農業に関わる仕事の種類(12選)
そして、健康的でおいしい食を支えてくれているのが「農業」の分野で活躍する人たちです。
本記事では、米や野菜、肉、酪農品など、さまざまな農産物の生産と関わりのある仕事について紹介しています。
現代では農業の担い手が減少している一方、ITと農業の連携など、新たな「農ビジネス」も生まれています。
誰もがよく知っている「農家」さん以外にも、農業に関連する仕事、農業従事者を支える仕事があることがきっとわかるはずです。
ぜひ、農業に関する仕事の理解を深めていくのに役立ててください。
農畜産物を育てる仕事
まずは、農業の代表的な職業となる、さまざまな農畜産物を育てる仕事について紹介します。
「農家」は、野菜や果物をはじめ、米・穀物・花・茶などの農作物を育て、収穫し、出荷する人のことです。
育てる作物にふさわしい土づくりを行い、必要に応じて肥料をやったり害虫駆除をしたりしながら、より質の高い作物が獲れるようにします。
農家のなかでも、乳を出す動物を専門に扱うのが「酪農家」です。
酪農家は、乳牛を育て、乳をしぼって生乳を生産したり、生乳を加工してバターやチーズなどの乳製品を作ったりします。
乳牛の健康管理や、乳牛のお産の補助も重要な業務の一部です。
「畜産農家」は、牛や豚、羊、鶏などの家畜を飼育または肥育することにより、乳や肉、卵、皮革をとる職業です。
動物の特性を知り、毎日動物たちへの餌やりや体調管理、飼育場の清掃などを行って、とれた乳や肉などを出荷します。
「養蜂家」は、ミツバチを飼育して、花粉を集めさせ、ハチミツや蜜蝋(みつろう)を採取する人のことです。
採取したハチミツはろ過などを行い、製品として売り出せるように加工します。
「ひよこ鑑定士」は、ニワトリのヒナの性別を鑑別する職業です。
専門的な訓練を受け、食用の卵を産むメスと鶏肉になるオスを鑑別することで、養鶏産業を支えています。
農家とは、米・野菜・果物・花などを育てて市場に出荷し、収入を得ることを生業とする人です。 季節や気温に合わせて育てる作物を決め、土づくりや種・苗の植え付け、肥料まき、害虫駆除などを行い、質の高い作物が獲れるようにします。 「無農薬栽培」や「有機栽培」など、こだわった栽培方法で農業に取り組む人や、農作物を使った加工品の製造まで行う人もいます。 もともとは親の跡を継いで就農する人が多い職業でしたが、現代は後継者不足の問題もあり、異業種からの新規就農を支援する制度も整ってきています。 酪農家は、農家のなかでもジャージー種やホルスタイン種などの乳牛を専門に扱い、乳を絞って生乳を生産したり、そこからバターやチーズ品などの乳製品を作ったりする人のことです。 安定的に質の高い生乳を生産し続けるために、乳牛の健康管理や、乳牛のお産の補助も重要な業務の一部です。 また、酪農家の多くは、乳牛が食べる飼料作物(牧草やコーン)の生産も行っています。 栄養価の高い餌を作れるかどうかというところでも、酪農家の手腕が問われます。 農家と同じように、新規就農者が求められている分野です。 畜産農家は、牛・鶏・豚・羊などの家畜を飼育し、肉や卵、乳などを生産する人のことです。 「乳牛」を専門とする「酪農家」も大きく見れば畜産農家の一種といえますが、畜産農家が扱う牛は一般的に「肉牛」と呼ばれます。 育てる動物の特性を深く理解し、適切な飼育環境を整えて、質の高い肉などを出荷できるようにします。 日常業務としては、動物の体調管理、餌やりや畜舎の掃除・消毒、飼料の配合、出荷業務などです。 畜産農家の分野でも、近年は後継者不足の影響もあり、家族経営から企業経営へと経営スタイルが変わってきています。 養蜂家は、ミツバチを飼育し、花粉を集めさせ、ハチミツや蜜蝋(みつろう)を採取する仕事です。 蜜蝋は、天然ワックスとして、口紅やクリーム、ロウソクなどに使われています。 ハチミツをたくさん採取するためには、ミツバチの状態をよく観察し、丁寧に注意深く扱わなくてはなりません。 女王バチを育てたり、産卵やさなぎの様子を確認したり、病害虫を取り除いたりなど、細かな作業が多くあります。 おもに養蜂業者や養蜂園で活躍できる職種です。 ひよこ鑑定士とは、ニワトリのヒナの性別の鑑別をする専門職で、正式名称を「初生雛(しょせいひな)鑑別師」といいます。 メスは将来的に食用の卵を産み、オスは鶏肉として出荷されます。 性別ごとに異なる餌を与える必要があるため、ひよこ鑑定士は養鶏産業にとっては欠かせない存在です。 ひよこ鑑定士になるには、日本で唯一の「初生雛鑑別師養成所」で専門的な訓練を積み、資格を取得しなくてはなりません。 海外でも需要がある職業で、高い技術力のあるひよこ鑑定士は、世界に派遣されて活躍することもあります。農家
酪農家
畜産農家
養蜂家
ひよこ鑑定士
農業で使用する機具や材料を作る仕事
ここでは、農業で使用される機具や材料を作る仕事を紹介します。
「農機具メーカー社員」とは、耕運機、トラクター、田植え機、コンバインなど、さまざまな農機具を製造する企業で働く人のことです。
大規模な農業を効率的に行うには、専用の農機具は欠かせないものです。
また、作物の元となる種や、よい作物を育てるために必要な肥料を作る人の活躍も不可欠です。
「種苗メーカー社員」は、穀物・野菜・草花・牧草・芝草の種子や苗などを生産・販売する企業に勤める人です。
「肥料メーカー社員」は、作物に栄養を与えるための肥料を製造する企業で働く人です。
作物の病気予防や害虫駆除などに使用する農薬、飼料などもあわせて製造する企業もあります。
また、現代の農業分野では、ITを積極的に取り入れようという動きが進んでいます。
たとえば、作物や土の状態をセンサーで計測し、水や肥料やりを自動で行うシステムを作るような「IoTエンジニア」のニーズが高まってきています。
20代で正社員への就職・転職
農業の流通や発展に貢献する仕事
生産された作物は、人の手を介して市場に出回り、消費者によって購入され、食卓に並びます。
ここでは、農業の流通に関わる仕事や、農業の発展に貢献する仕事をいくつか紹介します。
「食品スーパー社員」は、さまざまな食品を取り扱う小売業者の一種であるスーパーマーケットで働く人のことです。
一般的には市場で仕入れた野菜や果物などが並べられますが、スーパーによっては生産者(農家など)と直接契約をし、より鮮度の高い作物を販売する「直売所」が併設されています。
続いて「観光農園」は、農作物の収穫体験など、一般の人々が簡単な農作業を体験できる観光施設を運営する農園のことです。
世の中の人たちに、農業の楽しさや魅力を伝える役割も担っています。
「農業コンサルタント」は、農業を営む農家や農業法人に対し、「経営」や「ビジネス」的な側面から、事業を発展させていくためのアドバイスやサポートをする人のことです。
農業の新しいあり方を模索していきたいと考えている農家にとって、頼もしいパートナーとなります。
この記事のまとめ
農業は、いつの時代も人々の暮らしを支えている業種ですが、とくに農畜産物を育てる仕事は人手不足が進んでいるのが現実です。
こうしたなか、昨今では、農業に興味をもつ若者がスムーズに就農できるような支援・サポート体制が国や自治体で進められています。
また、科学技術の発展によって、新しい農業用資材の開発やITの活用、異業種との連携も進みつつあるのが、現在の農業業界です。
今後もさまざまな変化が予測されるため、動向にはぜひ注目したいところです。
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