漫画家の原稿料・印税はいくら? 【印税額ランキングも】
漫画家の収入は主に原稿料と印税。
原稿料は1ページ数千円~数万円が相場で、印税はコミックの発行部数に応じて10%程度が漫画家に支払われます。
例えば、漫画の単行本500円のものが1冊売れると約50円が印税に。10万部なら500万円、100万部なら5,000万円が印税として漫画家に払われることになります。
この記事では、漫画家の収入の詳しい内容や歴代の漫画発行部数ランキングからわかる印税額の目安を紹介します。
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漫画家の収入は2種類【原稿料と印税】
漫画家の収入には大きく分けて次の2つがあります。
- 原稿料:1ページ〇円と描いたページ数で受け取る
- 印税:購入された書籍の金額の10%程度が漫画家に支払われる
原稿料とは、雑誌への連載を受け持つ漫画家などが受け取る、1ページ数千円~数万円の報酬のことです。漫画家の人気度によって金額が上下します。
印税とは、漫画が書籍化・デジタル化して販売された金額に応じて漫画家に支払われる報酬のことで、書籍の10%前後が相場です。
印税の割合は漫画家によって上下することはありませんが、人気の漫画であるほど購入する人も増えるので印税収入も増えます。
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漫画家の原稿料の相場はいくら?【注意点も】
まずは漫画家が受け取る原稿料について解説します。
雑誌連載の原稿料は数千円~数万円【アシスタント代でなくなる人も】
原稿料は連載される作品に対しての収入であり、「ページ単価×ページ数」の金額が支払われます。
原稿料のページ単価は、その漫画家のキャリアや人気、雑誌の売り上げによって千差万別。
おおよその相場は以下の通りです。
- Web漫画家:~5,000円/ページ
- 駆け出し漫画家:4,000円~7,000円/ページ
- 人気漫画家:20,000円~30,000円/ページ
- 有名漫画家:100,000円~/ページ
誰もが知る有名な漫画家の場合はページ単価が10万円を超えることもあるそうですが、新人や駆け出しの場合は数千円程度ということもあります。
WEB漫画の場合は相場がさらに低く、5,000円程度が一般的なようです。
例えば、週間連載を受け持つ漫画家が、週に20ページ、ページ単価2万円で書いているとします。
- 1週間の収入:20ページ×2万円=40万円
- 1か月の収入:40万円×4本=160万円
人気漫画家になると原稿料が上がっていきますから、かなり高収入と感じるかもしれません。
ただし、漫画家は画材代やアシスタントを雇う費用も自分で支払います。
特に週間連載は忙しいので、複数名のアシスタントを抱えている漫画家が多いです。
漫画家の原稿料は経費代でなくなってしまう、ともいわれています。
作品買い切り(著作権譲渡)に注意
漫画を描くと著者に著作権が成立します。
雑誌に漫画を描いて原稿料をもらう場合、著作権者として出版社に作品の使用を認めた報酬をもらうことになります。
しかし、雑誌掲載時に契約書を交わすケースはほとんどなく、トラブルになるケースが増えています。
近年はWebに掲載される漫画も多くありますが、「原稿を納品した場合著作権はクライアントに移行される」「著作人格権は行使しない」という契約をさせられることもあります。
このような契約の場合、たとえ作者であっても作品の二次使用ができなかったり、クライアントによっては作品が不正に扱われたりすることも心配されます。
漫画家の多くは、連載スタート時に契約書を交わす習慣がないためこのようなトラブルに見舞われることが少なくありません。
契約条件は出版社やクライアントと確認し、双方が合意することが大切です。
漫画家の印税収入とは?
漫画家は印税収入があるから儲かる、といった話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
書籍の金額の10%ほどが印税として漫画家に支払われます。
この章では漫画家の印税収入について解説します。
漫画の印税の種類・金額の目安
漫画家が受け取る印税は契約の仕方によって2種類あります。
- 発行部数で計算:発行した部数に応じて印税が払われる
- 販売部数で計算:実際に売れた部数に応じて印税が払われる
雑誌連載をしていた作品は人気が出ると単行本(コミック)化されます。
書籍化された場合、原稿料に加えて加えて単行本の発行部数に応じた印税をもらえるようになります。
コミックの印税は8%から10%が一般的です。
人気が出れば出るほど連載が長くなり、単行本の巻数が増え、そして1巻あたりの発行部数も増えていくため、多くの印税を得ることができるようになります。
コミックの発行部数における印税の金額の目安を見てみましょう。
- 1万部:50万円
- 10万部:500万円
- 100万部:5,000万円
- 1,000万部:5億円
1冊500円、印税率10%で計算
多くの年収を稼ぐ有名漫画家は、原稿料も高く設定されていることがほとんどですが、あわせて印税収入も高額となっています。
なお、印税は本が売れる度にリアルタイムで入ってくるわけではなく、年末や年度末に、一年で発行された(あるいは売れた部数)を出版社が計算し、その部数に応じて支払われます。
中小出版社などでは、発行部数ではなく実際に売れた販売部数に対してのみ印税が払われることもあります。
売れなければ印税も払われないので漫画家に不利な契約ですが、最低限度の金額を保証する「初版保証」の契約を行うこともあります。
漫画の印税額ランキング
2020年時点の歴代発行部数ランキングから、印税の金額の目安を見てみましょう。
タイトル | 発行部数 | 印税額の目安 |
---|---|---|
ワンピース | 4億8000万部 | 240億円 |
ゴルゴ13 | 2億8000万部 | 140億円 |
ドラゴンボール | 2億6000万部 | 130億円 |
NARUTO | 2億5000万部 | 125億円 |
名探偵コナン | 2億3000万部 | 115億円 |
こちら葛飾区亀有公園前派出所 | 1億5650万部 | 78億円 |
鬼滅の刃 | 1億5000万部 | 75億円 |
美味しんぼ | 1億3000万部 | 65億円 |
スラムダンク | 1億2000万部 | 60億円 |
BLEACH | 1億2000万部 | 60億円 |
印税額の目安は1冊500円、印税率10%として計算
売れっ子漫画家になると莫大な印税額が受け取れる、夢のある数字といえますね。
雑誌の連載以外の漫画家の印税
雑誌連載以外の漫画家が受け取る印税について、以下の2つの場合に分けて見ていきましょう。
- 書籍の出版
- 電子書籍の自費出版
書籍の出版
例えば、「漫画でわかる〇〇」のような書籍の場合、一般的には印税として定価の6%から10%が作者に配分されるといわれています。
大手であれば印税の基準となるのは発行部数ですが、中小出版社の場合は実売部数を基本に計算されるケースも多く、この計算方法によって収入は大きく異なります。
ただし、これは漫画家が著者としてクレジットされている場合で、ほかに複数の著者がいる場合や文章がメインの書籍の場合は、印税の配分はより少なくなります。
また、企業の広告などに漫画を提供する場合、納品後に報酬が支払われます。
報酬が支払われるまでの期間は、その企業や漫画家のキャリアによって大きな違いがあり、新人だと半年くらい待たされることもあるのが実状です。
電子書籍の自費出版
書店で販売されているような紙の本を自費出版するには、百万円程度の費用がかかります。一方で、電子書籍の出版にはほぼ費用がかかりません。
電子書籍を自費出版する場合は、代金の50%~70%が印税として作者に払われます。
例えば、手軽に電子書籍を出版できるAmazon社の「Kindle ダイレクト・パブリッシング」の概要は以下の通りです。
- 出版手数料:無料
- ロイヤリティ(印税):最大70%(条件あり)
- 出版にかかる日数:最短48時間
TwitterやInstagramなどSNSで漫画を発信し、まとめて電子書籍にして販売するような例もあります。
電子書籍は初期費用をかけずに発行できますし、紙の本に比べて印刷代や出版社への手数料などがないため、印税の割合も高いというメリットがあります。
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漫画がアニメ化・グッズ化したロイヤリティ料はいくら?
人気の作品になると、漫画がアニメ化、映画化、グッズ化して、ロイヤリティ料(著作権料)を受け取れます。
明確な金額は公表されていませんが、目安としてはアニメ1話で10~15万円、ゲーム化すれば売れた金額の数%が漫画家に払われるようです。
特にアニメ化は漫画を描くことなく収入を増やせる上、知名度が上がって漫画の発行部数も伸びるので、目標としている漫画家も多いです。
漫画家の原稿料・印税はいくら?|まとめ
- 原稿料の相場は1ページ数千円~数万円
- コミック化した発行部数に応じて印税も収入になる
- 売れっ子漫画家になると億を超える印税が得られる
漫画家の原稿料は、誰もが知る作品の作者であれば10万円を超えることもあるそうですが、新人や駆け出しは数千円から1万円程度という場合もあります。
書籍化された場合、原稿料に加えて加えて単行本の発行部数に応じた印税をもらえるようになります。
コミックなら定価の8%から10%、書籍の場合は6%から10%が作者に配分されるのが一般的です。