バイトの社会保険加入条件は?【入りたくないならこうすべき】

「アルバイトで社会保険に入りたくない」「アルバイトの社会保険加入条件を詳しく知りたい」という方向けに、アルバイトの人が知っておきたい社会保険に関する情報をまとめました。

社会保険料は収入の約15%で、金額的な負担は少なくありません。

また、社会保険加入条件を満たすと、本人の意思に関わらず加入が義務になっています。

扶養の範囲でバイトをしたい、と考えている方は社会保険の扶養から外れるだけでなく、親や配偶者の税金が高くなり、想定以上に世帯の手取りが減ることもあります。

社会保険の知識を身に着けることで、損せずに安心して働くことができます。

アルバイトをしている方は是非1度読んでおいてください。





バイトの社会保険加入条件は?社会保険とは?

社会保険で引かれる金額はどれくらい?
社会保険加入条件は以下の通りです。

以下の1もしくは2をを満たした場合には、アルバイト・正社員の関係なく社会保険加入が義務になっています。

社会保険加入の条件

1.以下をすべて満たした場合

  • 強制適用事業所であること(法人もしくは従業員5人以上の個人事業所)
  • 所定労働時間が正社員の4分の3以上であること
  • 勤務期間が2か月を超えること

2.以下をすべて満たした場合

  • 20時間/週以上の所定労働時間であること
  • 8.8万円/月以上の賃金であること
  • 雇用期間呑み込みが1年以上であること
  • 学生ではないこと
  • 従業員数501人以上もしくは社会保険加入が労使で合意されている会社であること

平成29年度(2017年)にアルバイト・パートの条件が変更され、より多くの人が社会保険加入条件に当てはまるようになりました。

詳しくは、政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ社会保険の加入対象が広がっています。」に掲載されています。

夫や親の扶養に入るかどうかを判断する年収130万円を超えていなくても、上記に当てはまる場合には社会保険加入は義務になっているので注意が必要です。

以下では、そもそも社会保険とは何かについて解説します。

社会保険とは

社会保険とは、以下の5つからできています。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

このうち、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の3つを「社会保険」、「雇用保険」「労災保険」の2つを「労働保険」と言いますが、5つをまとめて「社会保険」と呼んでいます。

つまり、社会保険とは5つを指す場合と3つを指す場合があるので、混乱しないようにしましょう。

以下では「社会保険」「労働保険」に分けて解説します。

社会保険

社会保険
  • 健康保険:病院で払う治療費の本人負担が3割になる他、病気や出産のときに手当を受け取れる
  • 介護保険:介護が必要になると給付を受けるための保険。40歳以上になると健康保険と一緒に徴収
  • 厚生年金保険:国民年金に上乗せして将来に備える

上記3つの社会保険は3つセットで加入する必要があるので、「厚生年金保険のみ加入したい」といったことはできません。

上記の社会保険は会社と労働者が半額ずつ保険料を負担するので、給与から差し引かれる額の2倍が掛け金になっています。

社会保険料の本人負担額は収入の約15%でかなり大きいので、扶養の範囲で働きたいと考える人も多いです。

労働保険

労働保険
  • 雇用保険:失業した際等に給付を受けたり職業訓練を受けたりできる
  • 労災保険:通勤・勤務中の病気やケガに備える。全額会社負担で全員加入

労災保険は、アルバイト・正社員を問わず全員が加入することになっており、本人の保険料負担はありません

一方、雇用保険は以下の条件を満たした場合に加入が義務です。

雇用保険加入の条件

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用見込み

雇用保険は失業した際に失業給付を受けられるメリットがあり、本人負担額は収入の0.3%、会社負担は0.6%と非常に低いです。

例えば、1か月20万円の収入なら、600円が本人負担、1,200円が会社負担となります。

社会保険(健康保険他)には加入せずに労働保険にのみ加入したい場合は以下を満たせばよいことになります。

社会保険に加入せず労働保険に加入するには

  • 1週間の所定労働時間20時間以上かつ正社員の労働時間の4分の3
  • 31日以上の雇用見込み

社会保険加入の条件

社会保険とは何か、について解説してたことを踏まえて、社会保険加入の条件についてまとめます。

労災保険は、条件に関わらずアルバイトは全員が加入しています。

雇用保険加入の条件は以下の通りです。

雇用保険加入の条件

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用見込み

以下で述べる社会保険に加入せず、労災保険と雇用保険のみ加入することは可能です。

一方、社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)に加入する条件は以下の通りです。

以下の1もしくは2をを満たした場合には、アルバイト・正社員の関係なく社会保険加入が義務になっています。

社会保険加入の条件

1.以下をすべて満たした場合

  • 強制適用事業所であること(法人もしくは従業員5人以上の個人事業所)
  • 所定労働時間が正社員の4分の3以上であること
  • 勤務期間が2か月を超えること

2.以下をすべて満たした場合

  • 20時間/週以上の所定労働時間であること
  • 8.8万円/月以上の賃金であること
  • 雇用期間呑み込みが1年以上であること
  • 学生ではないこと
  • 従業員数501人以上もしくは社会保険加入が労使で合意されている会社であること

社会保険の加入条件を満たすと自動的に労働保険にも加入することになります。

バイトで社会保険に入りたくないなら

アルバイトをしている人で、「社会保険料を払わずに働きたい」「親や配偶者の扶養に入っているから自分で社会保険料を負担したくない」と考えている人向けにどのような条件で働けばよいのか解説します。

社会保険に入りたくない人はこう働く

「社会保険に加入しないこと」と「扶養から外れないこと」は条件が異なるので注意が必要です。

アルバイト先で社会保険に入りたくない人は先に述べた、「社会保険加入の条件」を満たさなければ大丈夫です。

例えば、所定労働時間が正社員の4分の3以下で働く、2か月以上の雇用契約は結ばず転々と職場を変える、などです。

一般的な会社は正社員は8時間/日、20日/月が所定労働時間なので、以下のようにアルバイトのシフトを入れると社会保険加入条件から外れます。

社会保険加入条件から外れるアルバイトの働き方

  • 所定労働時間が6時間未満/日
  • 所定労働日数が15日未満/月

一方で、社会保険の扶養から外れずにアルバイトをしたいという人は「年収130万円」を超えないことが必要です。

一般的に「130万円の壁」と呼ばれるもので、配偶者や親の社会保険から外れるのが年収130万円以上稼いだ時です。

配偶者や親の勤務先によって、社会保険の扶養の条件に「3ヶ月の平均収入が108,334円未満」など年収130万円に満たなくても扶養から外れる可能性があるので確認しましょう。

アルバイト先で社会保険加入条件を満たさないまま130万円以上稼ぐと、「国民健康保険」「国民年金保険」に加入することになります。

アルバイトの所定労働時間が正社員の
年収 3/4未満 3/4以上
130万円未満 扶養に入れる バイト先の社会保険加入になり 扶養から外れる
130万円以上 扶養には入れない。 自分で国民年金・保険を払う バイト先の社会保険加入になり 扶養から外れる

社会保険に入るメリット・デメリットを理解する

社会保険加入のメリット・デメリット

【社会保険加入のメリット】

  • 年金の受取額が増える
  • 国民健康保険よりも手厚い手当がもらえる
  • 失業した際に手当がもらえる

【社会保険加入のデメリット】

  • 社会保険料を払わなくてはならない
  • 扶養から外れることで世帯の手取りが減ることも

社会保険に加入すると、厚生年金保険料の半額を会社が負担してくれるので掛け金が2倍になり、将来受け取れる年金が増えます。

アルバイト先で社会保険に加入せず、扶養にも入っていない場合は国民健康保険に加入しています。

アルバイト先で健康保険に加入した場合には「傷病手当」「出産手当」などの国民健康保険にはない手当を受け取ることもできます。

雇用保険に加入していれば、バイトを辞めた後にも数か月間の失業手当を受け取れるメリットもあります。

一方で、社会保険料は収入の約15%と金額的な負担は軽くはありません。

扶養から外れると、社会保険料が発生するだけではなく、親や配偶者の税金負担が増えて、世帯で見たら手取りが減ってしまうこともあります。

アルバイトの税金については以下の記事に書いています。

バイトも税金がかかる?所得税はいくらから?【学生・主婦向け】

税金や社会保険料を差し引いても手取りの方が多くなる収入目安は160万円以上です。

「社会保険料が高いから入りたくない」と考えるのではなく、家計全体で見た時に手取りが増えるかという視点で考えましょう。

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バイトの社会保険加入条件は?入りたくないならどうすべき?|まとめ

社会保険の加入条件は、正社員の4分の3以上の所定労働時間であることなど複数の条件があります。

アルバイト先の社会保険に入りたくない人・扶養から外れたくない人は、あらかじめアルバイトをしている会社に伝えておきましょう。

自身で勤務時間や収入を管理してアルバイトのシフトを考えるようにして、「うっかり稼ぎすぎて手取りが減ってしまった」とならないようにしてください。

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