別の大学に編入するには? 受験科目や難易度は変わる?
そのように考えを持っている人にとって、大学への編入は大きなメリットのある制度です。
別の大学に編入するには、どのような手続きを踏んだらいいのでしょうか。
また、編入する場合、受験科目や難易度はどうなっているのでしょうか。
大学への編入について詳しく見ていきましょう。
別の大学への「編入」とは?「転入学」とのちがい
大学の編入とよく似た言葉に「転入学」があります。
言葉は似ていますが、編入と転入学では意味が異なります。
どのような場合が編入になり、転入学にあたるのはどのような場合なのか、理解しておきましょう。
また、編入制度を利用するのはどのようなケースが多いのか確認しておきましょう。
短期大学などを卒業後、別の大学へ途中から入る「編入」
編入とは、短期大学や専門学校などを卒業後、別の大学の2年次または3年次から途中入学することを言います。
ポイントは、前の学校を「卒業」または「修了」している、という点にあります。
卒業した学校で履修した単位が編入先の大学で認められれば、取得済みの単位として読み替えられ、1年または2年次までの履修が免除される、という仕組みです。
つまり、編入とは「卒業後、別の大学に途中から入ること」を意味しているのです。
大学を卒業することなく別の大学へ移る「転入学」
転入学とは、前の学校を卒業することなく途中で転出し、別の大学へ転入することを言います。
編入では専門学校から大学、短期大学から大学といったように、校種の異なる学校へ編入するケースがほとんどですが、転入学の場合は短期大学から短期大学、大学から大学といったように、同種の学校へ変わるのが一般的です。
たとえば2年次に転入学した場合、転入先でも同じ2年次から学ぶことになりますので、途中から入学できるという点では編入と同じになります。
編入と大きく異なるのは、前の学校を卒業することなく次の学校へ転入する点です。
意味合いとしては「転校」と同じような扱いになると考えるといいでしょう。
どのような人が別の大学に編入している?
大学の編入制度を利用して編入する人は、短期大学や専門学校で学んだことをより深く研究することを希望していたり、就職のことを考慮して4年制大学を卒業することを希望していたりするケースがよく見られます。
実際、短期大学や専門学校で学ぶ2年間は非常に短く、慌ただしく学んできたという印象を持つ人が少なくありません。
もっと専門性を高めておきたい、あるいは就活で研究内容をしっかりとPRしたいと考えた場合、4年制大学への編入は合理的な選択肢の1つと言えます。
また、中には大学に入りたいという希望を持っていたものの、志望校への合格が叶わず短期大学や専門学校へ通うことにした人もいます。
こうしたケースでは、編入制度を活用することにより、志望していた大学に再チャレンジできるというメリットがあるのです。
大学に編入するメリットとデメリット
短期大学や専門学校から大学に途中入学できる編入制度。
この制度を利用することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
また、編入することでデメリットがあるとすれば、どういった点でしょうか。
編入の主なメリットとデメリットについて見ていきましょう。
受験科目が一般入試よりも少なくて済む
編入する場合、編入試験では英語・小論文・面接を実施する大学が多く見られます。
この傾向は私立大学だけでなく、国立大学でも同様です。
一般入試であれば、英語に加えて国語や社会、学部によっては数学といった科目の試験が必須となっている大学がほとんどですので、一般入試と比べて少ない科目数で受験できるのは大きなメリットと言えます。
国立大学の場合、一般入試ではセンター試験の受験が必須ですが、編入試験ではセンター試験そのものがありません。
英語以外に苦手科目があった人や、英語が得意だった人にとって、編入試験は再チャレンジの絶好のチャンスとなる可能性が高いのです。
浪人して大学に入るよりも卒業までの学費が安い
専門学校から4年制大学に編入した場合、1浪して大学に入るよりもトータルでの費用は安くなるケースが多くなります。
<編入と浪人の学費比較>
・一般的な大卒の学費
大学1年:134万円
大学2〜4年:109万円×3 合計461万円
・専門学校から大学に編入した場合の学費
専門1年:125万円
専門2年:107万円
大学3年:134万円
大学4年:109万円 合計475万円
・1浪して大学に入った場合の学費
浪人時代:約100万円(※)
大学1年:134万円
大学2〜4年:109万円×3 合計561万円
※予備校に通った場合の費用を学費として換算
参考:文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額」
より高いレベルの大学へ編入することも可能
一般入試における偏差値で比べた場合、編入前に通っていた学校よりも編入先の大学のほうがレベルが高いということはめずらしくありません。
前で述べた通り、受験科目そのものが少ないことに加え、一般入試よりも競争率が低くなる傾向があるため、編入試験はいわゆる「入りやすい」状況になることが多いのです。
そのため、一般入試のときには合格を狙うのが厳しかった大学であっても、編入試験であれば挑戦できる確率が高まります。
より高いレベルの大学を目指したいという希望がある人は、編入学試験でその目標を達成できるかもしれないのです。
異なる学部・学科を選び直すことができる
編入を機に学部や学科を大きく変更するケースもよく見られます。
これまで通ってきた短期大学や専門学校で専攻してきた分野とは別の方面に興味関心が移っている場合、思い切った専攻の変更が可能になるチャンスと言えます。
たとえば、「これまで文学を学んできたが、就職を考えると経営などの実学を学んでおきたいと感じた」といった希望があれば、転入を機に文学部から経営学部へ専攻を変えることもできるのです。
これまでと違った分野の学問に取り組むことになるため、編入後は大変かもしれませんが、それ以上に大きなチャンスを手にすることができます。
編入後に単位を取り直さなくてはならないことがある
さまざまなメリットがある編入ですが、デメリットもないわけではありません。
編入時、以前の学校で取得してきた単位を編入先の大学での取得単位として読み替えてもらうことになりますが、すべての単位が認められるとは限りません。
場合によっては、認められる単位が限られてしまい、編入後に単位を取り直さなくてはならないことも考えられます。
一般的に、1・2年次に多めに単位を取得しておき、3年次以降は必修の授業は少なくなっていることが多いため、3年次から編入する場合は認められる単位が少ないと大変な思いをするかもしれません。
また、3年次からの編入の場合、就活までの準備期間が短く、学問との両立が大変なことも想定されます。
編入後にこうした事態が待っているかもしれないことは、ある程度覚悟しておく必要があるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
別の大学に編入するために必要な手続き
最後に、大学に編入するために必要な手続きについて確認しておきましょう。
編入試験は一般入試と比べると情報が少ないため、編入することを決めたら自発的に情報を集めておかないと、重要な情報でも入手できず仕舞いになる恐れがあります。
編入前の学校ともよく相談し、必要な手続きを漏れなく済ませておくことが大切です。
編入を希望する大学に編入制度があるか確認する
日本国内にある大学のうち、編入制度を設けているのは7割程度です。
割合としては決して低くありませんが、すべての大学が編入生を受け入れているわけではないという点に注意が必要です。
編入したいと考えている大学が、そもそも編入生を受け入れていないことに気づかないままだと、いざ編入試験に申し込む段になって志望校を再検討しなくてはならないこともあり得ます。
まれに、これまで編入生を受け入れてきた大学が、ある時期を境に編入制度を廃止することもあります。
今まで編入試験を実施してきた大学であっても、確実に編入生を受け入れるかどうかをよく確認しておくことをおすすめします。
編入する大学に前の大学の卒業(見込み)証明書を提出する
大学に編入する場合、前に通っていた学校を卒業している必要があります。
そのため、編入手続きを進める際に前の学校の卒業証明書の提出を求められます。
卒業前に手続きが必要な場合は、卒業見込み証明書を提出することもありますので、これまで通っていた学校にも転入する予定であることを伝え、遅れることなく必要書類を用意してもらえるようお願いしておきましょう。
転入学の場合は、前に通っていた大学の退学証明書が必要になることがあります。
学生課や学校事務局に問い合わせれば用意してもらえますので、何の書類がどういった目的で必要になるのかを伝え、用意してもらいましょう。
この記事のまとめ
大学への編入は、短期大学や専門学校から大学を目指したい人にとって大きなチャンスとなり得る制度です。
専攻の変更や、より高いレベルの大学への編入も可能ですので、目指したい大学や学部がある人は挑戦してみるといいでしょう。
編入制度のメリットとデメリットを理解して、夢の実現のために編入という仕組みを上手に活用しましょう。
30秒でわかる!転職サービス診断
-
20代・第二新卒・既卒の転職支援サービス:Re就活エージェント(PR)
-
未経験OK! IT・Web業界に特化:マイナビITエージェント(PR)