気象大学校とは

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気象大学校とは

気象大学校は国土気象庁が設置する省庁大学校で、千葉県柏市にあります。

学生の身分は国家公務員採用試験に合格し採用された一般職の国家公務員です。

気象庁の幹部職員の養成および気象庁職員の研修を目的に設置されており、大学部の修業年数は4年間です。

卒業すると学士(理学)の学位が授与され、気象庁の職員として全国に配属されます。

省庁大学校の多くが制服の着用を義務づけており全寮制となっていますが、気象大学校に制服はなく、自宅から通学することも希望に応じて認められています。

気象大学校で学ぶこと・勉強内容

気象大学校で学ぶこと

気象大学校は将来の気象庁幹部職員を養成することを教育方針として掲げています。

そのため、気象業務の基盤として地球科学をはじめ、基礎学術、一般教養、防災行政について学び、理解を深めることが求められます。

幹部職員として、気象業務に関する技術開発や地方気象台での指導といった気象庁の技術基盤を守る水準の知識・技能を身につける必要があります。

履修内容には教養・基礎・専門の各系列の科目から成る教育課程と、実習・講義を通じて気象業務の基礎を習得する特修課程があります。

卒業までに教育課程で153単位以上、特修課程で500時間以上を履修します。

気象大学校の授業内容

教育課程のうち教養系列は大学における一般教養に相当し、哲学文学経済学、英語、第二外国語といった科目を履修します。

教育課程の基礎系列では数学物理学といった基礎的な科目を学び、専門系列では気象学、地震火山学といったより専門性の高い内容を学ぶと同時に、セミナーで卒業研究に向けた指導を受けます。

特修課程では業務論、防災論のほか、防災気象業務の演習や実際の気象庁の施設での職場実習も行われます。

《教育カリキュラム》

課程 系列 分野 授業科目
教育課程 教養 人文科学 哲学、論理学、心理学、科学史、文学
社会科学 経済学、公共経営学法学社会学政治学地理学
第一学国語 英語A、B、C、D、E(英会話を含む)
第二外国語 仏語I、II、III、中国語I、II、III
基礎 数学 微分積分学I、II、線形代数学、数理統計学、物理数学A、B、C、D
物理学 力学、力学演習、物理学実験、熱学I、II、振動波動論、電磁気学、流体力学、弾性体力学、物理学特論
情報科学 電子工学、情報通信、情報技術実験、情報処理演習I、II、III、データ解析、データ解析演習、数値モデル入門、データベース技法
化学 化学通論、化学実験
専門 気象学 気象学概論、気象力学I、II、大気物理学I、II、III、気象観測ネットワーク、地球物理学実験、総観気象学、メソ気象学I、II、数値予報論、データ同化、気象基礎演習I、II、気象解析予測論I、II、気象学演習
地震火山学 固体地球科学入門、地震火山学概論、地震学I、II、火山学、地球電磁気学、地震学演習
地球環境学 海洋物理学、地球環境科学、気候システムI、II
セミナー
卒業研究
特修課程 業務論 気象業務概論、気象業務論
防災論 気象防災概論、防災行政論、防災社会学
演習 情報リテラシー、コミュニケーション演習、防災気象業務演習
実習 施設見学、観測実習、職場実習

気象大学校の受験・入試科目

気象大学校の入試(採用試験)には第一次試験と第二次試験があります。

第一次試験は2日に分けて実施されます。

1日目には学科試験(多肢選択式)と作文試験が行われます。

2日目には基礎能力試験(多肢選択式)と学科試験(記述式)が行われます。

一次試験合格者に対して二次試験が実施され、人物試験と身体検査が行われます。

一次試験 <基礎能力試験>
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
・知能分野(文章理解、課題処理、数的処理、資料解釈)
・知識分野(自然科学、人文科学、社会科学)
<学科試験(多肢選択式)>
1. 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B(数列、ベクトルの分野に限る。)
2. 物理基礎、物理、英語Ⅰ、英語Ⅱ
<学科試験(記述式)>
数学、物理、英語
<作文試験>
文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験
二次試験 <人物試験>
人柄、対人的能力などについての個別面接
<身体検査>
主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む)、その他一般内科系検査

気象大学校の偏差値・難易度・倍率

気象大学校の偏差値の目安は79とされています。

一般的な大学であれば難関大学に相当する難易度であり、合格するには高い学力が必要とされます。

参考:マナビジョン

気象大学校の採用試験申込者数は、ほぼ横ばいで推移しています。

2019年度の申込者は全体で330名、うち男性254名、女性76名となっています。

気象大学校の採用倍率は年によってばらつきがあり、2019年度は10.6倍となっています。

一般的な国立大学の平均的な倍率と比べると、全体的に高めになる傾向があります。

このように、気象大学校は偏差値が高く、採用倍率も高めの水準で推移していることから、合格するための難易度は高いレベルにあると言えます。

気象大学校の学費は? 給料は出る?

気象大学校は一般的な大学とは異なり、気象庁が設置する省庁大学校であり、気象庁の幹部職員を養成することを教育目的としています。

気象大学校に通う学生は気象庁職員として国家公務員の一員となります。

よって、気象大学校に通うにあたって入学金や授業料といった学費を納入する必要はありません。

また、国家公務員として月額およそ14万円の給与に加え、年2回の期末勤勉手当(ボーナス)が支給されます。

学生寮に入寮する場合も寮費はかかりませんが、教科書代や食費は自己負担となります。

気象大学校の志望理由・面接

気象大学校の志望動機

私たちが日ごろ目にする天気予報や防災情報は、気象庁が研究・分析した気象データに基づいて作られています。

気象衛星やレーダー、アメダス、地震計、観測船から送られてくるデータを元に科学的な観測に基づいて観測・分析し、スーパーコンピューターを駆使した解析が行われています。

こうした最先端の技術を扱うとともに、国民の安全な暮らしを守り、自然災害の被害を最小限に食い止める上で、気象庁は非常に重要な役割を果たしています。

気象大学校を志望するにあたって、気象庁の業務が担っている重要な役割を十分に理解し、貢献したいという強い思いを持っていることは必須と言えるでしょう。

将来的に気象庁の幹部職員として活躍することになりますので、気象庁で働きたい理由を体験を交えて伝えられるようにしておくことが大切です。

気象大学校の志望動機の例文

私は台風をはじめとする大雨・大風の被害を最小限に食い止める気象業務に貢献したく、貴校を志望いたします。

私の地元は稲作のさかんな地域で、近隣のほとんどの世帯が農業に携わっています。

台風の時期が近づくと、毎年のように台風の進路や降雨量を皆が気に掛けています。

近年は台風が大型化する傾向があり、台風が直撃した年は水田が大きな被害を被ることもあります。

農業に携わる方々にとって、気象情報は生活を守る上で欠かせない大切なものです。

こうした重要な情報をより正確に、また少しでも早く伝えたく、将来は気象庁で働きたいと考えるようになりました。

以上の理由から、気象業務に携わるための知識・技能を習得したく、貴校を志望いたします。

気象大学校の面接で聞かれること

気象大学校の面接は、一般的な面接試験と同様と考えて差し支えありません。

気象大学校を志望する理由や、将来気象庁で働きたい理由について聞かれますので、志望動機をしっかりと伝えられるようにしておきましょう。

気象大学校に学生は国家公務員として採用されますので、公務員として求められる資質を満たしているかどうかも重要な判断材料となります。

人柄や人間性についても見られていることを意識し、質問には的確に答えられるように練習しておく必要があります。

個性的な答えや人とは違った答えよりも、適切で常識的な受け答えができることが重要です。

高校時代の過ごし方やこれまで熱心に取り組んできたこと、自分の長所と短所といった定番の質問については、あらかじめ答えを準備してのぞむようにしましょう。

気象大学校のオープンキャンパス

気象大学では例年8月頃にオープンキャンパスを開催しています。

2020年度は感染症対策の一環としてオンラインでの開催となりましたが、例年は実際にキャンパスを訪れ、校内や寮の様子を見学できる行事となっています。

プログラム内容としては、午前に学校紹介、施設見学、模擬授業が行われ、午後は個別相談の時間に充てられています。

学内の施設・設備を使った体験実験や、気象庁について知ることのできる資料展示があり、同校の雰囲気を間近で感じることができます。

気象大学校について理解を深めるには絶好の機会ですので、志望する人はオープンキャンパスに参加しておくことをおすすめします。

気象大学校の雰囲気・生活

気象大学校は省庁大学校の中では比較的自由度の高い学生生活を送ることができます。

学生寮は大学校の敷地内にある寄宿舎「智明寮」で、原則は全員入寮ですが希望すれば自宅やアパートから通学することも認められています。

寮生活は上級生との2人部屋で、同室となる相手は年2回組み合わせが変更されます。

修業時間外は外出が認められており、届け出をすれば外泊することもできます。

学業以外にも、野球部やサッカー部、テニス部といったクラブ活動がさかんに行われています。

気象大学校ならではの課外活動として「天気の会」があるのも特徴的です。

春季・冬季の体育祭では学内対抗戦が行われ、各チームが優勝を目指して盛り上がります。

学校祭「紫雲祭」では、天気の会をはじめ写真や絵画、軽音楽、ピアノ演奏といった文化活動の成果を発表します。

学生だけでなく、OBやOG、近隣に住む方々なども気象大学校を訪れ、交流が行われる貴重な機会となります。

気象大学校の就職先・卒業後の進路

気象大学校は気象庁の幹部職員を養成するための教育機関ですので、卒業後は気象庁の関連機関で勤務することが基本となります。

気象大学校を卒業すると、気象庁の本庁や地方気象台などに配属されます。

気象庁幹部職員として、気象や地震・火山、海洋等の観測・予報・防災・調査・技術開発といった職務に従事することになります。

その後のキャリアパスとしては、気象行政の企画立案や各省庁との連携に関する業務、調査・研究業務といった各種業務で経験を積んでいきます。

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