仲居の現状と将来性
深刻な人材不足
有名観光地においても働き手の不足が大きな課題になっています。
旅館の中には四十年ぶりの定員割れを起こしているところもあり、業界を挙げて対応を模索しているところです。
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激務のイメージは拭えず
業界全体で人材確保の努力をしている現状にあって最も大きな課題は激務のイメージを払拭することです。
仲居が敬遠される理由としては肉体労働であること、拘束時間が長いこと、礼節指導が厳しいことなどが挙げられます。
実際はこれらを凌駕するやりがいや魅力があるということをいかにして世間に伝えていくのかという点に主眼をおいた戦略を練っているのが業界の将来を左右するといえるでしょう。
派遣社員でカバー
現在仲居として活躍している人の中には、旅館との直接雇用ではなく、派遣会社経由で勤務している人も少なくありません。
旅館側の本音としては期限付きな上に賃金が割高である派遣社員よりも自社社員を増やしたいところですが、思うように人材を確保できないのが現状です。
一方で現代社会においては多様な働き方ができる派遣社員という立場をあえて選択する人が増加しています。
それまで業務の特性上、敷居の高かった仲居という職業に派遣社員が風穴を開けていくことを期待する風潮もあるといえるでしょう。
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観光業界に不可欠な存在
訪日外国人が依然として増加し続けている状況下において、観光業は国内の貴重な産業の一つです。
中でも仲居による手厚い接客は日本ならではのおもてなし。
リピーターを確保するのに欠かせない存在なのです。
サービスの質を維持するために人件費は削減できないのが観光業界です。
仲居の需要が下がっていく可能性は当面考えなくてよいでしょう。
女性の労働力を確保するために
子育てや介護などとの兼ね合いで現場を離れざるを得なかった女性が仕事復帰を考えた際、その選択肢は極めて限定的なものになりがち。
そういった理由で復職に二の足を踏んでいる女性達をターゲットとした就職説明会の開催に積極的な旅館も増えてきています。
中にはインターンとして一定期間仮雇用する旅館も。
活躍の場を模索する女性にとっても新たな展望が期待できるといえそうです。