貿易事務の需要・現状と将来性

貿易事務の現状

経済のグローバル化に伴い、日本の輸出入の貿易総額は昔よりも大きく増えています。

2020年の貿易総額(輸出額と輸入額の合計)は約136兆円に達し、中国、アメリカ、ドイツに次いで世界第4位の貿易立国として、多くの物が輸出入されています。

一方で、たとえば2009年のリーマンショック以降には貿易総額が大幅減になるなど、貿易は国内外の経済動向や産業構造の変化などの影響を非常に受けやすく、また取り扱われる物も日々変化していきます。

お酒や食品などの嗜好品や、ファッション、カルチャーの面でも、日本から世界へ、世界から日本への交流がますます盛んになってきており、中小規模の貿易会社で独自の輸出入品を手がけているところも多いです。

最近ではインターネット通販の拡大により、国内外によらず物の売買が行われるようになっています。

また、中小企業や個人であっても積極的に海外ビジネスを展開する機会も増えているため、貿易事務へのニーズは増々高まっているといえるでしょう。

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貿易事務の需要

日本は資源の大部分を海外からの輸入に頼り、食料品や日用品も外国製を多く輸入しています。

また、日本からはおもに工業製品を海外に輸出しており、貿易が経済に占める割合は非常に高いです。

そのため貿易事務は、年間を通して需要の大きな職業です。

各種転職サイトでも、頻繁に「貿易事務特集」を組むなどしています。

今後も大きく貿易取引量が減ることは想定しにくく、貿易事務の需要は今後もあるといえます。

なお、貿易事務は経験者が優先的に採用されるる傾向にあり、経験があればブランクがあっても再就職がしやすいでしょう。

貿易事務の将来性

日本は世界有数の貿易大国で、多くの物を輸入し、工業製品などを輸出しています。

グローバル化が進むなか、今後も貿易量が大きく減少することは想定されにくく、貿易事務のニーズは今後も高いとみられています。

しかし、輸出入に関わる書類作成などの定型業務は、プログラミング技術が発展し、コンピューターのクラウドシステム上で発注側と受注側が直接やりとりできるような仕組みができると、貿易事務の仲介を通さなくても可能になるかもしれません。

またAIの浸透により、今まで人が行っていた貿易書類作成などの業務割合は減っていくかもしれません。

結果、貿易事務の仕事は人間にしかできない調整、折衝業務などに限定されていく可能性もあります。

その影響として求人数の減少も考えられます。

貿易事務という仕事自体は将来的には生き残っていくでしょうが、活躍するにはより高いレベルでの調整能力、語学力が必要となります。

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貿易事務の今後の活躍の場

企業に属して貿易事務を経験したのち、もう一歩進んだキャリアを形成したいと考えたとき、将来的に貿易事務の経験を生かして独立を考えることもできます。

たとえばeコマースのウェブサイトを立ち上げ、個人事業主として特定の物品を輸入し、販売する仕事には、貿易事務としての経験が多いに役立つでしょう。

または事業を法人化して、少し規模の大きい卸売り業者として、国内に顧客を抱えることもできます。

この場合、「通関士」の資格を持っていると大きなプラスポイントになるでしょう。

通関士の仕事