建築学とは? 大学で学ぶことや就職先は?

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建築学の概要・理念

建築学では「用強美」を兼ね備えた建築物を建てる方法やそれを支える理論について研究します。

「用」は機能性や快適性を指しており、居住者にとって快適な空間寸法や設備を備えた住宅であることを表します。

「強」は建物としての耐久性のことで、自然環境や自然災害に晒されても容易に倒壊することのない強度を備えた建物の作り方や設計について学びます。

「美」は建物の芸術性のことで、優れたデザインや人を魅了する美しい建物を作る手法や理論について研究します。

このように、建築学では建物の設計に留まらず、建築物を機能性と芸術性の両面から研究するのが大きな特徴です。

そのため、設計のほか構造や施工、材料、設備といった観点で研究に取り組むこともあれば、建築物と居住環境、地域の景観といったことについて広い視野で研究することもあります。

建築物は人類が地上で暮らし、日々の生活を営んでいく以上は必ず必要とされるものですので、これからも利便性や機能性、そして芸術性が追究され続けていくでしょう。

建築学で学ぶこと

建築学において、研究対象とする建築物の種類や規模に関わらず重要な位置を占めるのが設計図面です。

建築家の頭の中にあるイメージを図面に落とし、設計や施工に携わる大勢の人に必要な情報を正確に伝えなくてはなりません。

そのため、建築学では図面の引き方からCADを用いた図面の作り方について、実習を交えながら技能を身につけていきます。

建築物は見た目がいくら立派でも、簡単に倒壊してしまったり、長年の風雨や自然災害に耐えうるだけの耐久性がなければ危険です。

建築構造力学などの科目を通して、建築物を力学的な観点から検証し、耐久性が計算された建築物を作る方法を学びます。

さらに、建築物には美しさという要素も欠かせません。

建築物のデザイン史を学ぶことで、それぞれの時代で注目を集めたデザインやその変遷を知り、機能性と芸術性を兼ね備えた建築物を作っていく素養を育んでいきます。

建築学の大学での授業科目の例

建築構造力学

建築物そのものの重みや内部にかかる人や物体の重みにより、荷重がかかった際の変形や応力について研究します。

建築CAD

建築物を設計する際にコンピュータソフトを使って図面を制作するための知識や技能を習得します。

建築測量

建築物の建造過程において、寸法の誤差を最小限に抑えるための測量方法について学びます。

建築デザイン史

建築物が各時代にどのような変遷をたどり、現代の建築物へとつながっているかを文化との関わりから学びます。

建築法規

建築業法、建築士法、消防法といった建築物にまつわる各種法律などについて学びます。

建築学のレポート・テーマの例

建築学のレポートには大きく分けて論文形式のものと実習で制作・設計に取り組んだ経過や結果を報告するものがあります。

測定や測量によって測った数値を詳細にわたって記載するなど、正確性や緻密さが求められるのが特徴です。

  • ・住宅における熱環境の実測調査
  • ・高密度な都市空間を最適化する建築
  • ・鉄筋コンクリート造寺院設計
  • ・コンクリートの強度推定
  • ・住宅平面構成と住宅観の変遷

建築学と関連する学問

建築学と関連性の高い学問にデザイン工学があります。

研究者によっては、デザイン工学の1分野として建築デザインを研究している人もいますので、建築学をデザイン工学の分野の1つとして分類することもあります。

建築物を作る際に材料や構造を計算した上で決定していくことが重要になるため、材料工学や構造力学といった物理系の学問とは深い関わりを持っています。

また、建築法規について学ぶ場合、建築物と関わりが深い法律の文章を読み解くことになりますので、法学とも関わりがあります。

このように、建築にはさまざまな分野の学問との関わりがあるため、建築学も必然的に多くの学問と関連しながら学んでいく必要があるのです。

建築学を学んで就職に有利な業界・仕事

建築学を学んだ人の就職先としては、やはり建築・建設業界が多くなる傾向があります。

具体的には、設計事務所やゼネコン、住宅メーカー、不動産関連会社、設備関連会社といった方面で活躍するには建築学の知識が必要となるため、就職においては有利になりやすいでしょう。

職種としては、設計士やインテリアコーディネーターインテリアデザイナー、建設施工管理技士といった仕事に就くにあたって、建築学で得た素養が活かせます。

建築士の資格を取得し、建築関連の企業や設計事務所などで経験を積んだのち、自ら設計事務所を開業する人もいます。

また、不動産営業職として住宅の販売や土地の買い上げ、賃貸物件の取り扱いに携わる場合も、建築に関する専門知識が求められますので、建築学で学んだ知識を活かすことができます。

こうした実務に携わるにあたって、宅建の資格も取得して現場で活かすことを目指すケースも多く見られます。

このように、建築物に関わる仕事は裾野が広く、さまざまな活躍のフィールドがあるのが特徴です。

建築学の知識は人生でどう役立つ?

私たちの身の回りには、あらゆるところに建築物があります。

人が暮らしている地域であれば、必ずと言っていいほどさまざまな意匠を凝らした建物が目に飛び込んでくるはずです。

建築学で学んだ素養によって、こうした建築物の設計やデザインに携わった人々がどのようなこだわりを持って作ったものなのかを感じ取ることができるでしょう。

また、建物が建てられたおおよその時代や構造の特徴が分かりますので、災害時などには建物が安全なものであるかどうかを判断できるようになります。

このように、建築物は私たちにとって身近な人工物ですので、建築学の知識があることでそれらの機能性や芸術性を的確に受け止め、知的な楽しみを得ることができるのです。