OB・OG訪問とは(場所、時間、持ち物、名刺、手土産)

気になる会社、絶対に就職したい会社の社風を知るには、先輩社員の話を聞くのが最も確実な方法です。

OB・OG訪問は、就職活動の中では「絶対に」しなければならないものではありません。

ですが、企業研究を誌上のみで行うよりも確実に「生」の情報を得ることができます。

ここでは、OB・OG訪問で生じやすい疑問についてお答えし、ご紹介します。





OB・OG訪問は、何のためにするものなのか?

あなたはなぜOB・OG訪問をするのでしょうか?

就活本に書いてあったからでしょうか。友人がみんな行くからでしょうか。

あなた自身がOB・OG訪問を何のために行うのか、その明確な目的がなければ、せっかくの訪問の機会も無駄になってしまうことが多く、また協力してくれるOB・OGに対しても失礼に当たります。

OB・OG訪問の際には、3つの目的を持って挑みましょう。

1.企業の情報収集

社内の人間関係や社内の雰囲気、就職試験の情報など

2.志望意志の伝達

入社への意欲を伝えれば、内定につながるかもしれません

3.本選考前の予備練習

志望動機等を話すことは面接試験の練習になります

以上の目的をもって、何のためにOB・OG訪問をするのか、明確に意識して動くことで、短時間の訪問でも効率的に内定につなげるための機会にすることができるでしょう。

OB・OGの探し方

では、目的を持って実際にOB・OG訪問を行うとして、まずは訪問するOB・OGを探すことから始まります。OB・OGを探すためには、大きく分けて次の3つの方法があります。

1.ゼミ・サークルの先輩から探す

あなたの所属しているゼミやサークルの中で、既に知っている先輩が希望する企業に就職していたなら、この方法が最も簡単です。顔見知りではなかったとしても、同じゼミ・サークルに所属していた、というだけでも情報と協力は得られやすくなります。

2.企業の在籍者名簿から探す

あなたが大学生の場合は、キャリアセンターに行くと、特定の企業に就職したOB・OGを見つけることができます。

3.企業に直接問い合わせる

上記の2つの方法のいずれも難しい場合は、企業の人事部に電話をしましょう。人事部からOB・OGを紹介してもらえるケースもあります。

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OB・OG訪問はどの時期にやるといい?

訪問先が決定したら、次に行うのはスケジューリングです。

どの時期にOB・OG訪問を行うかによって、OB・OGの対応時間、ていねいさも変わってくることもあります。

消去法で考えた場合、避けたほうがよいのは、就活解禁直後です。

この時期は就活解禁になったばかりの学生が行動を開始する時期であり、多くの学生たちが訪問先を探してアポイントをとる時期です。

また、年度末や年度初め、決算の時期も避けましょう。職種や業種にもよりますが、3月末~4月始めは多くの企業にとって多忙の時期です。

このような時期に訪問を希望しても、よい返事は期待できません。

もしもOB・OG訪問のアポイントがとれたとしても、時間のなさから通常時なら深いところまで答えてくれるところ、対応が雑になって質問にもまともに答えてもらえないこともあるでしょう。

以上のことを考えると、できれば7月~10月が望ましいといえます。また、訪問は1度ではなく、出来る限り早い段階で行うことで内定につながりやすくなります。

就活が始まってからから始めるのではなく、希望する企業が決まっているのなら、できるだけ早く始めましょう。

OB・OG訪問の電話のかけ方

訪問する時期があなたの中でおおまかにでも決まったら、次はいよいよ行動にうつす時です。

OB・OG訪問のアポイントをとるには、メールや手紙といった方法もありますが、電話も有効です。

いつ読んでもらえるかわからないメールや手紙よりも、電話は確実で即時確認が可能です。

OB・OGに電話をするときには、次のことに気を付けましょう。

1.ランチタイム、営業時間外、営業開始後すぐの時間帯には電話しない

このような時間帯にかけることで、常識のない学生だというイメージを訪問前に与えてしまうことになるので注意しましょう。

2.電話に出る人がかわるたびに、ていねいに名乗る

大きな企業ほど、OB・OGが電話に出るまでの間に受付が入ります。

受付→OB・OGというように、電話に出る人がかわるたびに大学名と氏名をていねいに名乗りましょう。

3.話は手短に、候補日をいくつか準備する

OB・OGは通常業務で多忙な中電話に対応してくれています。

無駄話はせず、訪問の候補日を3つほど準備して、電話の時間が長くならないように配慮しましょう。

OB・OG訪問の服装は?

アポイントがとれたら、企業へOB・OG訪問に行きましょう。

でも、何を着て行けばよいのでしょうか?また、アクセサリーや持ち物はどうしたらよいのでしょうか?

訪問時の服装は、指定がなければ、基本的にリクルートスーツで行くのが常識です。

あまり柄の派手なものではない、シンプルなスーツを、シワのないように前日にていねいに手入れしておきましょう。必要に応じてクリーニングに出してもよいでしょう。

腕時計は社会人としての必須アイテムですから、装飾品とはいえ必ずつけて行きましょう。ただし、スポーツタイプのものや、高価すぎるものは就職活動には不向きです。

皮やプラチナ・シルバータイプのシンプルなものを選びましょう。

持ち物は、志望動機や自己PRを復習できるように履歴書、そして筆記用具、リストアップした質問項目をメモしたもの、ハンカチ、女性の場合は替えのストッキングがあれば十分です。

OB・OG訪問で質問すべきことは?

限られた時間を有効に使って、OB・OG訪問を充実したものにするためには、「何を質問するのか」について事前に考えておくことはとても大切なことです。

訪問前には質問リストを作成し、これだけは絶対にきいておきたいということを決めておきましょう。とくに以下の4つは必ず聞いておいた方がよいでしょう。

1.職場の雰囲気

・上司と部下の関係
・同僚との人間関係
・社内全体の雰囲気

2.仕事内容

・具体的にどんな仕事をしているのか?
・ほかの社員はどんな仕事をしているのか?

3.就職活動について

・説明会や会社訪問などで、OB・OGが体験したスケジュール
・就職活動で一番苦労したこと
・企業への就職につながったと思われる成功のポイント
・学生時代にやっておいて役に立ったこと

4.就職試験の内容について

・書類選考の有無と審査基準
・面接の回数と方法(グループ面接か、個人面接か。最終面接までに面接は何回あるか。)
・面接でよくきかれる質問と、印象に残っている質問
・筆記試験の出題傾向と難易度

OB・OG訪問で質問したことは、必ずあなたの就職活動に役立ちますし、他の受験者と差をつけることができます。

よく吟味して、あなただけの質問リストを作成しましょう。

OB・OG訪問で守るべきマナーは?

OB・OG訪問で質問すべきことを考えておくこともマナーではありますが、他にも訪問時に守るべきマナーはたくさんあります。

では、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

1.遅刻厳禁

遅くとも約束の10分前までには、待ち合わせ場所に着いているようにしましょう。

2.滞在時間の目安は30分〜45分

あまり長時間OB・OGを拘束するのはマナー違反です。OB・OGには通常業務があり、その時間をぬって訪問に対応してくれていますので、だいたい30分〜45分程度で訪問を切り上げるようにしましょう。

まれにランチに誘われることがありますが、そのような場合には厚意に応えられるよう、訪問後のスケジュールは少し余裕をもって空けておきましょう。

3.言葉づかいはていねいに

顔見知りや、一緒に行動を共にしたことのあるOB・OGを訪問する場合、態度がなれなれしくなる方がいますが、これはマナー違反です。

たとえプライベートで仲がよかったとしても、訪問中は敬語で、常にOB・OGへの敬意を忘れないようにしましょう。

4.相手の話をよく聞く

OB・OGが質問に答えてくれたことは、メモをとりながら傾聴しましょう。

OB・OGが話している間は口をはさまず、最後までよく話をきいて、それでもわからないことは質問するように心がけましょう。

手土産を持っていく方もいますが、基本的には手土産は不要です。賄賂だと受け取る社員もいますし、手土産をOB・OGが同じ部署の社員に配ることが負担になる方もいるからです。

御礼の気持ちは、訪問後にメールや手紙であらわしましょう。

OB・OG訪問はどんな場所で行われる?

OB・OG訪問は、企業の会議室などで行われることが多いのですが、社外で行われるケースも出てきています。

では、社外のどのような場所で行われるのでしょうか。

1.会社近くのカフェやレストラン

社内だと周りを気にして質問しにくいのではという配慮から、カフェやレストランで質問に応じるケースもよくあります。

2.バーや居酒屋

どうしても営業時間内に都合がつかない場合や、元々親しいOB・OGの場合、夜にお酒を飲みながら質問に応じるというケースもあります。

いずれの場合でも、「注文」と「会計」の時に注意が必要です。

まず、注文時には、OB・OG高いメニューを選ぶことは避けましょう。「先輩と同じものをお願いします。」というような言い方をすると、同調から一体感も出ます。

しかも同じタイミングでドリンクや料理が出てくるため、自分の分だけが先に来て、先輩のメニューが来るまで気まずい思いをすることもありません。

また、会計の時にはOB・OGが支払いを済ませてくれることがほとんどです。

経費で落としている場合もありますが、「自分も支払おう」としている態度を示すことが大切です。

一応財布を出すという行為だけはするように心がけましょう。

そして、必ず「ごちそうさまでした。」「ありがとうございました。」などのお礼の言葉を忘れないようにしましょう。

OB・OG訪問に名刺は必要?

OB・OG訪問でよくある疑問として、「学生の場合でも名刺を持参したほうがよいのか?」ということがあります。

答えは、「なくても問題ない」です。

OB・OG訪問では、多くの場合OB・OGから名刺をもらうでしょう。

名刺をもらったからには返さなければと思うかもしれません。でもあなたがまだ学生の場合は、無理に名刺を用意して渡す必要はないのです。

それよりも、OB・OGからいただいた名刺を正しく扱うことができる方が、よっぽど印象がよいものです。そのためには以下のルールを守るようにしましょう。

1.いただいた名刺は両手で胸の高さで受け取る

このとき、「ありがとうございます。」や、「頂戴します。」と一言添えると印象が良いでしょう。

2.いただいた名刺はすぐにしまわず、デスク・テーブルの右側に置いておく

名刺は汚さないように、持っていれば名刺入れの上に置き、正面ではなく右上あたりに置いておきましょう。

名刺をもらってすぐに名刺入れや財布・カバンにしまうことは、マナー違反です。

以上のように、あなたの名刺は必要ありません。

そのかわりOB・OGからいただいた名刺を正しいマナーで受け取ることが大切です。

OB・OG訪問のお礼はどのようにすればいい?

無事に訪問が終わったら、必ず訪問後のフォローをしましょう。

具体的には、OB・OGにあててメール、手紙のいずれかで、訪問のお礼の文章を送りましょう。

メールでも手紙でも、内容に入れたい項目は以下の通りです。

1.時間を割いてくれたことへのお礼
2.訪問当日のアドバイスや説明の中で、具体的に役立ったこと
3.今後もお付き合いを続けていきたいという意志

特に2はとても重要です。

せっかくあなたのために時間をつくって協力してくれたOB・OGに対して、訪問によってあなたが何を得たのか、具体的なフィードバックをしましょう。

「大変勉強になりました。」だけで終わらないように、「どの説明の」「どんなところが」勉強になったのかを書くことが、OB・OGへのお礼の気持ちとなってあらわれます。

OB・OG訪問で活用すべきもの

5年、10年前のOB・OG訪問と現在のOB・OG訪問では、実際のアポイントの取り方やOB・OGの探し方で違いがあります。

最新のOB・OG訪問事情をチェックして、効率的に訪問のための準備をすすめましょう。

1.キャリアセンターの活用

昔は自分の人脈のみでOB・OG訪問をしている方が多かったのですが、大学生の場合はキャリアセンターに膨大な情報が蓄えられています。

学内にキャリアセンターがあるのに、あまり行ったことがない方もいるのではないでしょうか。

自分ひとりで何とかしようと思わずに、まずはキャリアセンターの窓口に相談してみましょう。

なお、キャリアセンターには、卒業生の配属先が記録されていますが、この情報が最新のものとは限りません。

異動になっていたり、既に退社している可能性もありますので、注意しましょう。

2.SNSの活用

昔と最も変化があったのは、SNSの普及ではないでしょうか。

昔は連絡手段といえば、電話やメールが主流でしたが、現在はFacebookやtwitter、LINEのようなSNSが主流となっています。

とくに個人の氏名を活用したFacebookで企業のOB・OGとつながりをもつという方が増えています。

気軽にコンタクトがとれるという面で、ソーシャルメディアはとても便利なものですが、利用にあたっては注意が必要です。

SNSで顔が見えないからと言ってなれなれしくなったり、敬意を欠いたりすることのないように心がけましょう。

この記事のまとめ

ご紹介してきたように、OB・OG訪問にはたくさんの準備すべきこと、守るべきマナーがあります。

それは、就職活動の中でもOB・OGという企業の社員と短時間とはいえ深く関わるからです。

OB・OGに与える印象が悪ければ、丁寧に答えてもらえるはずの質問に投げやりに答えられたり、30分もらえるはずの時間が15分になったりするなど、あなたにとってよいことはありません。

準備をしっかりして、マナーを守り、適切な時期に訪問することで、あなたのOB・OG訪問は内定につながりやすくなります。

準備は万端に、訪問場所がどんな場所でも常にマナーを忘れないように心がけましょう。

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