キックボクサーの仕事内容

キックボクサーの仕事とは

仕事はリングでキックボクシングの試合を行うこと

キックボクサーの仕事は、リングで「キックボクシング」の試合を行うことです。

日本で行われている「キックボクシング」は、タイの国技である「ムエタイ」のルールを参考にして、1960年代、野口修によって考案されました。

もともと、日本生まれの格闘スポーツです。
拳にグローブを着用してパンチで攻撃するところはボクシングと同じです。

キックボクシングは、それに加え、顔やボディ、脚へのキックやひざ蹴り、ひじ打ちなども認められています。

ただし、キックボクシングの団体は、世界、国内ともに多数存在しており、団体によってルールが微妙に異なります。

そのため「キックボクシング」として統一されたルールはありません。

たとえば、ひじ打ちや頭部への膝蹴りは、額や目の周囲を切る可能性が高いことから禁止する団体もありますし、スネを使った蹴りや下半身への蹴りを禁止している団体もあります。

また、ムエタイでは認められている首相撲を禁止する団体もあります。

首相撲とは、相手の首に腕を回したり、グローブで押さえて相手を崩したり、蹴りを入れる技です。

まともに受けた時のダメージが大きいので、アマチュアの試合ではほとんど禁止されています。

試合は3ラウンド制を採用する団体が多く、1ラウンド3分で1分のインターバルをとるのが一般的です。

デビュー戦から数試合は2R制で戦ったり、タイトルマッチクラスは5R制という団体もあります。

日々のトレーニングも大事な仕事

キックボクサーにとっては、日々のトレーニングも仕事のうちです。

キックボクシングは1対1の戦いで、相手をダウンさせることを目的とした格闘技です。

まずはキックボクシングの攻撃と防御の基本テクニックを身につけ、その後は、それぞれの技術や駆け引きを磨いていきます。

最低でも週に5日はジムに通い、コツコツと努力することが必要です。

1Rで3分間ずつ、3Rや5Rを戦い抜くには、想像以上に体力が必要です。

試合途中にスタミナ切れにならないように、ロードワークをはじめ日頃から持久力を鍛えておく必要があります。

キックボクサーの歴史

日本のキックボクシングは、ムエタイを基本に作られた

タイ式キックボクシングのことをタイ語で「ムエタイ」といいます。

タイで古くから行われていた素手、素足の格闘技に由来しており、現在、ムエタイはタイの国技となっています。

日本のキックボクシングは、このムエタイのルールを参考にして、1960年代に日本で作られたものです。

ムエタイが、日本のキックボクシングのルーツといえます。

現在のムエタイの完成は第1次世界大戦の頃

現在のムエタイが完成したのは、1921年といわれています。

当時、第1次世界大戦に参戦するため、戦費が必要でした。

時の国王ラーマ6世は、資金ねん出のため、ムエタイのトーナメントを実施。

この時に定められたルールが、現在のルールの基礎になっています。

ムエタイも、キックボクシングも、拳にグローブをつけてパンチの応酬をするスタイルに加え、キックやひざ蹴り、ひじ打ちが認められている点は同じです。

ムエタイとキックボクシングの大きな違いは首相撲

ムエタイの特徴は、キックボクシングで禁止される「首相撲(クリンチ)」が認められていることです。

首相撲は、相手の首に腕を回したり、相手の首をグローブで押さえながら、蹴りを入れたり、ひじ打ちをしたり、相手を投げたり、体勢を崩したりすることです。

キックボクシングで「クリンチ」をすると、相手の連打から逃げようとしていると思われたり、観客にとって退屈な印象を与えるので、たいていレフェリーに注意されて離されます。

アマチュアの試合では、「首相撲」でまともにひじ打ちや蹴りをくらうと、ダメージが大きいので禁止されていることが多いです。

ムエタイに派手なKO劇はめったにない

タイで行われるムエタイの試合では、首相撲が延々と続くことも珍しくありません。

レベルが高くなるほど、首相撲の中で高度な駆け引きが行われ、まともな攻撃がないまま時間が過ぎていくこともあります。

また、タイ人は小柄な人が多く、ムエタイに重量級がないこともあって、試合では派手なKO劇はほとんどありません。

首相撲が延々と繰り広げられ、判定で勝負が決まることもしばしばです。

タイのムエタイでは、スタジアムでの賭けが公認されています。

5ラウンド制の試合で、最初の2ラウンドを見て、どちらかの選手に賭け、勝敗によって払戻金があります。

あまりKOで決まる試合が多いと、八百長が疑われます。

キックボクサーの組織・所属先

キックボクシングの認知度が低い理由

日本には数多くのキックボクシングのジムがありますが、世界においてキックボクシングは、まだまだマイナースポーツであるのが現状です。

理由としては下記のようなものがあります。

1.世界チャンピオンの希少性がない

キックボクシングは、たくさんの世界タイトル認定団体があるため、多くの世界チャンピオンがいます。そのため、世界チャンピオンとなっても、あまり話題になりません。

2.呼び方・ルールが統一されていない

世界には、「キックボクシング」という言葉自体があまり知られていません。

世界では、キックボクシングと同じようなスポーツが「ムエタイ」「タイ・ボクシング」「キックボックス」のようにいろいろな名前の呼び方をされているため、世界的に「キックボクシング」という名称が浸透していません。

また、「ムエタイ」「タイ・ボクシング」「キックボックス」でルールが微妙に異なります。

それぞれの団体がこだわりを持っているためですが、見る側からすればルールがわかりにくくなってしまっています。

エクササイズとしてのキックボクシング

キックボクシングのジムには、現在、キックボクサーに加え、フィットネス目的の人たちが通っています。

キックボクシングのトレーニングをベースとしたエクササイズをするために、ジムに通う人が増えているのです。

ダイエット効果はもちろん、筋力や持久力の向上、肩こりや腰痛の緩和、さらにはストレス解消などの効果があるといわれています。

通っているのは女性が中心で、年齢層は幅広いです。

キックボクササイズの効果

有酸素運動を1時間は繰り返すので、脂肪を燃焼させ、ダイエット効果があります。

また、パンチやキックで全身を動かすため、肩こりや腰痛予防、シェープアップ効果も期待できます。

サンドバックやミットをめがけて、パンチやキックをすることでストレス解消にもなります。

ただし、エクササイズは、どんなものでも、1回に20分以上行い、定期的に続けることが大切です。

そういう意味では、少なくともキックボクシングやボクシングに興味をもっていなければ、長続きしないでしょうし、効果もあがらないようです。

また、当たり前のことですが、パンチやキックをして楽しいと思わなければ、いくらトレーニングをしてもストレス解消にもなりません。

キックボクサーの1年の流れ

年間の試合数は、団体や実力によって3〜10試合です。

試合は、体重ごとの階級に分かれて行われます。

基本的には、フライ級(50.80Kg以下)からヘビー級(72.57Kg超)まで7階級に分かれていますが、団体によってはもっと細かく分割されています。

日本人の場合、体格的にライト級(57.15Kg超〜61.23Kg以下)の選手が最も多いです。

また、女性の場合、フライ級より軽い「ジュニアフライ級」などの階級もあります。

キックボクシングの場合、対戦相手の階級が違っても、両者の合意による契約体重で試合を行うこともあります。

たとえば、バンタム級(53.52Kg超〜57.15以下)の選手とライト級(57.15Kg超〜61.23Kg以下)の選手が、59Kgの契約体重で試合をするようなケースです。

勝敗の決定は、プロの場合、KO、TKO、判定の3種類あります。

KOは倒れた相手が10カウントの内に立ちあがり、ファイティングポーズが取れないか、1Rに3度のダウンを喫した場合で、TKOは一方が明らかに不利になったり、試合が続けられなくなった場合です。

判定は、ラウンドごとに10点満点方式で採点し、最終ラウンド(3Rや5R)まで戦ってポイントの多い方が勝ちになります