歴史学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





歴史学の概要・理念

歴史学は、各国のさまざまな時代の出来事や関わった人物について史実をもとに検証し、明らかにしていく学問です。

歴史学では収集した過去の資料を元に研究を行いますが、文書や建造物など遺された史料の真偽そのものについて調査するなど、一般的な定説が本当に正しいかどうかを検証する視点も必要になります。

新たな発見に伴って従来とは異なる説が台頭することもあるなど、歴史的事件等の解釈や人物の評価が変化することもめずらしくありません。

人間の過去の営みを深く探求し、検証することを通して、人間そのものへの理解を深めることにもつながります。

変化の激しい現代において、過去の出来事が持つ意義を読み解くことは、人間社会について本質的に考える上でますます重要な視点の1つとなっていくでしょう。

高校までの歴史の勉強は広く浅く大量の情報を暗記することが中心でしたが、大学では専門とする時代や地域に関して踏み込んで研究していく点が大きな特徴と言えます。

歴史学で学ぶこと

歴史学には、ヨーロッパやアメリカの歴史を扱う西洋史、中国や朝鮮、東南アジアの歴史を扱う東洋史、日本の歴史を扱う日本史などの分野があります。

各分野において、政治史・経済史・交易史・文化史・宗教史などのテーマに沿って研究を進めていきます。

1・2年次には、資料の読み解き方などの基本的な方法論や、理論的アプローチの方法など、テーマ研究を進める上で必要とされる基礎的な知識や技能を身につけていきます。

3・4年次には専門分野に特化した研究が中心になっていきますが、多方面での出来事や多くの人物の思惑が複合的に絡み合って歴史は形成されていますので、自分の専門分野以外にも裾野を広げて知識を増やしていくことが、研究を進める上で非常に大切です。

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歴史学の大学での授業科目の例

政治史

各地域や時代における政治の在り方について、治世の方法論や問題点、前後の時代との関係について研究します。

経済史

貨幣や流通を軸として歴史を捉え、経済的要因が社会に与えてきた影響について研究します。

交易史

諸外国との交易や国内での流通が政治や経済、文化に与えた影響について探求します。

文化史

各地域や時代における文学や美術作品を研究し、当時の風俗や社会に与えた影響について考えます。

宗教史

三大宗教と呼ばれるキリスト教、仏教、イスラム教を中心に、宗教観の変遷や社会に与えた影響について研究します。

歴史学のレポート・テーマの例

歴史学のレポートは、史実の綿密な調査を元に書くのが基本です。

そのため、参考文献や史料を明記するのはもちろんのこと、関連する資料にできるだけ隈なくあたっておく必要があります。

下記はレポートのテーマ例です。

  • ・行基の活動の変化と社会事業
  • ・戦国大名と国人領主との関係
  • ・ポエニ戦争とローマ軍
  • ・アヘン貿易と英中間の関係
  • ・美術から見る古代エジプトの女性の立場、地位について

歴史学と関連する学問

歴史学を研究する上で、時代背景や当時の思想について知識を深めることが重要になります。

そのため、哲学や文化学に分類される事柄についても、歴史学を研究するために必要になる場合があります。

民俗学宗教学文化人類学といった分野の学問も、特定の時代や文化圏について深く探求していく際に役立つことがあります。

また、資料を読み解く上で古文や英語、地理などの知識が必要になる場合もあります。

このように、歴史学と関連する学問が数多くあることからも、歴史学の裾野の広さが分かります。

歴史学を学んで就職に有利な業界・仕事

大学で歴史学を学んだことで就職に有利になる職業として、社会科の教員が挙げられます。

中学・高校の社会科教諭であれば、大学で研究した内容を活かして歴史を教えることができるでしょう。

また、学芸員であれば歴史博物館などで勤務する場合もありますので、史料の調査方法や扱い方についての知識・技能を活かせる可能性が高いと考えられます。

このように、歴史学を研究した経験をできるだけ直接活かしたいのであれば、教員または学芸員を目指すのが近道と言えます。

民間企業では、歴史学の知識を直接的に活かせる仕事は残念ながらそれほど多くはありません。

一例として、歴史関係の書籍や雑誌を扱う出版社編集者など、歴史分野に造詣が深いことが実務で役立つ職種もあります。

新聞記者、放送記者、放送局ディレクターといった仕事も、全てが歴史に関わっているわけではありませんが、歴史に関連が深いニュースの取材や番組の制作に携わる機会もあるでしょう。

歴史学の知識は人生でどう役立つ?

業界・職種に関わらず、歴史関連の書籍は管理職や経営層の人材の間で人気が高い傾向があります。

先人がどのように生きたか、それぞれの時代状況の中でどのような判断を下してきたか、について学ぶことは、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれるからでしょう。

チームや部署といった組織を率いていく上で、歴史から学ぶことは非常に多いのです。

このように、歴史学を研究したことで得られた知見は、これからの人生を歩んでいく中でさまざまな指針となってくれるはずです。

たとえ歴史学の知識を仕事で直接的には活かせなかったとしても、歴史から学んだ教訓や知恵が将来にわたって人生を豊かなものにしてくれる可能性は十分にあるのです。

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