ペットショップ店員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「ペットショップ店員」とは

ペットショップ店員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

ペットショップで接客、販売、整体管理、その他店舗運営業務に幅広く携わるスタッフ。

ペットショップ店員とは、ペットショップに勤務して、接客や販売、生体管理、商品管理、店舗運営の補助などに携わる人のことをいいます。

資格や学歴が求められる仕事ではありませんが、ペットショップで扱う動物の種類は、犬や猫などの哺乳類から鳥類、爬虫類、両生類、熱帯魚など観賞用の魚類、あるいは昆虫などまで多岐にわたります。

そのため、動物の生態や飼育方法などに関する幅広い知識を身につけなくてはなりません。

ペットショップ店員はアルバイトとして働く人も多く、平均年収は200万円~400万円程度と、さほど高くはありません。

ただ、最近はトリミングサロンやペットホテル、動物病院を併設する総合ペットショップが増加しており、「トリマー」や「動物看護師」資格を持っているなど、より専門的な知識や技術を有する人は高く評価されることがあります。

「ペットショップ店員」の仕事紹介

ペットショップ店員の仕事内容

ペットショップ運営の幅広い業務に携わる

ペットショップ店員の仕事は、ペットショップで接客や販売、生体管理、商品管理、店舗運営の補助などに携わることです。

商品のペット(愛玩動物)は、犬や猫などの哺乳類をはじめ、鳥類、爬虫類、両生類、熱帯魚、あるいは昆虫など多岐にわたります。

勤務先によって扱うペットの種類は異なりますが、各ペットの生態や特徴、飼い方などの知識を生かし、ペットを購入するお客さまに適切なアドバイスを行います。

日常業務としては、ペットショップにいる動物たちの食事や排泄の世話、健康管理、清潔維持、掃除などを行います。

トリミングやマネジメントに関わる人も

ペットショップ店員は、正社員からアルバイトまで、多様な働き方をする人がいます。

正社員の場合、キャリアを積んでいくとリーダーや副店長、店長などへステップアップし、マネジメント業務にも携わるのが一般的です。

通常の接客業務以外に、商材の仕入れや売上計算、スタッフ教育などを担当します。

また、勤務先によって、「トリマー」や「動物看護師」など専門的なスキル・資格がある場合には、シャンプーやブロー、ワクチン接種の手伝いなどを行うこともあります。

ペットショップ店員になるには

学歴や特別なスキルは求められない場合も多い

ペットショップ店員になるまでのルート

ペットショップ店員になるために、必須とされる資格や学歴はとくにありません。

ペットショップの求人情報に応募し、面接などを経て採用されるとペットショップ店員になることができます。

最初から正社員として採用されるケースもありますが、まずはアルバイトから入社して、そのまま社員を目指す人もいます。

なかには動物関連の専門学校や通信教育で学び、動物の生態について学ぶとともに、資格を取得して就職に備える人もいます。

動物やペット関連の民間資格には、以下のようなものがあります。

・愛玩動物飼養管理士
・ペット販売士
・トリマー
・家庭犬トレーナー
・動物看護師

ペットショップでは、無資格で働ける場合も多いですが、より専門性を生かして働きたい場合には、上記のような資格を取得するのもよいでしょう。

ペットショップ店員の学校・学費

動物専門学校で動物の生態について学べる

ペットショップ店員として働くために、必ず通わなくてはならない学校はありません。

ただ、できるだけ早いうちに動物の生態について勉強しておきたいのなら、動物専門学校への進学を検討するとよいでしょう。

動物専門学校は全国にたくさんあり、さまざまな動物について広く学べる学校もあれば、トリマーやドッグトレーナーなど、特定の資格取得を目指すためのコースを置く学校もあります。

学費は年間で70万円~140万円ほどが相場です。

学校によって科目や実習内容などにも違いがあるため、カリキュラムも含めて比較するとよいでしょう。

ペットショップ店員の資格・試験の難易度

動物・ペット関連の資格の勉強をしておくと役立つことも

ペットショップ店員になるために、資格は必須ではありません。

どちらかというと、ペットショップで働き始めてから業務を通じて必要な知識・スキルを習得していくため、仕事をスタートしてからのほうが重要と考えておいたほうがよいでしょう。

ただし、動物やペット関連の資格はいくつかあります。

・ペット販売士
・ドッグトレーナー
・ペットシッター
・動物看護師
・トリマー

このような資格は、比較的簡単に取得できるものもあれば、やや難易度が高いものもありますが、動物に関する知識を深めておくことで、就職後に役立つことはあるでしょう。

ペットショップ店員の給料・年収

勤務先や専門的な知識・技術の有無で収入が変わる

ペットショップ店員の給料・年収は、雇用形態や経験、役職などによって異なります。

全体の平均年収は200万円~400万円程度といわれており、あまり高年収が見込める仕事ではありません。

小規模の店舗では、残業代やボーナス、退職金が支給されない場合も珍しくないようです。

一方、大手企業が運営するペットショップに勤務する場合は比較的待遇がよく、キャリアアップの制度も明確になっているため、ベテランになると収入が上がっていく人もいます。

また、最近はトリミングサロンやペットホテル、動物病院を併設する総合ペットショップが増えており「愛玩動物飼養管理士」や「トリマー」、「動物看護師」などの資格取得者は、特別な手当がついたり、待遇面で優遇されたりすることもあります。

またペットショップ店員は、アルバイトやパートとして勤務する人も多いです。

その場合の給料は「時給制」が一般的で、地域にもよりますが、900円~1,100円程度からのスタートになるでしょう。

長く働けば若干の昇給も見込めますが、正社員に比べると待遇は劣ると考えておいたほうがよいでしょう。

ペットショップ店員の平均年収・月収・ボーナス

ペットショップ店員の平均年収_2023

厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、ペットショップ店員の平均年収は、41.9歳で361万円ほどとなっています。

・平均年齢: 41.9歳
・勤続年数: 10.7年
・労働時間/月: 166時間/月
・超過労働: 8時間/月
・月額給与: 267,000円
・年間賞与: 405,600円
・平均年収: 3,609,600円

出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
ペットショップ店員の年収の推移_r5

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

ペットショップ店員の勤務先の規模別の年収(令和5年度)

ペットショップ店員の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤めるペットショップ店員の平均年収は334万円、100〜999人規模は351万円、1,000人以上規模は375万円、10人以上規模平均は361万円となっています。

ペットショップ店員の年収(規模別)_r5

上記グラフの基タイトルは「販売店員」で百貨店店員、食品スーパー店員、ショップ店員、ドラッグストア店員、アパレル店員、コンビニ店長、書店員など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

ペットショップ店員の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

ペットショップ店員の年収は、年齢が上がってもあまり変わらない傾向にあります。最も年収が高い世代は、45~49歳の410万円です。

全年代の平均年収は361万円となっています。

ペットショップ店員の年収(年齢別)_r5

上記グラフの基タイトルは「販売店員」で百貨店店員、食品スーパー店員、ショップ店員、ドラッグストア店員、アパレル店員、コンビニ店長、書店員など他職業を含むデータです。

ペットショップ店員の現状と将来性・今後の見通し

専門性を身につけておくことが望ましい

有史以来、人間は動物とともに暮らしてきました。

現代にいたるまで、金魚やウサギ、熱帯魚や小鳥、小型犬、大型犬、ハムスター、猫など、さまざまな種類の動物がペットとして親しまれています。

現在ではペットを「コンパニオンアニマル」と呼ぶなど、ペットを家族の一員として考えるような文化が定着しています。

また、トリミングサロンやペットホテル、動物病院を併設する総合ペットショップの増加に伴い、より専門的な知識や技術をもったペットショップ店員のニーズが高まっています。

トリマーの技術は、ペットの日常の世話にも役立ちますし、動物看護師やドッグトレーナー、動物介護士、ペットシッターなどの資格があれば、少子・高齢化社会に即した新たな動物との関わり方を提案できるかもしれません。

専門的な知識・技術を習得しておくことで、ペットショップ店員としての活躍の場を広げることにつながるでしょう。

ペットショップ店員の就職先・活躍の場

一般的なペットショップ以外にも活躍の場がある

ペットショップ店員の勤務先は、ペットを取り扱うペットショップです。

犬や猫を中心に、多様な種類のペットを販売する総合的なペットショップもあれば、熱帯魚専門、犬専門、鳥専門、ウサギ専門といった、専門型のショップもあります。

このほか、最近ではペットショップと動物病院やトリミングサロン、ペットホテルなどを併設した店舗も増えつつあります。

そのような複合型の店舗では、「トリマー」や「動物看護師」など専門的な知識・技術を身につけた店員が活躍しやすくなっています。

正社員としてのペットショップ店員の求人はそこまで多くないため、専門性を高めておくと、より有利に働けるチャンスが広がるでしょう。

ペットショップ店員の1日

店舗の営業時間に合わせて働く

ペットショップ店員は、勤務先となる店舗の営業時間に合わせて働きます。

一般的には午前中から夜にかけて働くことが多く、トラブルがない限り、早朝や深夜の勤務はありません。

営業時間が長い店舗では、「早番」「遅番」などのシフトを組んで働くこともあります。

ここでは、大型店舗のペットショップ店員の1日を紹介します。

9:00 出勤
ユニフォームに着替えて動物の様子を見回ります。
9:30 清掃・餌やり
ケージ内のトイレや店舗内を清掃します。
10:00 開店
動物の様子を気にかけながら接客を中心に行います。
12:30 休憩
接客の合間をぬって昼食をとります。
13:30 発注
店内が落ち着いている時間帯に、販売する用品の発注をします。
15:00 売り場変更
16:30 餌やり、健康観察
18:00 遅番スタッフに引き継ぎ後、退勤

ペットショップ店員のやりがい、楽しさ

大好きなペットに愛情を注ぎ、お客さまも幸せにする

ペットショップ店員は、毎日さまざまなペットに囲まれて仕事ができます。

動物好きな人にとっては、そのことだけでも天職と感じられるかもしれません。

また、大切に世話をしたペットの様子を見て、ペットショップに来店したお客さまが喜んでくれたり、家族の一員として迎え入れてくれたりするときには幸せな気持ちになります。

ペットと離れるときには少しの寂しさもありますが、ペットに愛情を注ぎ、幸せを願うからこそ、よい飼い主さんが見つかったときには充実感につつまれるものです。

お客さまにペットの世話の方法やしつけなどの情報をアドバイスして、満足してもらえたときにもやりがいを感じます。

ペットショップ店員のつらいこと、大変なこと

業務量が多く、気を遣う作業が多い

ペットショップ店員は、かわいらしい動物に触れ合えるなど楽しいところがたくさんありますが、その反面、苦労も多いです。

まず、生き物を扱う仕事である以上、毎日、どのようなときでも世話は必須です。

ケージの清掃や体調管理、餌やりなどの業務は、大きな店舗になればなるほど扱うペットの数も多いために時間がかかりますし、意外と重労働です。

また、ペットが病気がケガをしないように常に気を配らなくてはなりません。

命を扱う仕事だからこそ、そこに重い責任が伴うことはしっかりと考えておいがほうがよいでしょう。

ペットショップ店員に向いている人・適性

責任をもって動物の世話ができる人

ペットショップでは、「熱帯魚店」のような一部のペットに特化した専門店を除いて、通常は扱う動物の種類は多彩です。

さまざまな動物の生態に興味があり、根気強く世話を続けることができる人はペットショップ店員に向いています。

ペットショップでは、動物の食事や排泄の世話、清潔維持といった日常作業から、ペットの健康観察や管理まで、多岐にわたる業務を担わなくてはなりません。

単に動物がかわいいと思うだけでなく、命を預かる仕事として責任感をもって動物と触れあえる人が望ましいです。

店員として働くためにペットの飼育経験は問われない場合がほとんどですが、何らかのペットを飼ったことがある人は仕事になじみやすいでしょう。

ペットショップ店員志望動機・目指すきっかけ

動物と深く触れ合える仕事がしたい

ペットショップ店員は、ほとんどの場合「動物が好きだから」という思いが、この仕事に就くきっかけになっています。

自宅で犬や猫などのペットを飼っていた経験がある人も多いですし、逆に子どもの頃は飼えなかったからこそ、将来は動物に関われる仕事がしたいと考える人もいます。

動物に関わる職業はたくさんありますが、一般のお客さまの身近にあるペットショップという空間が好きだったり、接客の仕事にも興味があったりして、ペットショップで働きたいと思う人が多いようです。

また、この仕事はアルバイトの求人が多いため、学生時代にふとしたきっかけでペットショップで働いたのをきっかけに、本格的に働くことを決めた人もいます。

ペットショップ店員の雇用形態・働き方

正社員以外にアルバイトとして働く人も多い

ペットショップ店員の雇用形態は、正社員もしくはアルバイトが多いです。

学校を卒業して、ペットショップを運営する会社に就職する場合は、正社員として採用されるチャンスもあります。

しかし求人数はさほど多くなく、やむなくアルバイトとして働く人もいるのが現状です。

アルバイトについては比較的求人が多いものの、ペットショップ自体があまりない地域では、なかなか働ける場が見つからない人もいるようです。

また、ペットショップといっても、扱うペットの種類は店ごとに異なりますし、ペット用品の販売メインだったりすることもあります。

理想の職場環境で、安定した働き方ができている人は、あまり多くないといえそうです。

ペットショップ店員の勤務時間・休日・生活

店舗の営業時間に合わせて働くことが基本

ペットショップの営業時間は、10時~21時くらいが一般的です。

店員は営業時間に合わせて勤務し、店舗によっては「早番」「遅番」などのシフト制勤務となります。

平日よりも、土日祝日のほうが来店者数は多いです。

そのため、ペットショップ店員は平日に休みをとることが多く、勤務先によっては休日が固定されておらず、不規則なシフトになる可能性もあります。

年中無休のペットショップでは世の中が長期休暇をとる時期も忙しくなり、出勤しなくてはならない場合があります。

ペットショップにいるペットは生き物ですから、24時間365日、誰かが健康管理をする必要があります。

大好きな動物と触れ合える毎日ですが、責任をもって世話を続けなくてはなりません。

ペットショップ店員の求人・就職状況・需要

アルバイトなど非正規の形で働く人も多い

ペットショップ店員の雇用形態は正社員や契約社員、またアルバイトやパートなどさまざまです。

なかには「動物看護師」「トリマー」「ドッグトレーナー」「動物介護士」「ペットシッター」などの資格を取得し、それぞれの知識やスキルを生かして活躍する人もいます。

ペット市場は拡大傾向にありますが、売り上げはブーム全盛期ほどではなく、ペットショップ店員の求人はやや少なくなっているといわれます。

アルバイトなど非正規雇用の求人も多いため、正社員として安定的に働きたいのであれば、動物関連の専門学校で学ぶ過程で求人情報を得るなどの道も考えたほうがよいでしょう。

ペットショップ店員の転職状況・未経験採用

未経験からでも転職できるが、求人を見つけるのが大変

ペットショップ店員は、特別な学歴や資格などが求められる仕事ではありません。

したがって、まったくの未経験者でもペットショップへ転職して、スタッフとして働き始めることは十分に可能です。

これまでに仕事で動物と関わった経験があれば優遇されることもあるでしょう。

なかでも「トリマー」や「動物看護師」などの資格があれば、より働きやすくなります。

ただし、ペットショップ店員の求人はさほど多いわけではなく、とくに正社員の募集となると数が限られます。

ちょうどよいタイミングで求人が見つからない場合もあるため、状況によってはアルバイトで働く道も考えていくほうがよいかもしれません。