アルバイトと正社員の違いまとめ【生涯年収は2億円の差】

「アルバイトと正社員なら正社員のほうがお給料がよさそうだけど、ほかに違いはあるの?」

アルバイトと正社員は給料以外にも、雇用期間や仕事への責任の重さなどの違いがあります。

一方で、条件を満たせば正社員と同じく有給休暇を取得できたり、社会保険に加入できることは法律で決められています。

この記事では、アルバイトで働く人が知っておきたい正社員との違いをまとめています。





アルバイトと正社員の違いは?【給料以外にも違いは色々ある】


アルバイトと正社員は、給料以外にも違いがたくさんあります。

次の3つの違いを紹介していきます。

アルバイトと正社員の違い3つ
  1. 給料
  2. 雇用期間
  3. 仕事への責任

アルバイトと正社員の違い1.給料の違い

多くの人がアルバイトと正社員の違いとして思いつくのが給料の違いではないでしょうか。

実際にどのくらい違うのか、なぜ違いが生まれるのか解説します。

生涯年収の差は2億円

アルバイトと正社員の生涯賃金の差は約2億円です。

生涯賃金

  • アルバイト:約6,000万円
  • 正社員:約2億6,000万円

※大学卒の男性が22歳~60歳まで働いた場合(退職金は含めない)
独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル統計2019」より

さらに、アルバイトには退職金がありませんが、正社員には退職金の制度がある会社が多いことや、住宅手当や家族手当などの福利厚生も整っている傾向にあるので、実質の差は2億円以上ある
といえます。

大学卒の初任給の平均は約20万円、アルバイトの平均時給は1,127円(2019年12月)。

アルバイトで正社員並みに働いたとすると、月収は1,127円×8時間×20日=180,320円で、社会保険料や所得税を考えるとアルバイトのほうが手取りが多いと感じるかもしれません。

しかし、生涯賃金では2億円もの差がつくのです。なぜなのでしょうか。

アルバイトと正社員の給料の差はなぜ?

正社員は定期昇給で勤務年数が伸びるごとにだんだん賃金が上がっていきます。一方でアルバイトの時給は基本的に変わりません。

また、アルバイトは賞与(ボーナス)がないことも多いですが、正社員なら会社の業績に応じて賞与を受け取れるのが一般的です。

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると2019年の年末賞与平均は約39万円、単純計算で年間平均で約80万円のボーナスを正社員は受け取れることになります。

さらに、多くの企業で正社員には退職金厚生年金の制度を設けているので、実際のアルバイトと正社員との生涯賃金の差は2億円以上あるでしょう。

また、正社員は月給制ですが、アルバイトは働いた分だけお金を受け取る時給制が一般的。アルバイトは休んだ分だけ給料が減ってしまいます。

アルバイトと正社員の違い2.雇用期間・勤務時間の違い

アルバイトと正社員は雇用期間が違います。

  • アルバイト:有期雇用が一般的。短期間の雇用が前提
  • 正社員:無期雇用。雇用期間の定めがない

アルバイトは短期間の雇用が前提の「有期雇用」で、経営状態が悪化すれば契約が更新されずにクビになってしまいます。

一方で正社員は雇用期間が決まっていないので、安定して働くことができます。

また、アルバイトはシフト制で勤務時間を比較的自由に選べますが、正社員は毎日決まった時間に働く点も違いがあります。

アルバイトと正社員の違い3.責任の違い

アルバイトと正社員がまったく同じ仕事内容、ということはほぼありません。

正社員に方が仕事への責任が重く、任される範囲も広いことが多いです。
その分が給料に反映されて正社員の方が給料が高いのです。
アルバイトは自由に働く時間が選べたり残業が基本的になかったりと責任が重くないからこそのメリットがあります。

一方で、任される仕事へのやりがいが感じにくいというデメリットもあります。

アルバイトと正社員のメリットデメリット

アルバイトと正社員の違いを見てきました。

一般的には、正社員のほうが雇用が打ち切られず、収入もだんだん上がっていくので安定して働けます。

一方で、正社員には残業や転勤などがあり、自由に働き方を選べないというデメリットもあります。

アルバイトは、雇用や収入が不安定な反面、働く時間や日数を自由にコントロールできるメリットがあるといえます。

アルバイトの有給・社会保険・税金は正社員と違う?

アルバイトも条件を満たせば、有給休暇を取得できますし、社会保険にも入れます。

一方で、税金の納付義務も発生します。扶養に入ったまま働きたい人は、働きすぎで損をしてしまうことも。

ここからは、アルバイトで働くなら知っておきたい有給休暇・社会保険・税金についてわかりやすく解説します。

アルバイト・正社員関係なく有給休暇はとれる

実は、アルバイトと正社員が勤務時間が同じなら法律上は取得できる有給休暇の日数は同じです。

有給休暇を与えるのは会社の義務で法律で決まっています。次の2点を満たしたら、アルバイト・正社員関係なく有給が付与されます。

有給休暇付与の条件
  • 6か月以上勤務している
  • 出勤日の8割以上出勤している

付与される日数は、働いた期間と週の勤務日数によって決まっています。

通常勤務の人の有給休暇日数

勤続期間 6か月 1年半 2年半 3年半 4年半 5年半 6年半以上
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

勤務が週4日以下かつ週30時間未満の人の有給休暇日数

継続勤務期間
週所定労働日数 1年間の所定労働日数 6か月 1年半 2年半 3年半 4年半 5年半 6年半以上
4日 169~216日 7 8 9 10 12 13 15
3日 121~168日 5 6 6 8 9 10 11
2日 73~120日 3 4 4 5 6 6 7
1日 48~72日 1 2 2 2 3 3 3

厚生労働省「年次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」より作成

2019年以降は、有給休暇を10日以上付与されている人は、5日以上の取得が義務になりました。

アルバイトの有給休暇について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。

アルバイトが有給休暇はいつから何日もらえる? 取得が義務化されたって本当?

社会保険は条件を満たせば加入は義務

正社員は基本的に社会保険に加入させることが企業の義務です。そして条件を満たせばアルバイトも社会保険に加入できます。

そもそも社会保険とは?

社会保険とは以下の5つの総称です。

社会保険

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

このうち、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の3つを「社会保険」「雇用保険」「労災保険」の2つを「労働保険」と言いますが、5つをまとめて「社会保険」と呼ぶことも多いです。混乱しないようにしましょう。

アルバイトも社会保険に入れるの?

条件を満たした場合、アルバイトも社会保険に加入することが義務になっています。「条件を満たしてるけど加入しない」と選択することはできません。

労災保険は、アルバイト・正社員問わず必ず加入することが義務付けられていて、全額を雇用主が負担しています。

雇用保険の加入条件は次の通りです。

雇用保険加入の条件

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用見込み

そして、アルバイトが以下の1もしくは2をすべて満たした場合、社会保険に加入する義務があります。

社会保険の加入条件

1.以下をすべて満たした場合

  • 強制適用事業所であること(法人もしくは従業員5人以上の個人事業所)
  • 所定労働時間が正社員の4分の3以上であること
  • 勤務期間が2か月を超えること

2.以下をすべて満たした場合

  • 20時間/週以上の所定労働時間であること
  • 8.8万円/月以上の賃金であること
  • 雇用期間の見込みが1年以上であること
  • 学生ではないこと
  • 従業員数501人以上もしくは社会保険加入が労使で合意されている会社であること

社会保険料は収入の約15%と大きい金額。社会保険に加入しない条件で働きたい、学生や主婦なので扶養に入ったままアルバイトで働きたいという人は気をつけましょう。

アルバイトの社会保険や税金については以下の記事で詳しく書いています。

アルバイトの社会保険加入条件は?【入りたくないならこうすべき】

アルバイトも納税義務がある

アルバイトの年収が100万円を超えると納税義務が発生します。また、年収130万円を超えると扶養から外れて自分で社会保険料を払うことになります。

【バイトの税金・扶養の年収の壁】

アルバイト 税金 所得税 扶養 社会保険
厚生労働省「働き方の多様化に伴う 被用者保険制度の課題」より作成

「103万円の壁」「130万円の壁」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。アルバイトで1月1日~12月31日に稼いだ金額が基準です。

バイトの年収の壁

  • 年収100万円の壁:住民税が発生
  • 年収103万円の壁:所得税が発生・学生は親の扶養から外れる
  • 年収106万円の壁:会社によっては社会保険加入義務あり
  • 年収130万円の壁:社会保険の扶養から外れる
  • 年収150万円の壁:150万円を超えると配偶者特別控除が減る
  • 年収201万円の壁:配偶者特別控除がゼロに

税金を納めない範囲でアルバイトをしたい、という人は年収100万円、月収8万円前後を目安にしましょう。

税金や扶養について詳しく知りたい人は以下の記事で確認してください。

バイトも税金がかかる?所得税はいくらから?【学生・主婦向け】
パートとアルバイトの違いは? 法律や社会保険・扶養に違いがある?

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アルバイトで働きたい!志望動機の考え方と面接の服装は?

アルバイトで働きたい!という人向けに志望動機の考え方と面接当日のみだしなみの注意点をまとめました。

自分らしいアルバイトの志望動機を書くコツ

ネットに載っている例文そのままだと、自分らしい志望動機じゃないな、と感じる人も多いはずです。

アルバイトの志望動機は、以下の5つから2~3つ組み合わせて書くと、オリジナルで説得力のある志望動機ができあがります。

バイトの志望動機
  1. 仕事内容に興味関心がある
  2. 長く続けられる条件が整っている
  3. お金を稼ぐ明確な目的がある
  4. 自分の経験・長所が生かせる
  5. 将来に役立つスキルを身に着けられる

飲食店でアルバイトをする場合の志望動機の例を見てみましょう。

【飲食店でのアルバイトの志望動機の例】
普段からよくこちらのカフェを利用していて、気持ちの良い接客と美味しいコーヒーにいつも癒されています。(1.仕事のへの興味関心)私もこのお店で接客マナーとコーヒーの知識を深めたいと思い、応募しました。(1.仕事への興味関心と5.スキルを身に着けられる)自宅からも近く、大学生なのでシフトの融通も利きやすいです。(2.長く続けられる条件)飲食店でのアルバイトは初めてですが、憧れのカフェでのバイトができるようになったら一生懸命頑張ります。(締めの言葉)

志望動機についてもっとくわしく知りたい方は以下の記事も読んでみてください。例文も多数掲載しています。
バイトの志望動機の例文と簡単に自分らしい志望動機を書く方法

アルバイトの面接の服装はスーツじゃなくてもOKです

アルバイトの面接は、アルバイト先に合った清潔感のある服装で行きましょう。

以下は男女別にアルバイトの面接の服装についてまとめた図です。

バイト 面接 服装 男性

バイト 面接 服装 女性

以下の記事では、面接の服装についてトップスやボトム、靴などアイテム別にまとめています。
バイトの面接の服装は? アイテム別に具体的に解説

アルバイトと正社員の違い|まとめ

アルバイトと正社員の違いについて紹介しました。

この記事のポイントは以下の通りです。

アルバイトと正社員の違いまとめ
  • 生涯賃金の差は約2億円
  • アルバイトは雇用・収入が不安定だが自由な働き方ができる
  • アルバイトも条件を満たせば有給・社会保険・税金が発生する

アルバイトは安定した収入が得にくいですが、プライベートを充実させたい、自由度の高い働き方をしたいという人には向いています。

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