科学系の基礎知識や研究手法を学ぶことが求められます。

データの収集と分析には数学統計学の知識を駆使することもありますので、こうした分野の基礎を習得することも欠かせません。

その上で、農作物の加工・製造に関する知識、流通の仕組み、消費者ニーズや農業政策など、農作物が市場に供給され消費者に届けられる過程における諸問題について、経済学の視点から研究していきます。

理論だけでなく、実際に農作物が生産され流通する仕組みを体験するために、農作現場での実習や市場・店頭における現地調査が行われることもあります。

農業経済学の大学での授業科目の例

農業市場論

農産物市場、農家購買品市場、農地市場、労働力市場、農業金融市場といった、農業にまつわる市場経済の仕組みについて研究します。

農業計量経済学

経済学の理論にもとづいて経済モデルを作り、実証分析を行う計量経済学の手法を農業に応用する手法を学びます。

農政学

農業のあり方を大きく左右する政策や法令などについて学ぶとともに、事例ごとの解決策を探求します。

農業組織論

経営としての農業と、多くの人が関わる組織としての生産に着目し、組織論の観点から農業を研究します。

外国農業経営論

外国で行われている農業の実態や、生産性向上に寄与している事例などを学び、国内の農業に役立てる方法を模索します。

農業経済学のレポート・テーマの例

農業経済学のレポートは、経営という側面から見た農業やマーケティングの視点で分析した農業など、さまざまな切り口でテーマが設定されます。

経済学や経営学をはじめ、関連する学問の知識を習得しながらレポートを作成することも少なくありませんので、テーマによっては多くのインプットが求められます。

  • ・農業経営における企業間信用の機能
  • ・畑苗代技術の継承について
  • ・農業法人の事業多角化における課題
  • ・食品加工業におけるサービス部門の役割
  • ・農協のマーケティング戦略

農業経済学と関連する学問

農業経済学は経済学の一分野ですので、当然のことながら経済学とは深い関連のある学問です。

同時に、農業政策について研究する場合には政治学や行政学、農業経営について考える場合には経営学や社会学の知識が求められることも多く、密接に関わる学問といえます。

経済という切り口から研究を進めるとはいえ、根本にあるのは農業に対する深い理解と見識であることに変わりはありません。

農学については、農業に関する諸問題を考える上で欠かせない知識となりますので、非常に関連性の高い学問といえるでしょう。

農業経済学を学んで就職に有利な業界・仕事

農業に関する知識と経済学の知見を活かすことができますので、食品メーカーや商社、流通といった業界へ就職する場合には有利になる可能性があります。

農学は自然科学の学問であるのに対して、経済学は社会科学的な側面を持つ学問ですので、文系・理系の垣根を超えて物事を思考できる人材と見てもらえる傾向があります。

その幅広い知見を発揮できる業界という意味においては、金融や建設、観光といったさまざまな可能性が考えられるでしょう。

また、農業関連という面では、農協の職員や自治体勤務の公務員といった仕事に就く上でも、一定の評価をされる可能性があります。

農業という括りにこだわらず、身につけた知見を発揮して活躍できるフィールドは幅広く存在します。

職種としても、特定の分野で力を発揮するというよりは、総合職や営業職、企画職といったように、総合的に能力を発揮して活躍するタイプの仕事に就く上で、農業経済学を学んだ経験を役立てることができます。

農業経済学の知識は人生でどう役立つ?

工業化・情報化が進んだ現代においても、降水量の不足など農作物に与える自然環境による影響を完全に免れることはできていません。

作物の不作により野菜や果物の価格が急騰したり、品薄になってしまったりすることがあるのは、こうしたやむを得ない事情によるところがあります。

農業経済学は、こうした農業に関する経済現象を総合的に研究し、知見を広げていくことに役立つ学問です。

農作物は私たちの暮らしに欠かせない貴重な食糧であり、安定供給に対する課題は尽きることがありません。

日常生活で見かける農作物の経済現象に対して、その背景にある原因や経緯を見抜く知見を持つことは、幅広い視野をもって生きていく上で大変役立つはずです。

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