大学はどう選んだらいい? 自分に合った大学を選ぶには
大学選びに失敗してしまうと、せっかく進学しても大学生活に満足できなかったり、自分のやりたいことが十分にできなかったりするからです。
では、大学を選ぶにあたってどのようなことに注意したらいいのでしょうか。
自分に合った大学を選ぶ上で意識しておきたいことについて解説します。
学部や学問の内容から選ぶ
学生の本分は学業ですので、大学を選ぶにあたって学業にしっかりと取り組めるかどうかは最も重要な判断基準の1つと言えます。
どのような学部があり、研究内容はどうであるのかを知るとともに、自分がどのような分野の学問に取り組んでいきたいのかを考えることは、自分に合った大学を選ぶ上で基本中の基本と言えるでしょう。
そもそも大学にはどのような学部があるのか?
大学で学べる学問には多彩な分野があり、高校までで学んできた教科の種類と比べて非常に幅広い学問分野が存在します。
まずは大学にどのような学部があり、それぞれの学部で何を学べるのか、大まかでいいので調べておくことが大切です。
学部名が似ていても、実際に学ぶ内容は違っていることがあるので注意が必要です。
たとえば、商学部と経営学部は似ているようで学ぶ内容が少しずつ異なります。
一般的には、マーケティングや会計について学ぶのが商学部、会社組織の運営など経営学について学ぶのが経営学部です。
逆に、学ぶ内容はほぼ同じでも、大学によって学部の呼び方が少しずつ違うこともあります。
とくに比較的新しくできた「国際〇〇学部」といった学部や、「〇〇コミュニケーション学部」と言った学部の場合、実際にどのようなことを学ぶかは大学によって大きく異なることがあるのです。
具体的な研究内容について、大学案内やシラバスを見るなどして確認しておくようにしましょう。
興味のある学部はどれか?
自分にとってそもそも興味が湧く学部かどうか?という点も重要です。
高校で物理の授業が楽しかったと感じているとすれば、大学で物理学を先行することでより深く学ぶことができ、高校までの知識では分からなかったことが理解できるようになるなど、興味を持って学び続けることができるでしょう。
逆に、ふだん読書をする習慣がほとんどない人が文学部を目指したとすれば、入学後に打ち込む研究では大量の書物に目を通すことになるため、「興味が持てない」と感じる原因になりやすいのです。
「大学で何を学びたいか」と考えるのは決して悪いことではありませんが、やや漠然としていて答えが出にくい場合もあるはずです。
そのような場合は、大学の学部名を見ていく中で興味を持てそうな学部を探すことから始めてみるのも1つの方法です。
深く学びたい学問分野は何か?
大学での学びは専門性が高くなることから、「何を学びたいか」を考えると同時に「深く学びたいことは何か」を考えておくことが重要になります。
たとえば、「英語を学びたい」という人の中には、英会話ができるようになって英語でコミュニケーションを図りたいと考えている人もいれば、言語としての英語に興味があり単語の成り立ちや文法の歴史について学びたいと考えている人もいるでしょう。
自分が深く学びたいと考えていることが大学で学べれば、講義やゼミにも熱意をもってのぞめるはずです。
しかし、自分が深く学びたいと思っていたこととは「何かがちがう」という状態で4年間を過ごすのは、場合によっては苦痛に感じてしまうかもしれません。
4年間かけて深く学び、追究していきたい学問かどうか、という点はしっかりと考えておく必要があるでしょう。
就職など卒業後の進路から選ぶ
受験生にとって志望する大学に合格することは当面のゴールですが、人生を長い目で見た場合、大学は通過点に過ぎません。
大学の先には卒業後の進路がありますので、卒業してからやりたいことや将来の目標から逆算して大学を選ぶという視点も重要です。
就職など卒業後の進路から大学を選ぶ場合、どのような点を意識しておけばいいのでしょうか。
将来就きたい職種や業種は何か?
自分が将来どのような職種や業種で働いていきたいかを考えることは、大学選びにおいて重要なヒントを与えてくれます。
技術職として活躍していきたいのであれば、理系学部の中でも工学部を目指すことが最も近道になり得ます。
企業法務など法律関係の仕事をしたいと考えているなら、法学部を選ぶのが最適な選択と言えるでしょう。
ただし、出身学部を問わない職種も世の中にはたくさん存在します。
たとえば営業職であれば、大学での専攻を問わず就職できるケースがほとんどです。
このように、将来就きたい業種・職種が大学での専攻を問うのか、またはあまり専攻が関係ないのかによって、進むべき学部が絞られるかどうかが決まっていくることがあるのです。
習得しておきたい技能や知識は何か?
将来の進路がまだ明確に決まっていない場合でも、今後どのような技能や知識を習得しておきたいかによって進むべき大学や学部を選ぶ指針となることがあります。
プログラミングや情報処理について学びたいのであれば、少なくとも文系学部ではなく理系学部に進んだほうが技能を習得しやすい環境に身を置くことができるはずです。
学校教諭を目指す可能性が少しでもあるなら、教職課程を履修することが前提になるでしょう。
このように、将来の進路の方向性がおおよそ見えてくれば、大学でどのような技能や知識を習得しておくべきかが絞られてきます。
どのような方面の仕事に就きたいのか、どんな働き方をしたいのか、といったことを考えることで、進むべき大学や学部を考える上での方向性が見えてくるのです。
就職サポートは充実しているか?
近年、卒業生が希望する進路に進むことができているかどうかは、大学にとって学生から選ばれる学校になるために重要な課題の1つとなりつつあります。
とくに就職率については、大学で学んだ成果が企業にどう評価されているかを客観的に知るための指標として重要な意味を持っています。
そのため、多くの大学が学生の就職サポートに力を入れています。
就職サポートが充実している大学かどうかは、大学を選ぶ上で大切な基準の1つになり得るでしょう。
ホームページで卒業生の就職率や就職先を公開している大学や、大学案内で就職課のサポート体制を紹介している大学であれば、就職サポートにも力を入れている可能性があります。
就職サポートの充実度によって大学を選ぶことも、大学を選ぶ上で重要なヒントになるはずです。
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費用や立地、難易度から選ぶ
大学4年間は短いようで長い期間ですので、在学中にかかる学費や通学の利便性を考慮しておく必要があります。
また、現実的な問題として合格を目指せそうな難易度の大学かどうかを判断しておくことも大切です。
どんなに入りたい大学でも、こうした条件に合わなければ別の選択肢を考えてほうがいい場合もあります。
大学で必要な学費や大学の立地、入学時点での難易度について考えておきましょう。
4年間でかかる学費はどれだけか?
大学4年間でかかる学費は、進学先によって大きく変わることがあります。
国公立大学か私立大学かによって、必要な学費が倍以上違うこともあり得ます。
文系学部よりも理系学部のほうが学費が高くなりやすい傾向があり、医療系の学部は理系学部の中でもさらに学費が高くなるケースがほとんどです。
文系学部の中でも4年間を通じて座学が中心の学部と、実習など座学以外の学びの機会がある学部があります。
一般的に、実習や実験には別途費用がかかりますので、4年間トータルで考えると実習・実験の有無によって学費が大きく変わることもめずらしくありません。
年間で必要な学費は大学ホームページや大学案内に掲載されていますので、4年間でどれだけの学費が必要か概算した上で大学を選ぶといいでしょう。
通学に便利な立地か?キャンパスの雰囲気はどうか?
4年間通学する大学ですので、通学に便利な場所にあるかどうかという点も重要な基準になります。
大学によっては、学部ごとにキャンパスが分かれていたり、学年によって通うキャンパスが異なっていたりすることがありますので、実際にどのキャンパスに通学することになるのか把握しておく必要があります。
キャンパスごとに雰囲気や設備の充実度が大きく異なることもあり得ます。
立地だけでなく、設備の充実度について卒業生の評判を調べたり、可能であれば実際にキャンパスを下見したりといったリサーチをしておくことをおすすめします。
通学しやすく、キャンパスの雰囲気が自分に合っていることは、大学を選ぶ上で大切な基準の1つになり得るのです。
合格を目指せそうな難易度か?
目指したい大学が見つかれば、入試に合格できるよう勉強を進めるのみです。
ただし、現在の学力とあまりにもかけ離れた難易度の大学を目標にしてしまうと、場合によっては現役合格が厳しくなることもあり得ます。
もちろん今現在の学力で合格できそうな範囲で大学を選ぶ必要はありませんが、現実的に合格を目指せそうな大学かどうか、という観点で志望校を決めることも必要な場合があります。
大学ごとのおおよそのレベルを知っておくことも、志望校を決める上で大切です。
予備校がホームページで公開している難易度ランクや、模擬試験での判定結果などを参考にしながら、今後の努力しだいで合格を目指せそうな難易度の大学に照準を合わせていくといいでしょう。
この記事のまとめ
自分に合った大学を見つけ、志望校を決めることは、受験勉強を進めるにあたって目標を定めることにつながります。
また、大学入学後に意欲をもって学問に打ち込めるかどうか、将来的に就職につながるかどうか、といった点においても大学選びは重要な選択肢となります。
大学のある一面を見て進学先を決めてしまうことのないよう、今回紹介したさまざまな観点を総合的に判断した上で、自分に合った大学を見つけていくようにしましょう。
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