
フリーターと正社員の生涯年収の差は2億円といわれており、賃金以外にもフリーターと正社員の働き方には様々な違いがあります。
この記事では、フリーターと正社員の違いと就職の方法を具体的に解説します。
「これからどうしようかな」と迷っている人も後悔しない選択ができるように知っておきたい情報なので、ぜひ読んでみてくださいね。
フリーターは就職を目指すべき?正社員と何が違う?
「フリーターから正社員に就職したほうが本当にいいの?」
この疑問に答えが出せるように、フリーターで就職活動を始める人が知っておきたい正社員との違いやフリーターのメリット・デメリットを紹介します。
フリーターの定義【国内に138万人】
フリーターとはそもそもどういった人を指すのでしょうか。
厚生労働省はフリーターとは以下に当てはまる人と定義しています。
- 学生ではない15歳~34歳で女性の場合は未婚
- 現在の仕事がパート・アルバイトもしくは無職で探している仕事がパート・アルバイト
このように、働く意思がある15歳~34歳で、アルバイト・パートの仕事をしているか探している人をフリーターと定義しています。
一方で、社会一般的に「フリーター」と呼ばれる人は、アルバイトで生計を立てている学生以外の人全般を指すことが多いです。
「総務省の労働力調査2019」によると、フリーターの人口は138万人となっています。
フリーターと正社員の違い【生涯年収の差は2億円】
フリーターと正社員の差は主に3つあります。
- 給料
- 雇用期間
- 仕事への責任
フリーターと正社員の給料の違い
- アルバイト:約6,000万円
- 正社員:約2億6,000万円
※大学卒の男性が22歳~60歳まで働いた場合(退職金は含めない)
独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル統計2019」より
アルバイトとして働くフリーターと正社員の生涯賃金の差は約2億円になります。
フリーターは時間給で働き、昇給やボーナスがないことから生涯賃金では大きな差がつくのです。
また、フリーターには退職金がなく、家賃補助や子供手当といった福利厚生が受けられないことも多いので、実質の生涯賃金の差は2億円よりも多いと考えられます。
フリーターと正社員の雇用期間の違い
- アルバイト:有期雇用が一般的。短期間の雇用が前提
- 正社員:無期雇用。雇用期間の定めがない
正社員として働く場合、リストラをしなければならないほど経営が厳しい、不正をした、といったよほどの理由がない限りは解雇されず雇用が守られています。
一方でフリーターは短期での雇用が前提となっていますから、経営が悪化した場合にはまず雇用を打ち切られることになります。
正社員の方が安定して働くことができます。
フリーターと正社員の仕事への責任の違い
フリーターと正社員とで任される仕事への責任の重さは異なります。
フリーターは仕事への責任が重くない分、働く時間を自由に選べたり残業が基本的にはなかったりとストレスを感じにくい環境で働くことができます。
一方で、仕事が単調になり、やりがいが感じにくくなるというデメリットもあります。
フリーターのメリット・デメリット
- 働く時間を調整しやすい
- 正社員よりも自由度が高い
【フリーターのデメリット】
- 雇用が安定しない
- 給与が上がらない
- 社会的な信用度が低い
フリーターは自由度の高い働き方です。毎日決まった時間で働く正社員に比べると、働く時間を自分で調整できますし、残業や転勤もありません。
自分の夢に向かって努力する時間を確保したい、空いた時間で働きたい、という場合にはフリーターの働き方は魅力があるといえます。
一方で、フリーターは雇用が安定せず、定期昇給やボーナスがないので給与が正社員よりも少ないです。
その結果、社会的な信用度が低く、クレジットカードやローンの審査が通らない、というデメリットもあります。
なお、条件を満たせば、フリーターも社会保険に入ることはできますし、有給休暇の取得も可能です。
フリーターが正社員就職を目指すときの心構え3つ
フリーターが正社員就職を成功させるための心構えは次の3つです。
- 自己分析で「やりたいこと」を見つける
- 求人の条件は絞りすぎない
- 就職に向けて行動を起こす
一つずつ見ていきましょう。
自己分析で「やりたいこと」を見つける
就職しよう、と思い立ってすぐに求人に応募したくなるかもしれませんが、まずは自分を知る「自己分析」からはじめるべきです。
自己分析をすることで、応募先の企業も自然と絞れますし、就職後に「こんなはずではなかった!」とすぐに辞めてしまうことを防げます。
以下のような視点で、自分のことを知り、どんな就職先が自分に合うのかを考えてみましょう。
- 自分が本当にやりたいこと
- 自分が得意なこと・苦手なこと
- 絶対にやりたくないこと
- フリーター経験で身についたスキル
- これからどんなスキルを身に着けたいか
- 5年後・10年後にどんな働き方をしたいか
自分の得意なこと、やりたいことを考えたうえで、身に着けたいスキルを考えると強みを生かすことができます。
どうしても思い浮かばない、という人は、「これは絶対にやりたくない」ということを避ける逆算で考えることもできます。
たとえば、「人前でプレゼンをするのはイヤだから、事務系スキルを身に着けて経理を目指す」「ずっとデスクワークなのは向いていないから、対人スキルを身に着けて営業を目指す」という具合です。
5年後、10年後にスキルを活かしてどんなふうに働いていたいかをイメージして、それが実現できそうな会社を探してみましょう。
1人では自己分析が難しいと感じる人は、後半で紹介する就職エージェントを利用するのもよいでしょう。
求人の条件は絞りすぎない
「希望する条件にあう仕事が見つからないな」という人は、条件を絞りすぎていないかチェックしてみてください。
- 私服・茶髪OKじゃないとイヤ
- 正社員なら年収は今より100万円多くないと
- 勤務地は都心でおしゃれなオフィス
- みんなが知っている大企業がいい
このように条件をいろいろと絞りすぎると、求人そのものが少なかったり、未経験では応募が難しかったりと就職活動が進みません。
自分が譲れないポイントを2~3つに絞り、なるべく視野を広げて求人を見てみましょう。
また、大企業は多くの場合、新卒採用かスキルのある中途採用のみ受け入れていることが多いです。
まずは正社員として働き、実績を積めば大企業への転職も可能ですから、まずはベンチャー企業や中小企業なども積極的に探してみてください。
就職に向けて行動を起こす
フリーターでいる期間が長いほど、環境を変えることは怖く感じますし、長くアルバイトとして働いていれば、職場で頼りにされていて心地よい環境で抜け出したくないと思うかもしれません。
しかし、先ほどフリーターのデメリットを伝えた通り、フリーターは給料が上がらず社会的信用も低いです。
フリーターの期間が長くなり、年齢が上がるほど正社員就職が難しくなってしまいます。
できるだけ早く、就職に向けて自分から行動に移すことが就職成功には大切です。
以下で具体的に就職する方法を解説していきます。
フリーターが正社員就職する方法は?
フリーターが正社員就職する求人を探すには3つの方法があります。
- ハローワークで探す・紹介してもらう
- 求人サイトから探す
- 就職・転職エージェントで紹介してもらう
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に合う方法で求人を探してみてください。
ハローワーク【職業支援訓練も】
ハローワーク(公共職業安定所)は、国が運営している機関です。
以下のようなサポートを無料で受けることができます。
- 仕事の紹介
- 職業訓練の紹介
- 自己分析のサポート
- 応募書類の書き方や面接の指導
- 紹介状の発行
仕事をただ紹介するだけではなく、求職者が就職できるように様々なサポートをしてくれます。
職業訓練とは
職業訓練とは、手当をもらいながら仕事に役立つスキルを身に着けられるもので、基本的に授業料もかかりません。
プログラミングやWebデザインといったIT・Web関係から、簿記・医療事務といった事務、ホームヘルパーなどの介護系など様々な分野の職業訓練があります。
職業訓練では就職後すぐに役立つスキルを学ぶことができます。
職業訓練について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。
職業訓練校とは? 給付金をもらいながら資格取得もできる制度を解説
ハローワークで求人を探すときの注意点
ハローワークには、実は条件が良くない求人もかなり多く紛れています。
ハローワークでは、求人サイトとは異なり無料で求人を掲載できます。だから、求人にお金をかけたくない、かけられない会社やブラック企業がハローワークで求人を出していることもあるのです。
国の機関であるハローワークから紹介された仕事だから、といって安心せずに応募する前に会社の情報をしっかり調べておくことが大切。
ハローワークは以下で紹介する求人サイトや就職エージェントと併用もできるので、うまく使い分けてください。
求人サイトから探す【未経験歓迎を要チェック】
求人サイトとは、名前の通り求人が掲載されているサイト。
大手の以下の2つに登録しておけば、取りこぼしがないでしょう。
フリーターから正社員になりたい場合に注目したいのが「未経験歓迎」の求人。
研修や資格取得手当が用意されているなど、未経験からも働きやすい条件で募集がされています。
未経験歓迎求人は、会社で長く働いてもらうために年齢制限があることも。条件をしっかり確認しておきましょう。
求人サイトに掲載されている求人は「公開求人」ですが、求人サイトには載らない「非公開求人」に応募するには次に紹介する就職エージェントの利用が必要です。
求人サイトと就職エージェントは両方を利用すると良いでしょう。
就職・転職エージェントを利用する【研修付きも】
就職エージェントとは、フリーターからの就職を目指す人を担当者が二人三脚でサポートしてくれるサービスのこと。無料で利用が可能です。
転職エージェントの中にもフリーター向けにサポートをしてくれるものがあります。
例えば、以下のようなサポートを受けられます。
- 自己分析のサポート
- あなたに合う非公開求人の紹介
- 応募書類の添削、面接指導
- ビジネスマナーの研修
特に、フリーターから正社員を目指す人向けに特化したエージェントでは、無料研修でオフィスソフトの使い方や電話応対などのビジネススキルを学び、非公開求人を紹介してくれるものがあります。
就職後にすぐに役立つスキルを身に着けて短期集中で正社員の内定を獲得できます。
次の章ではフリーターから正社員就職を目指す人におすすめの就職・転職エージェントを紹介します。
フリーターから就職を目指す人向け研修付きエージェント
正社員経験が少ない・全くない人向けに特化した研修付きの就職エージェントを紹介します。
研修は無料かつWebで自宅から受講ができ、ビジネスマナーの基本が身につくので、就職活動でも就職後もすぐに役立ちます。
転職・就職エージェントの併用も可能なので、自分に合うものが見つかるように2~3つ登録してみると良いでしょう。
研修後に書類選考なしで正社員面談が受けられる「JAIC」
JAIC(ジェイック)は5日間の無料研修のあと、20社と書類選考なしで正社員採用の面談を受けられます。
一般的にフリーターで就職活動をした場合の正社員内定率は4~5割といわれる中、ジェイック利用者の就職成功率は8割を超えています。
また、ジェイックが紹介する企業はブラック企業が徹底排除されており、定着率は9割。
短期集中で安心して働ける会社への就職を決めたい人におすすめです。
JAIC(ジェイック)の評判は?無料の研修で正社員へ【就職成功率8割】
登録しておきたい大手の転職エージェント
大手の転職エージェントは非公開求人を豊富に扱っています。
場合によっては、サポートを断られてしまうこともありますが、大手ならではのサポートと求人紹介を受けられる可能性があるので、登録してみる価値はあります。
大手でフリーターの方におすすめしたい転職エージェントを紹介します。
転職支援実績No.1のリクルートエージェント
リクルートエージェントは未経験可の求人も多く扱っています。
地方の求人も広くカバーしているので、Iターン・Uターンで仕事を探している人にもおすすめ。
リクルートエージェントの登録者限定で受けられる面接力向上セミナーは、受講者の面接通過率が17%UPしたという実績があり評判が良いです。
応募先の選択肢を広げたい人は登録しておくと良いでしょう。
親身に相談に乗ってくれるdoda
dodaは求人検索のできる求人サイトとしてもエージェントとしても利用でき、一つのサイトで完結できるので便利です。
dodaは転職イベントなどで無料のキャリアカウンセリングが受けられるなど気軽に参加できるものも多く、親身に相談に応じてくれます。
担当者からのサポートを受けつつ、dodaを求人サイトとしても使って就職活動を進めていくとスムーズでしょう。
dodaの特徴・使い方まとめ【転職イベントも!情報収集に便利なサイト】
20代の第二新卒・既卒に特化したマイナビジョブ20’s
マイナビジョブ20’s(トゥウェンティーズ)は、マイナビが運営する既卒・第二新卒に特化したエージェントです。
学校卒業後1~3年以内でフリーターの方は、「既卒」に当てはまりますから、ぜひ登録しておいてください。
はじめての転職活動を行う人向けなので、丁寧にマンツーマンでサポートしてくます。
本格的な適性検査を無料で受けられるので、自己分析をしっかり行いたい人にもおすすめです。
フリーターから就職を成功させよう
フリーターから正社員への就職成功のポイントは次の3つです。
- 自己分析で「やりたいこと」を見つける
- 求人の条件は絞りすぎない
- 就職に向けて行動を起こす
やみくもに求人に応募するのではなく、自分のやりたいことを見つけられるように、まずは自己分析から始めるのが大切です。
ひとりでは自己分析が難しいという方は、就職エージェントの利用も検討してみましょう。
就職活動は決して楽ではありませんが、正社員として働くやりがいや楽しさもあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
- JAIC
:正社員経験のない人向け。5日間の無料研修の後、書類選考なしで20社と面接できる
- リクルートエージェント
:実績No.1の大手。求人数も多く選択肢が広がる
- doda
:求人検索サイトとしても使えて便利
- マイナビジョブ20s
:既卒・第二新卒に特化。親身で丁寧なサポートが特徴
すべて完全無料ですので、ぜひ会員登録してみてください。
・大学・専門学校の資料請求なら:スタディサプリ進路
・転職エージェントなら:リクルートエージェント
・20代の転職なら:マイナビジョブ20s
・IT業界の転職(未経験からでもOK):マイナビITエージェント