翻訳者(翻訳家)の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「翻訳者(翻訳家)」とは
文芸、研究論文、映像作品などに使われている外国語・日本語の文章を日本語・外国語に訳す。
翻訳者の仕事は、外国語の文章を日本語、または日本語の文章を外国語に訳すことです。
小説やノンフィクションなどの文芸作品を翻訳する「文芸翻訳」、企業や研究者、消費者が利用するための翻訳をする「実務翻訳(産業翻訳ともいう)」、映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの字幕や吹き替え原稿を翻訳する「映像翻訳」などの分野があります。
翻訳者はフリーランスとして働く人が多いですが、翻訳会社や一般企業で働く人もいます。
翻訳者として働くために必須の資格はありませんが、英語であれば英検1級、TOEIC900点台の高い語学力が必要とされます。
翻訳の専門学校やスクールで学んでから翻訳関連の資格を取得すると、仕事を探すときに有利になることがあります。
近年は翻訳業界の競争が厳しくなっており、未経験者が条件のよい仕事を探すのは簡単ではありません。
医療やITなど特定の分野の専門知識を身につけていったり、地道に実績を積んでいったりすることで、収入アップにもつながります。
「翻訳者(翻訳家)」の仕事紹介
翻訳者(翻訳家)の仕事内容
外国語の文章を日本語に訳したり、日本語の文章を外国語に訳したりする仕事
翻訳者とは、外国語の文章を日本語に訳したり、日本語の文章を外国語に訳したりすることを専門にする人です。
翻訳の分野は、大きく分けて「文芸翻訳」「実務翻訳(または産業翻訳)」「映像翻訳」の3つがあります。
文芸翻訳では、海外の書籍や雑誌など文芸作品を扱い、外国語の能力に加えて、その国の文化や社会背景に関する理解、また作者の思いや作品の雰囲気を翻訳するための高い日本語能力が求められます。
実務翻訳(または産業翻訳)は、ビジネス用の文書・学術書・マニュアル・契約書・特許・論文・ウェブサイト・ソフトウェアなど、企業や研究者、一般ユーザーや消費者向けの翻訳です。
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医療、金融、ITなどに関する専門的な知識が求められやすく、海外の学術論文や重要文献を翻訳することもあります。
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映像翻訳(映画翻訳)では、海外の映画や映像作品の翻訳をし、字幕や吹替原稿をつくります。
字幕翻訳では、人が文字を読む速度には限界があるため、限られた字数内にまとめることが求められ、その国の文化や風習、スラングなども踏まえながら翻訳します。
国と国との仲介役になる
翻訳者は、外国語を訳す業務を通じて、国と国とをつなげることができます。
島国である日本において、海外の最先端の学術の動向を把握し、国内へ伝え広めていくことは、文化の発展のためにも大きな意味を持ちます。
もちろん、日本の文化や学問を海外へ紹介することも重要であり、高い言語能力を操って、国と国の橋渡し役になるのが翻訳者です。
よい翻訳をするには、その国の文化や言葉の違いを深い部分で理解しなくてはなりません。
したがって、日頃から双方の国の文化や価値観の理解に努める必要があります。
関連記事翻訳者(翻訳家)の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
翻訳者(翻訳家)になるには
語学や翻訳の勉強をしたのちに就職を目指す
翻訳者を目指すうえで必須の資格や学歴はないため、さまざまな経歴で翻訳者になっている人がいます。
しかし高い語学力が必要となることから、学校やスクール、あるいは独学で外国語の能力を高めていく必要があります。
大学や短大の外国語系学部で外国語を学ぶ、あるいは翻訳専門学校やスクールで翻訳を学び、実践力を身につけてから翻訳者を目指すケースも多いです。
各種学校を卒業後、翻訳専門会社や一般企業の社内翻訳者として就職できれば専任の翻訳者として働けますが、求人数は少なく、実務経験なしで雇ってくれる会社もあまり多くありません。
そのため、新人翻訳者は翻訳会社、派遣会社、クラウドソーシングなどに登録し、スポット(単発)の仕事をもらう働き方が一般的です。
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一方、商社・貿易関連会社などの一般企業でも翻訳者が活躍できる例がまれにありますが、必ずしも翻訳業務に携われるとは限りません。
通訳業務やアテンドなども任される場合があります。
また、機器メーカーなどで社内翻訳者としてその会社の製品や販促資料の翻訳を任される場合もあります。
ある程度経験を積んでスキルアップすると、独立して個人で仕事をしていく人も増えます。
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外国の文化や歴史を理解していることも重要
翻訳者は、高い外国語の能力とあわせて、その国の文化や歴史に通じていると有利になります。
したがって、学生時代に留学経験があったり、海外の文化について深く学んだりした経験があれば、いざ翻訳者になってからプラスにはたらくでしょう。
翻訳の対象となる題材のジャンルによっては、これまでに体験してきたことがおおいに役立つこともあります。
机に向かっての語学の勉強以外に、さまざまな経験を積んでおくことで、翻訳者としての幅が広がるでしょう。
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翻訳者(翻訳家)の学校・学費
海外の大学院や翻訳専門学校、翻訳スクールで学べる
翻訳者には高い語学力が求められるため、大学や短大で外国語を学んでおくことはプラスになるでしょう。
大学に進学する場合、多くの学校で卒業までに数百万円単位の学費が必要になります。
(※私立大学文科系学部の初年度学生納付金の平均額は1,172,582円)
出典:令和元年度 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
大学では、在学中の4年間の間に一般教養を含む幅広い勉強ができ、選択した学部・学科によっては、外国語や海外の歴史・文化などに関しても専門的に学べます。
また、翻訳そのもののスキルを身につけたいと思うなら、翻訳専門学校や翻訳スクールに通うのもひとつの手です。
翻訳専門学校や翻訳スクールは、学費やカリキュラムが各学校で大きく異なり、翻訳に関する実践的な勉強を集中的にできるところが目立ちます。
このほか、通信教育やオンラインで勉強する方法もあります。
このように、翻訳者の勉強ができる学校・スクールにはさまざまなものがありますが、卒業後の進路はどうなっているか、出身者がちゃんと翻訳業に携われているのか、サポート体制は充実しているかなどについて、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
関連記事翻訳者(翻訳家)になるための学校と費用(大学・専門学校・通信講座)
翻訳者(翻訳家)の資格・試験の難易度
翻訳のスキルレベルを証明する資格もある
翻訳者の業務に携わるうえで、必須の資格はありません。
ただし、翻訳者として企業や翻訳会社に所属して仕事をするにあたっては、求人要件として一定以上のTOEICやTOEFL、IELTSのスコア、英検準一級以上の資格などが求められることが多いです。
翻訳者は高い語学力が必要とされるため、資格がないと、どれくらいの語学力を有しているのか判断しづらいからです。
翻訳会社によっては、自社が独自に行うトライアル試験への合格を採用基準とすることもありますが、それ以外に、語学系の資格を取得しておくと、実力の証明となり、採用の際に有利に働く可能性があります。
また、翻訳に直接関係する資格として、日本国内では「JTA公認 翻訳専門職資格基礎試験」「JTA公認翻訳専門職資格試験」「JTFほんやく検定」などがあります。
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レベルは学習中の人向けのものから、すでに実務に携わっているプロ向けのものまでまちまちですが、これらの資格を持っておくと、翻訳の仕事に応募する際に有利になることも多いです。
自分の能力の確認、クライアントの信用を得ることを目的に、こうした資格を取得しておくことが推奨されます。
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関連記事JTA公認翻訳専門職資格試験とは? 難易度はどれくらい?
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翻訳者(翻訳家)の給料・年収
個人の力量や仕事内容によって大きく異なる
翻訳者の給料・年収は個人の経験やスキルレベルによる差が大きく、また働き方によっても変わってきます。
企業に勤める場合、翻訳者として経験を積むことで、ジュニアトランスレーター→シニアトランスレーター→プリンシパルトランスレーターとステップアップし、それに伴って昇給が見込める場合があります。
ただし、企業勤めの翻訳者は必ずしも自分のやりたい翻訳業務に携われるとは限りません。
一方、フリーランスで活動する場合の収入は、案件ごとに定められている報酬や、請け負う案件量によって変動します。
翻訳者全体の年収は、民間各社の求人データを基にみていくと400万円~500万円前後になる人が多いようですが、実際には個人によって差が開きやすいです。
実績があまりない新人翻訳者と、経験豊富なベテラン翻訳者では、年収にして数百万円以上も変わってくることもあるといわれています。
翻訳の単価の決まり方は特殊
翻訳者はフリーランスの形態で働く人が多く、その場合、企業勤めの会社員のように毎月決まった給料が支払われるわけではありません。
案件ごとに請け負う翻訳の単価は、基本的に翻訳する文字数を基準に決まります。
単価は「1ワードあたり」もしくは「400字詰原稿用紙の1枚あたり」の設定となり、英文和訳は1語あたり6~20円程度が標準とされます。
ただし、近年は最近はMTPE(機械翻訳の後処理)などの仕事で単価を値切られることが増えてきたこともあり、とくに経験の浅い翻訳者は安価な仕事しか引き受けられないケースも増えているようです。
年収で1000万を超える翻訳者がいる反面、お小遣い程度の収入にしかならず、他にも仕事をしながら翻訳を続けている人もいるのが実情です。
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翻訳者(翻訳家)の現状と将来性・今後の見通し
個人の参入が増え競争が厳しくなっている
かつて、翻訳者は該当分野に詳しい学者や専門家、翻訳会社に所属している人など、「人脈」や「コネ」で仕事をする機会が多くありました。
しかし、現在はインターネットを活用したクラウドソーシングサービスが普及したことや、副業ブームの流れなどもあり、翻訳業界への参入の敷居は低くなっているといわれます。
翻訳の仕事に挑戦しやすくなっている一方、MTPE(機械翻訳の後処理)の案件などで値切られることが増え、一部では翻訳単価の下落傾向が続いています。
簡単な翻訳であればAIを活用した翻訳もできるようになっているため、今後は仕事量が減り、順調に仕事を続けられる人と、そうでない人の差がさらに大きく開いていくかもしれません。
[comment title="監修者コメント"]
副業など片手間に翻訳をやる人も増えているからこそ、翻訳者としての価値を高めて難しい案件にも挑戦していきたいのであれば、できるだけ専門的な知識を身につけるほうがよいでしょう。
高い語学能力があれば、場所を問わず、多方面で活躍できるチャンスはおおいにあります。
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翻訳者(翻訳家)の就職先・活躍の場
翻訳会社、一般企業に勤務、もしくはフリーランスで働く人が中心
翻訳者はフリーランスで活躍する人が多い職業です。
ほかに仕事を持ちながら、兼業で空き時間に作業をする人もいます。
ただし、翻訳の仕事は実務経験がないと仕事を受ける機会が限られてくるため、まずは翻訳会社や企業の翻訳部門に勤務し、実力を蓄えてから独立するのが一般的です。
翻訳者の勤務先は、翻訳会社、新聞社、学術機関、機器製造(ハードウェア・ソフトウェア)会社、映画配給会社、商社、法律事務所などがあります。
会社に所属する場合は、事務職など、ほかのオフィスワーク系社員と同じような勤務時間で働くことになるでしょう。
フリーランスになると、プロジェクトごとに案件を受注して仕事を進めるケースが多いです。
納期ありきの仕事のため、案件が立て込むと忙しくなりますが、自分で上手にスケジュールを調整して働くことが可能です。
翻訳者(翻訳家)の1日
自由度の高いライフスタイルを送る人も
企業に勤める翻訳者は、朝出社して夕方過ぎに退社するような、一般的な日勤の会社員と同じような生活スタイルになります。
一方、フリーランスで働く翻訳者の場合は、同時にいくつかの案件を受注することもあり、納期に間に合うよう自分でスケジュールを管理して業務を進めていきます。
ここでは、フリーランスの翻訳者のある1日の過ごし方を紹介します。
翻訳者(翻訳家)のやりがい、楽しさ
個人のスキルを生かして活躍できる
翻訳者は、自分の興味と携わる翻訳の分野がマッチすれば、楽しく仕事ができるでしょう。
自分が身につけた知識や能力がそのまま仕事の成果になるため、非常にやりがいがあります。
得意な言語を操りながら新しい知的世界に触れたり、おもしろいエンターテインメント作品にいち早く関与できたりすることも多いです。
スキルと経験が積み重なればなるほど、難しい案件にも携われる機会が増え、その分、収入アップにもつながります。
また、翻訳は個人作業が中心となるため、人間関係などのわずらわしさに悩まされにくいのも魅力です。
納期さえ守ればマイペースに進められるため、コツコツとした仕事を苦にせず、しっかりと自己管理ができる人は、快適に働けるはずです。
翻訳者(翻訳家)のつらいこと、大変なこと
語学力以外に身につけなくてはならないことが多い
翻訳の仕事では、翻訳する内容を正確に理解したり、一つの単語を文脈に合わせて的確に翻訳したりするために、長い時間を調べものに費やし、考え続けなくてはならないことがあります。
また、翻訳ではどうしても文化や言葉の差異による難しさにもぶつかります。
ただ語学力が高いだけでは、なかなか上手に翻訳ができず、苦労することも多いでしょう。
原文の意味を尊重しながら伝わるように内容を変えたり、意味中心の翻訳をしたりするのは非常に大変で、翻訳者の経験やスキルがそのまま表れてきます。
適当な翻訳をしてしまえばクライアントの信用を損なうことにもつながりかねませんから、常に緊張感がつきまといます。
一流の翻訳者になるためには、常に勉強をして幅広い分野の知識の習得に努めなくてはなりません。
翻訳者(翻訳家)に向いている人・適性
新しいことを学び続けるのを苦にしない人
翻訳者に向いているのは、知的好奇心が強く、向上心もある人です。
翻訳をするためには、各分野の最先端の知識を身につけることが大切です。
新しいことを学ぶのを苦にせず、世の中の動きに常にアンテナを張って勉強を続けられるような人に向いています。
経験を重ねても、言語の背景にある文化を幅広く学び、教養を高めていく勤勉さも必要です。
また、翻訳の仕事は基本的に机に向かう時間が長くなります。
自分一人だけでも高い集中力を保つことができ、コツコツとした作業を苦にしない人に適しているといえるでしょう。
集団で物事を成し遂げたり、ワイワイとした環境で行動したりするのが好きな人には、翻訳の仕事はあまり向いていないかもしれません。
関連記事翻訳者(翻訳家)に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
翻訳者(翻訳家)志望動機・目指すきっかけ
語学を生かせて、異文化に触れる仕事がしたい
翻訳者を目指す人に共通しているのは、外国語を学ぶことが好きということです。
またそれだけではなく、異文化への興味関心も強く、まだ知られていない海外の知識や文化に触れたいというような思いも持っています。
語学力を生かせる仕事に就きたいと考えるうちに、翻訳者を目指す人が多いです。
翻訳者のなかでも「文芸作品に携わりたい」「映像翻訳者になりたい」など、具体的な翻訳分野の目標を持っている人もいます。
翻訳者はスキルを身につければフリーランスになるなど自由な働き方もしやすいため、場所や時間を問わず、手に職をつけて働きたい人が、この仕事に興味を抱くケースもよく見られます。
翻訳者(翻訳家)の雇用形態・働き方
独立して働いている人も多い
翻訳者は、企業に勤める人と、フリーランスで働く人の2種類に分かれます。
前者の場合は正社員として勤務する人が多いですが、派遣やパートなどの働き方もあります。
なお、企業に所属する「社内翻訳者」となる場合には、その業界での経験や、成熟した翻訳スキルが求められることが多いです。
加えて、ビジネスパーソンとしての基礎的なスキルまで求められる場合もあります。
フリーランスの場合は、個人で翻訳会社に登録し、スキルに応じた案件を紹介してもらったり、自分で仕事を見つけたりして仕事をします。
翻訳するための語学力はもちろんのこと、営業的なスキルや自己管理能力なども必要になります。
フリーランスの翻訳者は、実力や経験さえあれば、学歴や年齢は関係なく仕事を続けていくことが可能です。
翻訳者(翻訳家)の勤務時間・休日・生活
自分でスケジュールを立てて自由に働きやすい
翻訳者はフリーランスとして働く人が多いため、どのような生活スタイルになるかは、人によってまったく異なります。
会社員と同じように、平日中心に朝から夕方にかけて仕事をするタイプの人もいれば、夜間に集中して作業を進めていくタイプの人もいます。
あるいは、本業が休みの日に翻訳をしていたり、もしくは主婦で子育てをしながらその合間に仕事を行ったりする人もおり、ライフスタイルはさまざまです。
翻訳の仕事には必ず「納期」があるため、それさえ守れば、基本的には自由に働けます。
たくさんの仕事を請け負っている人の場合、案件が立て込むとプライベートも犠牲にして、長時間仕事に没頭するようなこともあります。
翻訳者(翻訳家)の求人・就職状況・需要
企業の社員としての求人はあまり多くない
現在、一般企業では翻訳者の正社員の採用を控えがちで、翻訳業務を専門会社へ外注することが増えています。
企業に所属する社内翻訳者は、今後さらに減っていくかもしれません。
一方、フリーランスとして働く翻訳者は増えています。
企業の副業推進の流れや自由な働き方を希望する人が増えたことで、手に職をつけ、在宅で翻訳の仕事がしたいと考える人が多くなっているのです。
文芸翻訳や映像翻訳の分野では、とくにフリーランスが活躍しやすいですが、翻訳単価は下がっています。
フリーランスの翻訳者の場合は、実績や実力、人脈や経験がないと、よい条件で仕事を受注する機会も限られてきます。
翻訳者(翻訳家)の転職状況・未経験採用
翻訳の基礎的な知識・スキルを身につけることから
翻訳の仕事は実務経験がある人が優遇されやすく、未経験からの転職は難しいのが実情です。
いち早く案件を獲得したいと考えるのならば、翻訳スクールで勉強をして語学や翻訳の資格を取得し、業界ネットワークを活用したり、ボランティア翻訳で経験を積むなどの方法があります。
そもそも翻訳者はフリーランスとして働く人が多いため、会社員として働ける先が簡単に見つかるとは限りません。
まずは地道に語学力を高めて翻訳会社に登録し、仕事をとれるように継続的に勉強を続けていく必要があります。
なお、ITや医療・サイエンスなど前職で得た業界知識を、翻訳者になってからの翻訳業務で生かすことも可能です。
映像翻訳者になるには
映像翻訳独自のルールを覚えることが必要
翻訳者を目指す人の多くが憧れるのが「映像翻訳」です。
映像翻訳では、海外の映画やドラマ、ドキュメンタリーなど、さまざまな映像作品の翻訳をします。
映画が好きな人には魅力的な仕事でしょうが、映像翻訳をするには、その国の文化、風習やスラング、時事まで理解していなければなりません。
また、字幕の翻訳は限られた文字数にまとめなくてはならなかったり、基本的に句読点を使わずに表現したりと、独自のルールがあります。
高いレベルの語学力や、映像以外の翻訳経験があるだけでは、映像翻訳者として活動するのは難しいのが実情です。
こうしたことから、映像翻訳者になりたいのであれば、翻訳スクールなどで映像翻訳を専門的に学ぶのもひとつの方法です。
[comment title="監修者コメント"]
スクールで学べば、映像翻訳の手法「吹き替え」「字幕」「ボイスオーバー」なども習得でき、映像翻訳者になるための基礎的なスキルを効率的に学べます。
その後は、翻訳会社などから依頼を受けて、仕事をする人が多いです。
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フリーランスの翻訳者として活躍するには
翻訳の実績を積むための行動を
翻訳者は、企業に勤めて働く人よりも、フリーランスとして個人で活動する人のほうが圧倒的に多いといわれています。
もともと企業で翻訳業務に携わっていた人が独立するケースもあれば、別の仕事をもつ人が、副業として語学力を生かして仕事をしているケースなどもあります。
仕事の進め方は自由で管理される部分が少なく、全体的に見て融通が利く働き方ができるため、フリーランスの働き方を希望する人は多いです。
ただし、フリーランスになると仕事は自分で獲得しなくてはなりませんし、仕事量によって収入が大きく変動します。
また、会社勤めの人のような福利厚生もなく、生活が不安定になる可能性も考えておかなくてはなりません。
能力不足だと、結果的に十分な仕事を請け負えず、仕事を続けるのが難しくなってしまいます。