クレジットカード業界(読了時間:10分56秒)

クレジットカード業界とは

クレジットカード業界とは、文字通りクレジットカードの発行や管理をおこなっており、金融業に属する業界です。

国内でのクレジットカード普及率は大人1人あたり約3枚とされ、利用金額や利用枚数も増加のため、成長中の業界と考えられています。

成長の背景には、電子マネー決済の普及などによるキャッシュレス化の波が国内できていることもあるでしょう。

上記のように成長中の業界であるため、福利厚生が充実しており、女性などにも人気の業界となっています。

実際、平均年収の上位5位までは確認してみると、すべて600万円以上の平均年収になっていますし、社宅や独身寮などの福利厚生も充実している傾向にあります。

業界全体の雰囲気としては、金融業に属しますが、広告代理店やマスコミとの打ち合わせやキャンペーンなどが多く、銀行などと比べると硬いイメージはありません。

一方で、イオンフィナンシャルサービスのように、平均勤続年数が10年を切っている企業もあり、転職が活発な業界であることも伺えます。

職種としては、営業や商品開発、信用調査などがありますが、まずはビジネスモデルや社会での役割など業界の概要について紹介していきますので、理解を深めていきましょう。

クレジットカード業界の役割

クレジットカード業界の役割は、カード会社と加盟店舗、クレジットカードユーザーのすべてをWin-Winの関係でつなぐことです。

具体的なメリットは、以下のとおりです。

<カード会社のメリット>
手数料と年会費収入で新たな既存サービスを整備し、新規サービスを展開する

<加盟店舗のメリット>
顧客の利用金額と販売機会の増加(高額商品を購入してもらいやすくなるなど)

<クレジットカードユーザーのメリット>
ポイントや特典が獲得でき、現金の管理などからの解放

上記のWin-Winの関係を維持、強化することによって、お金の動きを活発にさせ、経済活動に寄与することが、クレジットカード業界の社会的な役割だといえます。

もちろん、お金の動きを活発にさせるためには、企業の担当者やお客さんといった人と信頼関係を気づかないといけません。

したがって、単純にお金を回すということだけに留まらず、本質的には加盟店舗やクレジットカードユーザーとの信頼関係の構築も業界が果たしている役割の1つです。

クレジットカード業界の企業の種類とビジネスモデル

クレジットカード業界は、企業の種類分けがされていますので、まず以下の分類を覚えておきましょう。

・信販系
・銀行系
・流通系

それぞれの特徴も抑えていきましょう。

信販系のクレジットカード企業

お金を貸したり、立て替えたりといった信用供与を事業にしている信販会社が、クレジットカード事業を運営しているケースは多く、メイン事業であることも多々あります。

ちなみに発行しているクレジットカードは、銀行系などとは異なり、食事代金の支払いや買い物代金の分割払いなど、クレジットカード本来の機能に集中している傾向にあります。

信販系のクレジットカード企業として有名な企業は以下のとおりです。

・株式会社セディナ
・株式会社オリエントコーポレーション
・株式会社ジャックス
・ライフカード株式会社
・楽天カード株式会社

銀行系のクレジットカード企業

銀行系のクレジットカード企業は、文字通り銀行を事業としている企業の小会社のことです。

銀行そのものがクレジットカード事業を運営していることも多々あります。

いわゆるキャッシュカード一体型のクレジットカードを発行していることが多く、利便性から根強い人気があります。

ちなみに、外資系のアメリカン・エキスプレスなども銀行系のクレジットカード企業です。

他の銀行系の代表的なクレジットカード企業は以下のとおりです。

・三井住友カード株式会社
・三菱UFJカード株式会社
・株式会社ジェーシービー
・りそなカード株式会社
・ソニー銀行株式会社

流通系のクレジットカード企業

流通系のクレジットカード企業には、小売などの流通事業を運営する企業の小会社などが該当します。

流通を事業にしているだけあって、大手スーパーやネットショップなどでよく買い物をしていると、おすすめされることの多いクレジットカードを発行しているのが特徴です。

代表的な企業は以下のとおりです。

・株式会社クレディセゾン
・イオンクレジットサービス株式会社
・株式会社エポスカード
・株式会社セブン・カードサービス
・高島屋クレジット株式会社

クレジットカード業界の職種

営業

クレジットカード業界でメインとなる職種が営業です。

カード会員や加盟店の開拓などをおこないますが、海外市場の専門職やコールセンターなど、細分化されています。

中でも、クレジットカード申込み者の新規募集のためにイベントなどを打つイシュアー業務と、カード加盟店の開拓とフォローをおこなうアクワイアラー業務はクレジットカード業界特有の職種です。

信用調査

信用調査もクレジットカード業界特有の職種です。

職務内容としては、新規カード申込み者の与信審査をすることであり、個人信用情報センターや企業独自のデータベースと発行の可否を決めていきます。

また、ゴールドカードやプラチナカードへのアップグレードやクレジッドカードの利用限度額の決定も担当している職種です。

商品開発

商品開発の職種は、マーケティングや営業戦略などの業務を担当しています。

具体的には、競合他社との差別化するための企画やサービスを考えたり、昨今推進されているキャッシュレス化にともなうシステムを考案したりしています。

大企業になると、海外事業部や地域別で担当を分けている場合も多々あります。

システム管理

クレジッドカード業界があつかう情報は重要な個人情報となるため、決済システムやセキュリティの保守が非常に重要視されています。

実際、トラブルやハッキングによる情報漏えいを引き起こすと、クレジットカード業界の企業として信用を失ってしまい、事業継続に影響が出てくるのです。

また、各部門の業務支援用のシステムの開発や運用も担当している場合があります。

クレジットカード業界のやりがい・魅力

クレジットカード業界のやりがい

カード会員や提携店舗とのコミュニケーションをとりながら課題を解決し、サービスを実現していくのがクレジットカード業界の役割です。

サービスを実現するには、たくさんのハードルがある分、達成感は大きなものとなります。

また、変化の早い業界である分、新しいものを積極的に取り入れる必要があるため、時代の最先端を走るビジネスに携わっているやりがいを感じられることでしょう。

クレジットカード業界の待遇

冒頭でもご紹介しましたが、クレジットカード業界の待遇は比較的高いものです。

ビジネスモデルの特徴から、新規会員数や提携店舗を増やすのがノルマとして機能しやすく、賞与や旅行といったインセンティブにも期待できるのが、うれしいポイントになっています。

将来性への期待

クレジットカード業界は成長中であるため、将来性には期待できます。

政府としてもキャッシュレス化に力を入れているので後押しもあり、海外に比べるとクレジットカード決済の比率はまだまだ低いことを考えると、潜在的な成長の余地もあるのです。

一方で、メガバンクを中心とした再編成が進んでいますので、職務内容と同様に職場の変化にも対応しなければいけないケースも出てき得ることも覚えておいてください。

クレジットカード業界の雰囲気

金融系の業界の1つですので、どちらかというと落ち着いており、やや硬い雰囲気の企業が多いといわれています。

もちろん国内企業か外資系企業かによっても雰囲気は変わってきますし、クレジットカード以外の事業として、何をしているかによっても大きく変わってきます。

たとえば、銀行系のクレジットカード企業だと、より落ち着いた社風になりやすいですし、流通系ならイベントや企画に積極的で、柔らかい傾向にあることも多いでしょう。

一方で、クレジットカードは基本的なサービスに大きな差はないので、時流にそった差別化がとても重要になる業界です。

したがって、はたらく人はチャレンジ精神にあふれ、ハードルを次から次へと乗り越えていける人が多く、落ち着いていながらも主体性が求められる雰囲気があります。

クレジットカード業界に就職するには

就職の状況

クレジットカード業界は、職種の細分化が進んでおり、希望する企業と職種が理想通りにいかないことも多いです。

再編が進んでいますが、業界全体としては成長していますので、営業などのメインとなる職種を希望するなら、受ける企業の数に困ることはないでしょう。

ただし、同じ金融業である銀行や証券会社などと比べると採用人数は少なく、就活生からの人気も高いことも考えると、激戦になることも覚悟しておくべきです。

そうなると、有利な学部などが気になることでしょう。

そこで、次からはクレジットカードの就職に有利な学部などをみていきましょう。

就職に有利な学歴・大学学部

職種が細分化されていますので、有利な学部は一概にはいえませんが、以下の知識が役に立つ可能性は高いでしょう。

<数学や情報工学>
サービスや付加価値の設計などに役立つ

<金融と経済>
市場調査やマーケティング、財務などに役立つ

<法律と語学>
国際的ないビジネス展開や法務の担当に役立つ

また、他の業界と同じく総合職に就きたいならば、基本的には大卒以上の学歴が必要となります。

修士卒以上が優遇されるケースは珍しいといえますが、専門性の高い職種に就きたいならば、アピールできる専門知識があった方が有利なのはたしかです。

就職の志望動機で多いものは

クレジットカード業界は、明確なサービスや商品を売るわけではなく、関わる人みんながWin-Winになる仕組みを作るのが役割であり、大きな特徴です。

したがって、上記の役割に共感し、ビジネスモデルに携わりたいという志望動機が多い傾向にあります。

また、競合他社との差別化が重要で、変化が早い業界ですから、冷静に収益が上がるかを考えつつもチャレンジ精神をもって仕事をした人に向いている業界です。

過去に困難を乗り越えながら、なにか新しいことを成しとげた経験があれば、ぜひともクレジットカード業界の仕事内容と結びつけて志望動機にしたいところです。

もちろん企業研究をして、なぜその会社を志望するのかを、他に運営している事業内容やクレジットカードのサービスなどから説明するのは、鉄板のパターンとなります。

クレジットカード業界の転職状況

転職の状況

すでにご紹介したとおり、クレジットカード業界の勤続年数は比較的短く、中途採用を行っている企業は少なくありません。

同じクレジットカード業界や金融業界からの転職者が多い傾向にありますが、技術革新に対応するために、IT業界などからのスキルも需要があります。

また、海外での新規カード会員や加盟店を増やす事業も盛んにおこなわれていますから、高い外国語のスキルも評価してもらえるケースが出てくるでしょう。

転職の志望動機で多いものは

就職時の志望動機と同様に、やはりクレジットカード業界の関わる人全員にWin-Winをもたらすというミッションにそった志望動機が多いようです。

金融業界からの転職が多い傾向にありますが、応募できる職種は細分化されており、仕事内容とスキルセットが合致していれば、チャンスはあります。

入念な企業研究とスキルセットの棚卸しをして、ぜひ挑戦してみてください。

転職で募集が多い職種

クレジットカード業界で募集が多い職種は、営業職が基本となります。

システムや与信に関わる職種と比べると、明確なスキルや専門知識が求められない傾向にあると考えられます。

他業界からクレジットカード業界に挑戦したい場合には追い風になりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

どんな経歴やスキルがあると転職しやすいか

クレジットカード業界と近い金融業界での経歴があると、転職しやすいのは間違いありません。

また、学生時代に金融や経済、システムなどの専門知識を築いていると、募集している職種しだいで有利に転職できます。

もちろん、経営企画やマーケティングのポジションなどに応募するなら、同様の職種経験があるのが望ましいです。

クレジットカード業界の有名・人気企業紹介

クレジットカード業界で有名な企業は抑えておくべきですので、特に有名・人気な企業を3つ紹介していきます。

株式会社クレディセゾン

株式会社クレディセゾンは、流通系のカードからスタートした企業ですが、りそな銀行やみずほ銀行と提携するなど、事業拡大に積極的です。

独特のブランド戦略を実施していることで有名で、様々な分野で広い実績を誇る有名企業です。

株式会社クレディセゾン ホームページ

三井住友カード株式会社

国内クレジットカード業界でいち早くブランド戦略をしてきた有名企業です。

鉄道やインフラ関連でも大きなシェアを誇っているため、人気の企業でもあります。

三井住友カード株式会社 ホームページ

株式会社ジェーシービー

自社で国際ブランドを展開する国内唯一の企業です。

海外シェアの拡大に積極的に取り組んでおり、特にアジア市場に注力していますので、周辺国家の言語やコネクションに強みがあるなら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

株式会社ジェーシービー ホームページ

クレジットカード業界の現状と課題・今後の展望

競争環境(国内・国外)

国内外ともにクレジットカードの機能に大きな差をもたせられないので、ポイントや特典での差別化やシェア争いが続いていくでしょう。

実際、強力な顧客基盤を持つ他業界からの新規参入リスクが今後もあり得ますので、競争的な環境は今後も続く可能性が濃厚です。

逆にいうとクリエイティブな仕事が求められ、能力を発揮する機会も与えられると考えられますので、競争環境を楽しめることが、適性を測るポイントだとも考えられるでしょう。

最新の動向

政府として、キャッスレス化に力を入れている背景があり、国内でもスマートフォンによるQRコード決済の普及などが代表的な動向です。

一方でクレジットカードの利用率自体が、海外に比べるとまだまだ低い水準にあります。

クレジットカードを利用した方が、楽でお得というイメージの定着をさせていくのが、業界全体で取り組んでいくべき課題だといえるでしょう。

業界としての将来性

先に紹介したクレジットカードの利用率の低さを考えると国内における成長の余地は残されているといえます。

実際、利用金額と件数は年々増えている傾向にありますので成長業界といえるでしょう。

また、訪日外国人の増加による提携店舗も増えてきていますから、政府の後押しも活用して、ますますの発展が望める可能性がある業界です。

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