大学の入学金はいくら? 支払時期と返金問題を解説

(読了時間:5分16秒)

大学入学にあたっての手続きにおいて、重要なものの1つに初年度学費の納入があります。

初年度学費を納入することで、志願者は入学の意思があることを大学側へ伝え、大学側は正式に入学手続きを進めることになります。

この初年度に納入する学費の中には、入学金が含まれています。

大学の入学金は、どのぐらいかかるものなのでしょうか。

また、入学金を納入済の大学への入学を辞退した場合、入学金は返金してもらえるのでしょうか。

大学の「入学金」とは?

入学金とは、大学に入学する際においてのみ納入する費用であり、進級時など入学してから改めて支払うことはありません。

多くの大学が、授業料や諸費用などの学費を前期・後期に分けて納入する形を取っており、これらの費用は前・後期が始まる前に納入する必要があります。

つまり、大学1年の前期のみ、入学金とそれ以外の学費を合算した費用がかかることになります。

大学への入学手続きにおいては、必要書類を提出するとともに初年度学費を納入することで手続き完了となります。

このとき納入する金額には入学金も含まれていますので、実質的に入学金を納入することで入学の意思を表明することになるのです。

入学金は「地位の対価」として支払われる

入学金の本来の意味合いとして、入学金が納入された時点から大学側はその学生を受け入れる準備を進める義務を負うことになり、学生側は入学する権利を得たことになります。

このように、入学金はその大学に入学し在籍できるという「地位の対価」として支払われるものと言えます。

実際にその大学へ入学し在籍するかどうかはともかく、少なくともその時点においては入学手続きを進めてもらいたい旨を大学側へ伝え、在籍する権利を得たいという意思表示をしたことになるわけです。

これが入学金を支払うことの意義であり、本来の意味合いです。

授業料など他の学費と入学金との違い

初年度に納入する学費には、入学金以外にも授業料や諸費用など、さまざまなものがあります。

入学金以外の費用に関しては、基本的に何に使われるのかが明確になっています。

授業料であれば授業を受けることへの対価として支払いますし、設備費や諸費用であれば大学の施設や備品を維持するために使われることが分かります。

ところが「入学金」だけは、用途が明示されていません。

実際には、前述したような入学手続きに伴う事務処理など、さまざまな費用が発生することから、入学金はこれらの対価として支払われています。

ただし、意味合いとしては「入学する意思表示」であり、他の学費とは根本的に異なる性質のものであることを理解しておく必要があります。

入学金の支払い時期

入学金は前期学費と同時に納入することになります。

時期としては合格発表後、1週間から2週間以内であることがほとんどです。

推薦入試で合格した場合は一般入試の出願受付前に納入することになり、私立大学の場合は国公立大学の合格発表前に納入しなくてはなりません。

たとえば、国立大学の滑り止めとして受験した私立大学に合格した場合、国立大の合格発表まで待って私立大へ入学金を納入するかどうかを決めることはできません。

第一志望校の国立大の合否に関わらず、合格した私立大学へ入学する権利だけは得ておく必要があります。

この場合、第一志望の国立大に合格したとすれば、私立大は辞退することになりますが、この時点で入学金はすでに振り込んだ後ということになるのです。

大学の入学金はいくらかかるのか?

大学の入学金が授業料など他の学費とは異なる性質を持つものであり、入学する権利を持っておくために納入することについて見てきました。

このことを押さえておくことで、大学への入学を辞退するということは入学金をムダにするのと同じことだと理解できるはずです。

では、具体的に入学金はいくらかかるものなのでしょうか。

さらに、気になる点として、納付済の入学金を返金してもらうことは可能なのでしょうか。

これらの点について詳しく見ていきましょう。

国公立大学の入学金の目安

国立大学の入学金は、文科省が282,000円を標準額として提示しています。

ほとんどの大学はこの入学金となりますが、夜間学科の場合は半額となっていたり、美術大学など一部の例外ではこれよりもやや高い入学金の額を定めている大学もあります。

また、公立大学の場合は県外からの入学者と県内の入学者とで入学金に差を付けていることもあります。

このように、一部例外はあるとしても、国公立大学の入学金は大学ごとに大きなばらつきはないと考えていいでしょう。

私立大学の入学金の目安

私立大学の場合は、大学ごとに独自の入学金を定めています。

最も多いのは10万円〜30万円程度までの範囲に収まるケースです。

ただし、医学部歯学部といった学部においては、入学金が100万円〜200万円台と高額になることもめずらしくありません。

私立大学の場合は大学や学部によって入学金にばらつきがあり、高額になるケースもあることを理解しておく必要があります。

大学入学を辞退したら入学金は返金される?

大学入学の意思表示として納入する入学金ですが、ここで1つ疑問が湧きます。

もし入学金を納入した後で入学を辞退した場合、入学金は返金されるのでしょうか。

辞退するということは入学しないということですから、通いもしない大学に入学金を納めたまま返金されないというのは、理不尽な話のようにも思えます。

入学を辞退した場合、すでに納入した入学金や授業料はどうなるのでしょうか。

入学金は納付したら返金されない

入学金については、どの大学も「いちど納入したら返金されることはない」と考えましょう。

なぜなら、前で述べたように入学金は「この大学に入学します」と意思表示をする意味で納入するものであり、納入された時点から大学側は学生を受け入れる準備を進める義務を負うからです。

その後、学生側の都合で入学を辞退したとしても、その日までに入学に向けた事務手続きなど、準備が進んでいることになります。

したがって、入学することを前提とした諸手続への対価として入学金は支払われているのであり、たとえ入学を辞退したとしても返金されることはないのです。

前納する授業料や諸費用は返金される可能性あり

一方、入学金以外の授業料や諸費用については、辞退することで返金される可能性があります。

これらの費用は、受けるはずだった授業や利用するはずだった大学施設のためにかかる費用です。

したがって、入学すること自体がなくなり、授業を受けることもなければ施設を利用することもないと確定した時点で、払い戻してもらう合理的な理由があるのです。

ただし、実際に納入済の授業料などの学費を返金するかどうかは、大学ごとに独自の規定を設けていますので、よく確認しておく必要があります。

このように、「入学金は返金される可能性なし」「入学金以外は返金される可能性もある」と整理して覚えておくようにしましょう。

併願パターンによっては辞退orキープの判断に迷う場合も

入学金を含めた学費の前納は、複数の大学を併願する受験生をできるだけ自校に留めておきたい大学側の思惑の表れとも言えます。

すでに学費を納入済ともなれば、受験生と保護者にとってその大学を辞退する上でのハードルとなるからです。

とくに併願校として第二志望以下の大学に合格した場合、第一志望の合否結果が確定するまでの間、滑り止めを辞退してしまうか、入学金など前期学費を納入してキープしておくべきか、判断に迷うケースもあるはずです。

併願する際には、どの大学まで入学意思があるのかを事前に整理しておくことが大切です。

大学の入学金は、その意味合いを理解しておくことが重要な学費です。

いちど納入したら返金されませんので、併願校に入学金を納入するか、辞退するかの判断は極めて難しいものになるケースも考えられます。

志望する各大学の入学金についてよく調べ、納入金額や支払時期について把握しておくようにしましょう。