テレビ業界研究・仕事内容や求人状況、今後の動向を解説
テレビ業界とは
テレビ業界には、地上放送局から、衛星放送、ケーブルテレビ局やインターネット放送局まで、さまざまな大きさや性質の放送局が存在し、テレビ・ラジオ放送やそれに関連する事業を展開しています。
地上放送局としては、公共放送であるNHKのほか、日本テレビやTBS・フジテレビ・テレビ朝日・テレビ東京といったキー局と呼ばれる東京の放送局と、その他全国各地の地方局がネットワークで系列した状況でテレビ放送を行っています。
これら地上放送局は、電波法のルールによってチャンネル数が限定されているため、数が限られていることが大きな特徴です。
この限定された数の地上放送局は、動画コンテンツをテレビを媒体として簡単にお茶の間に届けることができるという、国から電波の優先的な地位を与えられているため、これまでの長い間、動画コンテンツ業界では無敵の存在ともいえました。
地上放送局は、いってみれば高いステージの上で、数少ないライバル同士で互いに視聴率を武器にして、激戦を繰り広げていたのです。
しかし、昨今のテクノロジー発達の影響で、オンライン動画配信サービスやオンラインゲーム・SNSなど、多くのライバルがステージ場外から出現し、地上放送局を中心としたテレビ業界はいま、新しい戦いを挑まれています。
なお、この放送局には、縁の下の力持ちとして、多くの制作会社が存在しています。
放送されている番組のエンドロールを見るとわかるとおり、テレビ番組の大部分は制作会社なしでは成り立たないと言っても過言ではありません。
テレビ業界の役割
放送局、特に地上放送に関しては、電波法という国のルールによってチャンネル数が制限されている背景から、公共性を持ち合わせていることがポイントです。
どういうことかというと、放送メディアは映像と音声を通じて情報を送り届ける性格上、ほかのメディアに比べて情報の受け手に対する大きなインパクトを持っています。
そして、放送局の数が制限されているため、視聴者の選択肢が少ないことから、放送は個人に対する絶大な影響力を持っているのです。
そのため、放送局は憲法で保障されている表現の自由を適切に行使して、視聴者・国民の知る権利に応えなければなりません。
天気や災害・ニュース・国からの情報などの視聴者の生活のために必要な情報はもちろんのこと、ドラマやバラエティといった、健全な娯楽を提供することも、放送局の重要な役割のひとつです。
同時に、放送局は番組を制作する際にも、間違った情報や不適切な情報を放送しないよう、放送法や放送倫理・放送基準などに反していないかを、自分たちでチェックするという責務も負っています。
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テレビ業界の企業の種類とビジネスモデル
放送局の種類
みなさんが「テレビ」といって最初に頭に浮かぶ放送は、「地上放送」ではないでしょうか。
送信方法の違いからみると、テレビ業界には
1.地上放送
2.衛星放送
3.有線放送
4.IP放送
の4つに分類される放送局があります。
地上放送は地上アンテナから送信される電波放送のことで、NHKと民間放送(民放)事業者によって構成されています。
地上放送の大きな特徴は、放送電波に限りがあることから、電波法の規定によって国に免許を与えられた放送事業者でなければ放送することができない点です。
テレビのチャンネル数に昔と今とで大きな変化がないことは、地上放送局を勝手に増やすことができない背景があるからなのです。
このほかテレビ放送には、人工衛星を用いた衛星放送や、各種ケーブルを利用した有線放送、インターネットプロトコルを使用したIP放送があります。
放送局のビジネスモデル
民法テレビ局
放送局は、基本的に広告費で経営が成り立っています。
広告費とは、番組間に放送されるコマーシャル枠を売買した収益などのことですが、テレビにおける広告費は、日本の総広告費の約3分の1もの割合を占める、大変大きな額です。
テレビ広告費は、2008年に起こったリーマンショックの影響で2009年に大きく落ち込みましたが、それ以降緩やかな回復傾向にあります。
ただし、視聴者もテレビ番組を録画せずにリアルタイムで視聴する習慣が低下している状況です。
そのため、テレビ視聴率も低下傾向にあり、テレビ局としても視聴率を上げてテレビ広告収入を大幅に増加させるという伝統的な方法は難しくなってきています。
NHK
NHKは国民の受信料を基礎としてその経営が行われています。
国民の受信料の支払いは景気に左右されないために、広告収入よりも安定した収入源だといえます。
衛星放送・ケーブルテレビ
このほか、有料の衛星放送やケーブルテレビなどは、以下のような、広告のみに頼らないビジネスを基本としています。
・加入料
・月額視聴料
・特別視聴料(見たい番組ごとに視聴料を支払う)
・広告収入
これら多様化した収入源は、かつては拡大傾向にありましたが、その後は伸び悩んでいます。
テレビ業界の職種
地上放送局では、広告収入を確保し、放送番組を制作して、電波を通じて放送します。
同業他社である民間放送局の数は多くありませんが、広告収入を得る際の目安となる視聴率を上げるため、放送局は信頼できて興味深い、多くの人に見てもらえるような番組を制作しなければなりません。
また、地上放送は限られた電波を使用していることから公共的な性格をあわせ持っているため、放送法や電波法などはもちろん、放送基準や放送倫理などのルールを守る必要もあります。
好き勝手に、ただ面白い番組を作ればそれでよいわけでもなく、制作時だけでなく放送前や放送後に番組内容を厳しくチェックする体制を整えておかねばなりません。
営業
営業職は、民間放送局の収入源である、番組間に放送されるコマーシャル枠を販売する仕事です。
テレビ業界の仕事というと、制作現場が一番にイメージされるかもしれませんが、そもそもその制作現場を支えている収入源は、この営業職によって支えられています。
放送枠を買ってお金を払う企業・組織などのことを、スポンサーといいます。
番組の内容や放送日時などによって、視聴者の年齢層や趣味などが変わってくることから、番組ごとにコマーシャル枠を購入したいと考えるスポンサーは違っていることが多くあります。
そのため、営業職はマーケティング調査などを行って、番組ごとにスポンサーになりそうな企業・組織を調べ、アプローチしてコマーシャル枠購入をはたらきかけます。
制作
制作職にはプロデューサー、ディレクター、アシスタントディレクターが含まれます。
まず、プロデューサーは、番組の総責任者です。
制作する番組の企画や予算の使い道、出演者やスタッフ構成など、番組のすべてにおいて決定する権利があります。
このような業務の性質から、プロデューサーは、番組撮影当日よりもずっと前から忙しく働いています。
むしろ撮影現場では、プロ野球監督のように、フィールドには立たずに少し遠くのベンチから全体を眺めているイメージです。
そのプロデューサーの元で、制作現場での指揮をするのがディレクターです。
番組内容の構成から細かな内容までを決定・指示します。
大きな規模の番組では数人のディレクターが配置され、放送回ごとに担当ディレクターが変わることもあります。
ディレクターは、制作現場の中心人物です。
現場には、このほかディレクターの補助として働く、ADと呼ばれるアシスタントディレクターがいます。
ADはディレクターの指示どおりに動いて、撮影準備や後片付けを含む、撮影に必要な作業を幅広く担当します。
技術
技術職は、番組制作に必要な撮影・編集などを支える仕事です。
アナウンサーなどと同様、専門職として独立の採用が行われていることが多く見られます。
技術職にはカメラマン、音声、照明、編集担当などがあります。
大きな放送局ではそれぞれ専門的に業務が分担されていることが多いですが、地方局などの規模の小さな放送局では、技術担当として、まとめて1人がこれらの業務を複数担当することもあります。
アナウンサー
アナウンサーは、ほとんどの放送局の中で独立の採用が行われている専門職です。
ほかの職種と違って、採用の段階からニュース原稿を読んだりカメラテストを行ったりして、アナウンサーとしての適性を審査されます。
司会者としての番組進行役や、ニュースキャスター、ナレーター、局主催のイベント司会などを行います。
特に撮り直しのきかない生放送の番組では、放送時間内に必要な情報をできるだけ多く伝えねばなりません。
現場スタッフとの連携をとりながら時間管理を行うこともアナウンサーの重要な任務です。
テレビ業界のやりがい・魅力
人々に影響を与えることができる
テレビ業界で働くことで感じるやりがいや魅力は、
・社会的影響力が強い
・社会の最新動向に触れられる
・歴史的瞬間に立ち会える
・チームワークの達成感
といった点にあるといわれています。
まず、テレビという、お茶の間にあり簡単に放送を受信できるという媒体自体の特徴ですが、いろいろな人にすぐに見てもらえることで、視聴者に直接何かを印象付けたり、主張したり、問題提起をしたりすることができます。
つぎに、報道やスポーツの現場に出る場合は特に、いわば社会でもっとも熱い場所に出向かい直接取材をすることが許され、ときには歴史に残る瞬間に立ち会うことができます。
その分、テレビの向こうで待っている視聴者へ情報を届ける責任感もその分大きいですが、ここで味わう緊張感や独特の雰囲気は、きっと忘れられないものになるでしょう。
さらに番組制作は、ひとりでできることはほとんどなく、常にチームワークで取り組むものです。
制作時には多くの場合にコミュニケーションが不可欠で、直接会って行う打ち合わせやメール・電話でのやり取りなど、スタッフは互いに意思疎通しながら番組作りを行います。
国内でも遠隔地や海外での長期間の番組制作をする場合などは、放送局のスタッフに加え、現地で合流するスタッフとともに濃密な期間を過ごします。
いろいろな役割を担当するスタッフ全員が連携して、満足のいく番組を作り上げたときの達成感はとても大きなものです。
制作スタッフだけではなく、営業や編成など、番組企画当初から関わった他の職種を含めた番組関係者数はかなり大きくなることもあり、みんなで番組放送を見届けた喜びはより大きく感じられそうです。
平均年収はかなり高い
東京にあるキー局と言われている地上放送局(テレビ朝日・フジテレビ・TBS・日本テレビ・テレビ東京)は、どこも従業員の平均年間給与が1,300万円以上あると言われています。
「30歳で年収が1,000万円を突破する」ほどの高給、などとも耳にしますが、入社してすぐの時期から昼夜問わず忙しく働いていると、残業代の支払いが高いためにかなり若手のうちから収入が高くなっている、ということもあります。
また、特に番組制作に関わるスタッフの場合、出勤日や休日は担当番組の制作スケジュールにほとんど左右されます。
番組によっては制作にかかる時間が違いますので、担当番組によって出社時間や残業時間の長さも大きく変わります。
会社員としては年間の休日数や有給制度などが整備されていると思いますが、番組の都合で休みの取れる時期は限定されてくることが多いです。
テレビ業界の雰囲気
テレビ業界の雰囲気にはどのような特徴があるのでしょうか。
テレビ業界といっても、営業職などや事務職など一般的な会社機能を構成する職種などは、異業種の営業職と変わりないところが多いと考えられます。
特徴的なのは、番組制作現場のスタッフです。
制作現場のスタッフは、基本的に服装が自由です。
そのときに担当している番組の取材や外部との打ち合わせなど、TPOを守っていれば特に制限がないと考えられます。
ただし、服装が自由であるということは、服装に関してむしろ個人の判断力が問われるという印象で、ただ好き勝手な服装をしてきても良い、という意味合いではなさそうです。
スタッフ同士のコミュニケーションはとてもスムーズで、上下関係も厳しい印象です。
愛情を込めて上司が部下を呼び捨てで呼ぶことはよく見られる光景です。
女性の比率も、昔はとても少なかったのですが、最近はスタッフの半数に近い割合を占めているといわれています。
テレビ業界に就職するには
就職の状況
テレビ業界に就職するためには、基本的にそれぞれの放送局等のWebサイトを確認し、そこでエントリーして応募することがほとんどです。
民放の採用日程は他業種に比べると特に早く、その中でも特にアナウンサー採用は独立して他の職種よりもさらに早い時期に採用を行う放送局が多くなっています。
例年、日本で一番早くアナウンサー採用試験をするといわれているテレビ朝日では、大学3年時の秋からエントリーがはじまります。
あまりに採用時期が早いため、情報を取り逃がしてしまう志望者も少なくありません。
地上放送局の定期採用は一般に、
・キー局(東京)
・大阪(準キー局)
・基幹局(名古屋・福岡・札幌など)
・その他の地方局
の順序で進行していきます。
テレビ業界にこだわって就職活動をしている人は、東京がダメなら大阪、大阪がダメなら名古屋・・・という風に全国行脚をしていく人も少なくありません。
一方でNHKは、新聞社と同時期の春先からエントリーを開始することが通例のようです。
なお、NHKや一部の放送局では、年に2回定期採用の機会を設けている局もあります。
就職に有利な学歴・大学学部
テレビ業界に就職するために、有利な学歴や学部はあるのでしょうか。
そもそも、放送局の募集内容を見てみると、出身学部を制限して募集をしている放送局はなさそうですが、基本的に大学卒業の資格を求められていることが多いようです。
しかし、NHKやTBSなど、年齢制限はあるものの、学歴不問の採用も行っている放送局もあります。
ただ、たとえば技術職では理系に特化した高度に専門的な内容の筆記試験を課す局もあるため、技術職では理系の学部で学んでいた方が試験内容に対応しやすい、という場合はありそうです。
美術職としての採用がある場合も同様で、事前にポートフォリオを郵送で提出することが求められている場合があり、未経験ではない人を前提としていることをうかがわせる募集内容も見受けられます。
ただ、それ以外の総合職・アナウンサーなどの募集においては、特に特定の出身学部や経験の有無が内定獲得に有利などということはなさそうです。
テレビ番組は、たとえば報道・バラエティ・ドラマ・ドキュメンタリーなどどのようなジャンルにおいても、番組制作に関わる場合、テーマに応じていろいろな経験が役に立ちます。
そのため、ともに働くメンバーを選ぶという意味で「どのような学修経験があるのか」、ということよりも、「その経験とどのように向かい合ってきたか」を採用担当者は重視していると思われます。
就職の志望動機で多いものは
テレビ業界の就職活動のうち志望動機に多く書かれる内容はどんなものでしょうか。
テレビ業界だということで、よく聞く志望動機は、「特定のテレビ番組に大きな影響を受けた」という内容です。
たとえば報道記者志望の学生の志望動機でよくあるのは、「事件・災害でテレビ報道の社会的意義・大切さを知った」というものです。
災害で自分の住む地域は被害に遭わなかったけれど、テレビの特別番組でその災害のときに影響を受けた人々を取材した内容を知ったおかげで、自分の人生の価値観が大きく変わった、などの例があります。
このように、具体的な事件や出来事・番組を指摘して志望動機にしていると、採用担当者にも志望動機が明確に伝えやすくなります。
また、特定の番組が小さな頃から大好きだ、という率直な熱意を示す志望動機もあります。
自分もその番組もしくは同様の番組の制作に関わりたい、という気持ちを伝えるものです。
ただ、自分がテレビ番組を「好きだ」という気持ちを言葉にするのは簡単ですので、自分なりの理由付けができると印象的になるのではないでしょうか。
このほか、番組出演者やプロデユーサー・放送作家など制作関係者の誰かを尊敬していて、その人の作る番組が好きだから自分もそのような制作者になりたい、という動機もあります。
いずれにせよ、民放は競合他社の数が少ないため、面接では「どうして他社ではなく我が社なのか」という理由を明確に質問されることがありますから、しっかりと検討しておいたほうがよいでしょう。
テレビ業界の転職状況
転職の状況
テレビ業界に転職をしたい場合、それは難しいことなのでしょうか?
テレビ業界では、中途採用はもちろんのこと、一部の放送局では大学等をすでに卒業している人でも一定の年齢制限内の場合、新卒者と一緒に選考へエントリーすることが可能な場合もあります。
したがって、まずは定期採用の年齢制限などの条件を確認してみることも大切です。
そうでなくとも、NHKをはじめとする各放送局では、不定期に中途採用を行っています。
中途採用の場合は職種が限定されていることもありますので、随時放送局のWebサイト等を確認して、志望職種の募集がないかを確認しておきましょう。
転職の志望動機で多いものは
テレビ業界に転職する場合の志望動機は、異業種からテレビ業界に転職したい場合と、テレビ業界の中で転職したい場合で異なってきます。
異業種からテレビ業界に転職する場合は、就職の志望動機の内容がそのまま当てはまります。
いっぽう、テレビ業界からテレビ業界への転職の際には、同じ業界での転職ですので、条件面や住む場所・職種などでステップアップしたい等の希望があってのことが多いでしょう。
そこで、志望動機としては、前職でやりたかった仕事を新たな職場で実現したいだとか、同じテレビ局でも自分の育った地元で働きたいだとか、職種を変更して大好きなテレビ業界にさらに貢献したい、などの内容が多くなります。
転職で募集が多い職種
テレビ業界の中途採用では、総合職としての募集もありますが、職種別に募集がされている場合がよく見られます。
たとえばNHKでは、記者・ディレクター・アナウンサー・技術など、具体的な職業別に中途採用が行われています。
しかし、これらの中途採用は、それほど多くはなく、常に募集がされているわけでもありませんので、日頃から情報収集を行うことが重要です。
いっぽう、制作にこだわりたい方は、放送局に限らず制作会社への入社も検討してみると、対象となる会社が多いため、中途採用の情報を見つける確率も高くなります。
制作会社の場合は転職サイト等職業紹介サービスにも広く情報が出ていることがあります。
どんな経歴やスキルがあると転職しやすいか
テレビ業界で転職するのに、それまでの業界経験がどのくらい必要かというと、まず技術職やアナウンサー、記者等の職種を限定した中途採用の場合は、それまでの経験が選考に影響しやすいと考えられます。
いっぽうで、番組制作スタッフなどは、もちろんテレビ制作の経験があったほうが当然有利に働くと思われますが、業界未経験であっても、転職できる可能性はあります。
制作スタッフはいろいろなジャンルの番組作りに取り組まねばならず、その過程で取材などあらゆる場面や状況、組織や人に関わっていく仕事です。
業界経験があったほうが馴染みやすいかもしれませんが、全く違った他の経験も生かしやすい職種です。
テレビ業界の有名・人気企業紹介
NHK(日本放送協会)
1925年仮放送開始、1950年協会設立、1953年本放送開始。社員数10,318名(2018年)
NHKは、受信料を主な財源とする日本で唯一の公共放送で、地上放送の総合テレビ・Eテレや、ラジオ・各種衛星放送の制作・放送業務を行っています。
また、NHKは災害対策基本法によって、国民の生命や財産を災害から守るため、国内の報道機関で唯一の指定公共機関に定められています。
さらに、テレビやラジオなどのメディアサービスだけでなく、放送と連動したさまざまなイベントや公開番組、美術展や公演、教育・教養分野にも力を入れて活動しているところもNHKの大きな特徴です。
日本テレビ
1952年テレビ免許獲得、会社設立、1953年本放送開始。連結売上高4236億6300万円(2017年度)、社員数1,259人(2018年4月)。
日本テレビは、国内でもっとも歴史のある民放キー局ですが、24時間テレビや箱根駅伝完全生中継など、当初から新しい取り組みに挑戦してきた放送局といえるでしょう。
なかでも2014年に、オンライン動画配信サービスの「Hulu」の日本事業を買収したことは大変画期的な取り組みだといえます。
このほかにも日本テレビは、e-sports事業などの新規ビジネス開発のほか、映画・演劇・美術展やイベントにも力を入れています。
TBSテレビ
1951年当初の法人設立・ラジオ放送開始、1955年テレビ放送開始。資本金3億円、社員数1,972名(2018年4月)
サンデーモーニング・報道特集・ニュース23や、世界陸上・世界バレーなどの報道・スポーツ番組の印象が強いTBSですが、新たなチャレンジにも積極的に取り組んでいます。
2017年3月に観客席が360度回転する劇場「IHI STAGE AROUND TOKYO」をオープンするなど、新しい視点の舞台・映画・イベント、インターネット動画配信事業への取り組みをさらに拡大させています。
テレビ業界の現状と課題・今後の展望
放送局はテレビを通じて視聴者にコンテンツを提供していますが、特に地上放送局に関しては、法律で電波が限られていることから競合他社が少なく、広告費も集めやすいという背景から、これまでコンテンツ業界では一人勝ちのような状態でした。
しかし近年のテクノロジーの変化で、テレビのほかにスマホ・タブレット・PCが発達してきたことから、現在テレビの存在は大きな脅威にさらされています。
スマホ・タブレット・PCは、高速インターネット環境の普及によって定額動画配信サービスやゲーム・SNSを大きく発達させました。
これらは、テレビ放送とは違った形式でのコンテンツ提供で、うまくユーザーからの注目を集めています。
以前は一人勝ちだった地上放送には、テレビの外に複数の巨大なライバルが出現したのです。
この変化は放送局に対して、できるだけ多くの収入を確保して良質なコンテンツを提供しなければならないという、大きなプレッシャーを与えています。
いっぽうで、特にキー局をはじめとした地上放送局は、動画コンテンツ制作の歴史は長く、そのノウハウは非常に高いものを持っていることに変わりありません。
さらに地上放送局は事業規模も大きいので、テレビ以外の媒体を含めた動画配信サービスを展開する余裕も持ち合わせています。
以上から、今後のさらなる大きな発展が期待できる可能性も十分にあるといえるでしょう。
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