翻訳者(翻訳家)としてフリーランスになるには? 副業でも働ける?

勤務型とフリーランス型

翻訳者の働き方は、大きく「勤務型(会社員)」と「フリーランス型」の2つに分けることができますが、全体として多いのは後者のフリーランス型です。

ここでは、それぞれの働き方について取り上げてから、フリーランスの翻訳者になる方法を紹介します。

産業翻訳系の勤務型

企業の会社員として働く翻訳者は、「産業翻訳(実務翻訳)」といわれる分野の翻訳業務に携わるのが一般的です。

ただし会社に所属する場合、必ずしも翻訳の仕事だけに集中できるとは限りません。

勤務先によっては、たとえば一般的な事務の仕事など、翻訳以外の業務も任される可能性があります。

ただし、正社員であれば会社から毎月決まった給料が支払われ、各社が定める福利厚生も受けられるため、安定性の面では魅力があるといえるでしょう。

翻訳者はフリーランス型で働く人が多数

翻訳者の大半を占めるフリーランス型は、特定の企業には所属せず、いわゆる「個人事業主」として働きます。

この場合、ライフスタイルは人によってそれぞれ異なります。

翻訳を専業として行う人もいますが、ほかに家業があったり、もしくは主婦で子育てをしながら合間に業務をこなしたりする人もおり、仕事の進め方は基本的に自由です。

堅苦しい会社勤めが合わない人には、フリーランスは魅力を感じやすいかもしれません。

ただし、フリーランスになると仕事は自分で獲得しなくてはならず、また会社からのボーナス支給や福利厚生もないため、生活が不安定になる可能性があります。

十分な実力や実績があって多くの仕事を請けられる人なら問題はないでしょうが、実際には、経済的に不安を抱えながら生活しているフリーランスの翻訳者もいます。

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フリーランスの翻訳者になるには

特別な資格は必要ない

フリーランスの翻訳者になるために、なにか特別な資格が求められることはありません。

外国語と日本語の十分な能力を持ち、翻訳作業の進め方を理解していれば、誰でもすぐフリーランスの翻訳者として活動することは可能です。

とはいえ、フリーランスになると誰かが身近で指導してくれるわけではないため、自分でスキルを高めていく努力が欠かせません。

能力不足だと、結果的に仕事を請け負うことができず、収入もない状態になってしまいます。

こうしたことから、フリーランスになることを目指す若手翻訳者は、まず企業などに所属して翻訳経験を積んで独立するか、他の収入源も確保しながら兼業で翻訳に携わり、コツコツと実力をつけていく道を選択する人が多いようです。

フリーランス翻訳者の生活は?

フリーランスで働く翻訳者の場合、基本的に自宅でひたすら地道に翻訳を進めていきます。

最近では、原稿のやりとりから日々の連絡まで、すべてメールやチャット、スカイプなどのテレワークで行う案件も増えています。

フリーランスの翻訳者として働く場合、勤務時間の自由度は高いものの、締め切りに間に合わせなければいけないときには睡眠時間を削って作業をしたり、休日返上で対応したりすることもあります。

とくに企業から依頼される翻訳業務では、短納期で翻訳を仕上げなければならないことが多々あります。

ときおり気晴らしや食事をしながら、図書館などで調べ物をしたり、実地に取材に出かけたりもします。

家にこもりがちなので、なるべく外に運動に行ったり、人に会う機会を作ったりすることも必要になるでしょう。

自己管理が重要になりますが、スキルアップのための勉強や、休憩をどうとるかなどまで自由に決められるのがフリーランスの魅力です。

副業でも働ける?

フリーランス翻訳者は実力のある人に仕事が集中し、競争が激しいため、実際には「副業」として行っている人が多いようです。

翻訳以外にパートや非正規雇用の仕事をして、空いた時間に翻訳業をこなすことは可能です。

その理由のひとつには、翻訳者には免許や資格が要らないことに加え、開業に資金が必要でないことが挙げられます。

デスクとPCさえあれば、あとは自分のスキルによってさまざまな仕事を受けることができます。

自宅をそのままオフィスとして使うことができますし、書籍や調べ物程度にしかお金はかからないことが多いため、副業しやすい職業のひとつです。

最近ではクラウドソーシングを使い、比較的簡単な翻訳の仕事から挑戦していく人も増えています。

とはいえ、まったくの未経験者がいきなり難易度の高い翻訳の仕事をするのは不可能といえるので、いくら副業といえども、スキルを磨く努力は不可欠です。