美容師とヘアメイクアーティストの違いとは?
一般の方から見ると美容師もヘアメイクアーティストも同じに感じる方が多いようですが、どちらも経験のある私としては、まったく別業種と言っても過言ではありません。
そのあたりの違いをこれから目指す若い方々に向けて、正しく分かりやすく伝えることが出来たら幸いです。
では美容師とヘアメイクアーティストの両観点から、それぞれの仕事内容についてお伝えしていきます。
美容師になるには?
美容師になるためには国家資格である美容師免許の取得が必要となります。
そのためにはまず、専門の美容学校を卒業していることが大前提です。
卒業していないと、美容師免許の試験を受験する資格を得ることが出来ないからです。
これはぜひ頭に入れておいてくださいね。
因みに、美容学校での就学期間は、
昼間課程(2年間)
夜間課程(2年間)
通信課程(3年間)
高等専修学校(2~3年間)
となっており、個人個人の生活習慣や状況に合わせて選ぶことが出来ます。
他の仕事をしている人は、お仕事を続けながら通信制の美容学校で学んでいる人もいます。
また、高等専修学校は中学卒業者や高校中退の人達に適しており、「高校卒業と同等の資格」を取得することができるうえに、卒業と同時に美容師試験を受験する資格までも得ることが出来ます。
まずは美容学校を決め、卒業をし、国家試験に合格することが美容師への第一歩です。
美容師のお仕事内容
美容師は基本的にヘアカット、ヘアカラー、パーマ、ブロー、トリートメント、ヘッドスパ、、、etcなど、サロン内でお客様を美しくするために様々な施術を提供する接客業です。
一般の方対象に行うことがメインで、お客様の反応を実際に感じることが出来るのでやりがいのある仕事ですが、気に入っていただけないときもあり、気分が落ち込んだり勉強させられることもしばしばあります。
美容師という職業は人の体の一部に触れる、または手を加えるという仕事なので、深い信頼関係を長年築けるという素敵なお仕事です。
人気の美容師になるとお客様が当然増えてくるので、売り上げもアップし、かなりの収入を得ることが出来るようになり、いずれ「自分のお店を開店したい」などの目標がある方には夢が現実になりやすい職業でもあります。
上昇志向を持って頑張ることで、結果もちゃんと付いてきます。
美容師を大きく分けると、スタイリストとアシスタントに分けることが出来ます。
スタイリストになると実際にお客様を担当することが出来るようになります。
アシスタントは経験年数によって技術的に開きがありますが、人によっては先輩を抜いて先にスタイリストデビューする人もいます。
一般的にはスタイリストになるタイミングが近づいている人ほど、色々な施術が出来るようになり仕事の幅も広がります。
修業期間(アシスタント期間)はサロンによって異なりますが、だいたい3~5年くらいの年月がかかるようです。
この期間に身に着けた技術が後々の自分のバックグラウンドになるので、しっかりと身に着けておきたいところです。
ヘアメイクになるには?
特に免許や資格が必要なわけではありませんが、ある一定数の方は美容師免許を持っています。
なぜならヘアメイクもアシスタントからスタートするのが一般的なのですが、所属事務所を持つことでアシスタントとしてのキャリアをスタートさせるのが有利になるからです。
1つ注意点は、所属事務所には誰でも入れるわけではなく、美容師免許保有者が優遇される傾向にあります。
ただ美容部員やウエディング系、テレビ局などを目指す場合は、美容師免許の有無に関してはそれほど問われないようです。
いずれにしても、まずはアシスタントとしてキャリアを積むところから始めることになります。
ヘアメイクのお仕事内容
ヘアメイクのお仕事と言っても様々なカテゴリーがあります。
スチール撮影、舞台、映画、テレビ、ブライダル、化粧品メーカーなど、カテゴリーによって仕事の内容は違ってきます。
今回お伝えするヘアメイクのお仕事は、私のバックグラウンドである「スチール撮影」についてフォーカスしていきます。
スチール撮影は大きく分けると雑誌と広告に分けることが出来ます。
どちらにおいても、自己満足ではなくクライアントの要望をいかに満たし、収益に繋げていくかを考えなければなりません。
要はヘアメイクだけを考えるのではなく、この撮影では何が求められているのかを瞬時に判断する頭の回転、トータル的な美的センス、フレキシブルな対応力が求められます。
また、ヘアメイクがきれいに出来るのは当たり前ですが、周りとのコミニケーション能力がとても重要になってきます。
周りとのコミニケーションが上手くいかないと仕事のクオリティーも下がり、思い描いたものを広告主(クライアント)に提供出来なくなります。
ヘアメイクを施す対象は一般の方ではなくモデル、タレント、女優の方々に行うことが多いです。
就労時間に関してはかなり不規則で、早朝から夕方まで、お昼から深夜まで、深夜から朝方まで、午前中だけ、午後だけなど仕事によって働く時間もバラバラなので、体力勝負と言っても良いかもしれません。
美容師のお仕事に比べ、場所や就労時間の面で全く違います。
その反面、お仕事のたびに撮影場所が変わったり、仕事のメンバーも変わったりと、いつもフレッシュな気分で色々な人達とお仕事できるので、とてもエキサイティングなお仕事です!!
美容師とヘアメイクアーティストの違いについてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
では最後にまとめてみます。
美容師
*免許が必要
*お客様と長年にわたり信頼関係のあるお付き合いが出来る
*お客様の喜びや感動を実際に肌で感じることが出来る
*人気美容師になると高額の収入が見込める
*固定客をつかむと安定した収入が得られる
ヘアメイクアーティスト(スチール系)
*資格や免許無しでも始めることが出来る
*ヘアメイク以外に周りとのコミニケーション能力が必須
*不規則な仕事なので体調管理が重要
*働く場所や人が毎回違うのでいつも新鮮な気持ちで仕事に臨める
*トータルな美的センスが重要
これから美容師やヘアメイクアーティストを目指す方にとって、何らかのひらめきやアイデアに繋がれば幸いです。
ひらかわよういち