僧侶(住職・坊さん)の働き方の種類(正規雇用・派遣・パート)

僧侶の雇用形態

僧侶の雇用形態は、主に以下の5つです。

・正社員
・派遣
・アルバイト・パート
・フリーランス
・副業・在宅

一般的には大学卒業後に、得度という出家の儀式をし、その後数年にわたる修行期間を経て、僧侶としてデビューします。

そのまま寺院に正社員として就職する人もいますが、中には自分の生まれ育った実家の寺院の跡を継ぐなど、事情やライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことが可能です。

近年では必要なときだけ僧侶を派遣してもらう「僧侶派遣」が人気を集めており、多くの僧侶が業務委託で派遣登録をしています。

また空いている時間にアルバイト・パートをして収入アップをはかる人もいれば、寺を持たないフリーランスの僧侶という新しいスタイルを築きあげている人も増えました。

サラリーマンや教員、公務員などと兼業しながら、副業として僧侶を続けている人もいるなど、寺の状況ややりたい仕事に合わせて雇用形態もさまざまです。

ここからは、それぞれの仕事内容や働き方の特徴について見ていきましょう。

正社員の僧侶

正社員の僧侶は、一般的な企業に勤めるように、寺院に正社員として就職する働き方です。

主に僧侶が何人も所属しているような、規模の大きな寺院で雇用されます。

仕事内容は境内の清掃や美化、寺院を訪れるお客さまの接客、葬儀や法要でのお勤め、本堂での朝夕のお勤めなどです。

メリットは寺院によっては有給休暇や育児休暇、社会保険などの制度が整えられており、残業代も支払われるなど、働きやすいことでしょう。

逆に僧侶が1人しかいなかったり、親子で運営しているお寺は、正社員ではなく家族経営の自営となるため、お寺が制度を整えて守ってくれるのはメリットといえます。

デメリットは働く寺院によっては週の休みが1日だけだったり、勤務時間外の仕事もすべて「修行」ととらえられ、残業代が支払われない寺院もあることです。

ちなみに朝夕のお勤めは、勤務時間内に行う寺院もあれば、「勤行(ごんぎょう)」として就業時間外に行うものの残業に該当しないととらえる寺院もあります。

細かい条件などは寺院によって大きく異なるので、応募前によく比較検討するとよいでしょう。

給料は18万円〜25万円ほどで、中には賞与が支給される寺院もあります。

派遣の僧侶

派遣の僧侶の仕事内容は、葬儀や法事法要、各種の祈祷(きとう)などの依頼が入った際に、葬儀式場や斎場、自宅、霊園に訪問して供養(くよう)や読経(どきょう)を行うことです。

この働き方のメリットは、業務委託で登録しておけば、依頼が来た日の予定が空いていれば仕事を引き受けられるので収入アップが期待できることがあげられます。

僧侶の派遣サービスは1回の依頼料金が明瞭になっているため、檀家(だんか)制度に疑問を感じていた人や、継続的な寄付が難しく僧侶との付き合いに悩んでいた人が利用しやすいサービスです。

そのためお寺の檀家に入っていない人や、菩提寺(ぼだいじ)がなくて困っている人などの手助けになることもメリットでしょう。

デメリットは、派遣会社に仲介手数料が取られてしまうことがあげられます。

会社によっては30%〜50%を超す仲介手数料が必要なケースがあり、給料は法事1回で1万円ほどとなるようです。

全国の各宗派の登録が募集されていますが、各宗派が定員になり次第登録が締め切られることもあるので、宗派によっては応募すらできないこともあるかもしれません。

しかも、仕事が常に入ってくるとは限らないことも知っておいた方がよいでしょう。

アルバイト・パートの僧侶

アルバイト・パートの僧侶の仕事内容は、境内の清掃や葬儀・法要、受付や電話対応などで、寺院によっては正社員の僧侶の仕事内容とほとんど変わりません。

中には英語力が求められ、観光で訪れる外国人観光客のガイドとして雇われる場合もあります。

この働き方のメリットは、週2〜3日から募集されていることが多いので、空いた時間を利用して勤務できることです。

またお寺によっては宗派が問われなかったりと、募集条件もさまざまなのでいろいろな寺院を経験したい人には最適でしょう。

一方デメリットは、アルバイト・パートの募集自体が少ないため、比較検討することが難しいことがあげられます。

中には受付のみ、事務作業のみの募集もかけられているので、仕事内容が限定されてしまう場合もある点に注意しておきましょう。

給料は地域や寺院にもよりますが、時給900円〜1,700円ほどとなり、試用期間中の給与は低く設定されている場合も多いです。

フリーランスの僧侶

フリーランスの僧侶の仕事内容は、派遣会社や付き合いのある葬儀屋、知り合いから依頼されたときに葬儀や法要の供養や読経を行うことです。

ほかにもお寺という枠に縛られず、塾や寺カフェの運営、ライターやYoutuberとして活躍するなどさまざまな形で活躍する僧侶がいます。

この働き方のメリットは、寺を持たずに僧侶の仕事ができることです。

寺を維持していくためには300件以上の檀家を持ち、年間1,000万円以上の収入が必要といわれていますが、近年は檀家制度が崩壊してきたことで、寺院を維持することが難しくなりました。

しかしフリーランスの僧侶は、寺を持っていなくても形を変えながら仕事をしていくことができます。

逆にデメリットは1人で仕事をしているがゆえに、派遣会社からあまり連絡をもらえなかったり、仕事が重なって依頼を断ってしまうと次の依頼につながらなくなるなど、不安定な部分が大きいことでしょう。

給料は僧侶によって大きな差があり、年収200万円程度の人もいれば、年収1,000万円以上の人もいるようです。

副業・在宅の僧侶

副業・在宅の僧侶の仕事内容は、依頼があったときに葬儀や法要の供養や読経を行うことや、境内の清掃などがあげられます。

とくに過疎化の進む地方や、小規模の寺院では僧侶と教員や公務員、サラリーマンを兼業している人が多く、珍しいものではありません。

僧侶の仕事だけでは食べていくのは難しく、仏教系の幼稚園の運営や墓地の維持管理、マンション経営や駐車場経営を行う人も多いです。

この働き方のメリットは、収入を安定させることで寺院の経営を維持できることでしょう。

一方デメリットは、本業である僧侶の仕事だけでは困窮してしまい、副業にならざるをえないことです。

給料は年収200万円ほどの人から、年収1,000万円以上の人まで手がける仕事や状況によって異なります。