議員秘書の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
議員秘書の業務スケジュール
議員秘書には公設秘書、または私設秘書としての働き方があります。
公設秘書は国家公務員特別職という立場になり、給与は公費から支払われ、私設秘書は議員が個人的に雇うため給与も私費から支払われます。
どちらも明確な勤務規則は存在していませんので、議員のスケジュールに合わせた働き方となります。
地方議員と国会議員では勤務先も違う
地方議員の秘書と国会議員の秘書では働く場所も変わります。
地方議員の事務所は当然地元にありますが、国会議員は東京・永田町にある議員会館内と選挙区となる地元の双方に事務所をかまえています。
議員会館の事務所で働く秘書は勉強会や党部会への参加、ほか議員秘書と情報交換、官僚との打ち合わせなど、政策に関わることが多いといわれています。
一方、地方事務所で働く秘書は議員と地元をつなぐ役割が大きいです。
普段、永田町で仕事をしている議員に代わり、支持者へのあいさつやイベント出席など地盤を守るための活動です。
国会議員、地方議員いずれの秘書であっても議員のために働くことに違いはなく、いずれの場合も忙しい毎日を過ごしています。
議員秘書に休日はある?
勤務規則がないため、議員が休みの日が休日となるでしょう。
しかし地方議員や地元事務所で働く秘書に場合、土日祝日は日はなかなか休めないかもしれません。
イベントやあいさつ回りはどうしても土日や祝日に行うためです。
平日も忙しく動いているため秘書が数人いれば交代で休むこともできますが、人数が少なければそうもいきません。
議員と一緒に世の中をよくしていきたいなど、何かしらの強い意志を持っていなければ続けるのが難しい職種といえます。
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国会議員のもとで働く議員秘書の1日
議員秘書の代表的な存在は国会議員の秘書といえるので、ここでは国会議員秘書を例に紹介します。
議員会館事務所で働く議員秘書
地元事務所(選挙区)で働く議員秘書
議員秘書の勤務時間・休日
勤務体系の種類
議員秘書は、基本的に議員のスケジュールに合わせて働きます。
勤務時間や休日は議員と相談して決定されますが、あくまでも目安と考えた方がよいでしょう。
政治家は世間が休みの日に行動することも多いため、規則正しい働き方を希望する人は議員秘書に向いていません。
議員秘書の勤務時間
公設秘書、私設秘書ともに議員と協議の上で勤務時間を決定します。
私設秘書の勤務時間は午前9時から午後6時など定められていても、議員のスケジュールにより就業時間が変動します。
公設秘書も同様で、所定の勤務時間とおりとはいかず、不規則と考えた方がよいでしょう。
議員は早朝から行動することもあれば、0時を過ぎても会議を続けていることもあり、決まったスケジュールでは動きません。
秘書のスケジュールは議員の行動に左右されますし、事前準備や後処理などで、さらに不規則な勤務時間となります。
議員のスケジュールとは別に、後援会や支援企業との信頼関係を築いたり、官僚とコミュニケーションを図るための会合も多く、深夜に帰宅することも珍しくありません。
議員秘書の休日
休日も、やはり議員のスケジュールによって変動します。
議員が呼ばれるイベントや講演会は土日祝日に開かれることも多く、議員秘書も同行しなければなりません。
国会議員の秘書の休日は、東京事務所か地元事務所のどちらで働くかによってもちがうでしょう。
議員会館が週末は閉館のため、東京事務所で働く秘書は、土日が休みの週もあります。
一方、地元事務所で働く秘書は週末のイベント出席や演説などに合わせて議員が帰ってくることもあり、平日よりも忙しく動きます。
あいさつ回りや後援会の会合も人が集まりやすい休日に行うことが多く、土日はほとんど休めません。
議員秘書の残業時間
当然、残業はあるものとして考えた方がよいです。
すべては議員の行動しだいで、政治的に重大な局面を迎えている時ほど残業時間も多くなります。
一番忙しいのは、選挙の時です。
選挙で負ければ自分も仕事を失うため、議員にとっても秘書にとっても、人生を左右する勝負の時です。
支援者へのあいさつ回りやビラ配り、議員の遊説(ゆうぜい)、街頭演説、集会など、議員に同行して朝から晩まで働き続けます。
選挙期間中は、たとえ帰宅が遅くなっても、残業しているという感覚はないかもしれません。
議員秘書は忙しい? 激務?
議員秘書の仕事が激務であるのは間違いありません。
公設秘書は収入や待遇面である程度恵まれているとはいえ、休日返上、残業は当たり前です。
議員の政治信念を実現するため、将来政治家として活躍したいなど、秘書それぞれが強い想いを抱いているからこそ、過酷な勤務にも耐えられるのでしょう。
気になるのは、このような働き方が法律的に問題ないのかという点です。
議員秘書は「機密の事務を取り扱う者」に当たり、労働基準法の労働時間や休日に関する規定を守る必要はないという考え方もあります。
しかし、スケジュール管理や書類整理などの業務がメインの議員秘書は、機密を扱う者には当たらないという考え方もあり、議員秘書の労働時間については非常に難しい問題です。
議員秘書の休日の過ごし方
常に忙しく働くため、完全なオフの日はとにかくリフレッシュする人が多いようです。
家族と過ごす人、パートナーや友人たちと遊びに行く人、一人でゆっくり過ごす人など、それぞれ自分の時間を大切に過ごしています。
しかし、休日に議員が複数の会合に招待されていたり、議員が地元に帰っていてイベントに出席できないときは、秘書が代理で出席しなければなりません。
休日出勤もやむをえません。
国会議員の秘書でも、地方議員の秘書でも同じです。
地方議員の秘書は人数が少ないため、視察や資料集めを休日に行うこともあります。
このように、議員秘書は休日であっても働かなければならない日があるのは、覚悟しておきましょう。