50代の転職は可能なのか?決して簡単ではありませんし、ほかの年代よりも難易度は上がりますが、転職に成功している人は一定数います。

厚生労働省の調査によれば、50代で転職した人のうち、年収が下がる人は約4割、上がる人は約3割となっています。また、約7割の人が転職に6か月以上かけています。

年収が減る可能性がある、長期間の転職活動が必要になるのが50代の転職ならではといえます。

統計からわかる、50代の転職の実態と、転職成功のポイントをまとめました。

50代の転職、実際のところ可能なのか?【統計データ】

50代の転職は現実的に可能なのか。

20代、30代がもっとも転職しやすく、50代の転職はほかの年代に比べると厳しいのが現状です。

しかし、転職を成功させて、年収が上がった人もいます。

統計データから50代の転職の実際のところを紹介します。

50代の転職割合と正社員の雇用割合

20代転職 比率 転職率

厚生労働省「2019年雇用動向調査」より作成

厚生労働省が毎年発表している雇用動向調査からは、転職して仕事に就いた人の割合が年代別にわかります。

上記のグラフからは、50代前半の男性は6.3%、女性は10.4%、50代後半の男性は5.3%、女性は9.4%が、転職して仕事に就いていること、40代とそれほど転職した人の割合が変わらないことが読み取れます。

60代になると、定年後に再雇用・転職する人が多く転職入職率が急激に上がります。

50代の転職が厳しいといわれる理由は大きく3つ。

✅ 50代の転職の難易度が高い理由

  • 定年までの期間が短い
  • 若手よりも高い年収を払う必要がある
  • 募集人数が少ない

50代は定年までの期間が短く、年齢・経験に応じた年収を払う必要があるために20代・30代の若手よりも人件費がかかるので、転職の難易度が上がります。

また、50代の求人はプロジェクトのリーダー、事業部長・会社役員といったポジションか、人材不足の介護、タクシーといった業界で未経験可能な求人か、の両極端になってきます。

後者の場合には、若手の方が体力があり、定年までの期間も長いのでどうしても50代は不利になるでしょう。

ホワイトカラー向けの事業部長や会社役員などのポジションは、そもそも枠が限られているので自分の能力にマッチする求人を見つけるのが難しいところです。

とはいえ、50代の男性の20人に1人以上、女性の10人に1人以上の割合で転職して年収UPをかなえた人がいるというのも事実。

50代の転職の年収についてみてみましょう。

50代の転職で年収は上がる?下がる?

50代前半 転職 年収変化
50代後半 転職 年収変化2

厚生労働省「2019年雇用動向調査」より作成

50代で転職した人のうち、年収が上がった人は約3割、下がった人は約4割という統計結果になっています。

特に、50代後半で転職した人のうち年収が1割以上減少した人は34%とかなり高い割合です。

転職で年収が上がった人よりも下がった人のほうが多いことは念頭に入れておくべきです。

転職の目的をはっきりさせて、年収アップ以外が目的であるならば受け入れることも50代の転職戦略となるでしょう。

なお、他の年代では、転職後の年収の変化は次のようになっています。

20代前半 20代後半 30代前半 30代後半 40代前半 40代後半
年収が増えた 37% 34% 42% 42% 40% 37%
変化なし 29% 29% 25% 32% 32% 31%
年収が減った 32% 35% 32% 25% 27% 31%

50代の転職を成功させるための3つのポイント

50代の転職について統計データからは、転職に成功している人も一定数いること、年収が必ずしも上がるとは限らないということがわかりました。

50代の転職を成功させるためのポイントは3つです。

50代の転職成功のポイント3つ
  • 転職まで時間がかかる前提で動く
  • 年収が下がることも受け入れる
  • 専門性や経験、コミュニケーション能力をアピール

一つずつ見ていきます。

50代の転職のポイント1.転職まで時間がかかる前提で動く

年代別の転職活動にかかった期間

エン・ジャパンより

上の図の通り、50代の転職活動は長期間かかる人が多いです。

40代までの転職活動では、3か月以内に転職先が決まっている人が5割以上ですが、50代では約7割の人が6か月以上転職活動をしています。

50代の転職活動は、以下の3つに気を付けて進めてください。

  • いま勤めている会社を辞めない
  • 焦らずにじっくり転職活動を進める
  • 情報収集は早めにはじめる

50代の転職では、自分の能力・希望条件とマッチする求人と出会えるまでに時間がかかります。

すぐに会社を辞めず、じっくり転職活動に取り組む姿勢が大切といえます。

仕事を辞めて転職活動をすると、収入が途絶える焦りから、転職先に妥協してしまう可能性があります。

できる限り、仕事をつづけながら転職活動をしましょう。

情報収集をはじめるのは今すぐに可能です。転職サイトに登録しておき、50代の求人情報を見たり、転職活動の進め方の記事を読んだりして少しずつ準備を進めてください。

おすすめの転職サイト(PR)

  • リクナビネクスト:転職した人の8割が使う転職サイト。
  • doda:情報収集にぴったり。転職イベントも。

上記2つの転職サイトが求人数が多い大手なので、どちらも登録しておくと求人の取りこぼしがありません。

50代の転職のポイント2.年収が下がることも受け入れる

先ほどの統計結果では、50代の転職で年収が上がった人は3割、下がった人は4割ということがわかりました。

50代の転職の目的は、必ずしも年収アップだけではないはず。

年収以外の転職目的の例

  • 残業が多すぎて体力的につらくなってきた
  • 家族との時間を増やしたい
  • 地元に戻りたい、地方移住したい
  • やりがいのある仕事をしたい
  • 人間関係が苦痛なので環境を変えたい

転職活動で何を実現したいのか、をはっきりさせて年収にこだわりすぎないこと、場合によっては正社員ではない働き方も視野に入れることで転職を実現できる可能性が広がります。

50代の転職のポイント3.専門性や経験、コミュニケーション能力をアピール

【直近3年間に中途採用した50代の採用理由(複数回答可)】
50代 転職 採用理由
マイナビ「中途採用業務の実績調査」より作成

50代を採用する理由のうち、もっとも多く挙げられていたのが「豊富な経験」でした。

これまでの経験・知見を活かした50代ならではの視点で会社に貢献してほしいと考えている会社が50代の人を採用しています。

また、「専門性が高い」という点も重視されていることから、即戦力として専門的な仕事を任せたいと考えていることもわかります。

面接では、これまでの経験をどうやってその会社で活かせるのか、具体的にこれまでの経験・実績を交えてアピールすることが必要です。

また、50代を中途採用する会社側は、会社にうまく馴染むことができるかという点も重視しています。

固定観念に縛られて前職のやり方を変えない、今いる社員とうまくやっていけない、という人は能力がいくら高くても採用されません。

社会人として適切なコミュニケーション能力があること、周囲とうまくやれる柔軟さがある点も面接でみられていることを意識してください。

50代の転職で年収UPを目指すならヘッドハンティング型


50代でこれまでの経験を生かしてさらにキャリアを磨きたい、年収をUPさせたいという人におすすめなのが、ヘッドハンティング型の転職サイト。

転職サイト・転職エージェントとは異なります。

  • 転職サイト:自分で求人を検索して応募
  • 転職エージェント:転職サポート、非公開求人の紹介
  • ヘッドハンティング型転職サイト:ヘッドハンター・企業担当から直接連絡

ヘッドハンティング型のサイトは、あなたの経歴を登録しておくとヘッドハンターや企業の担当者から直截メールが届きます。

代表的な2つのヘッドハンティング型サイトを紹介します。

登録に審査ありで選ばれた人だけが使える「ビズリーチ」

ビズリーチ

ビズリーチは、審査に通過した人だけが登録できるハイキャリア層向けのサイト。

転職サービスには珍しく、有料プランがあります。

無料でも利用できますが、本格的にビズリーチを使って転職活動を進めるなら月額2,980円、もしくは4,980円の有料プランに登録すると、自らヘッドハンターにアピールできるようになります。

スタンダード タレント ハイクラス
月額料金 無料 2,980円 4,980円
対象 - 年収750万円未満 年収750万円~
求人情報 検索・閲覧のみ。 応募不可 年収1,000万円以上の求人への応募不可 年収1,000万円以上の求人への応募も可
通常スカウト 閲覧不可
プラチナスカウト
ヘッドハンターの検索 一部可能 相談は不可 ハイクラス向けには相談不可

ビズリーチは会員も費用を負担することで、ヘッドハンターや企業と対等に転職活動を進めることができます。

また、ビズリーチは企業側の採用コストは一律70万円で一定になっています。

一般的な転職エージェントでは、年収の2割程度を企業が支払う仕組みですが、50代でハイキャリアの転職となると年収が高い分だけ紹介料も高くなります。

ビズリーチは審査を通過した能力の高い転職希望者を、コストを抑えて採用できるので企業側にもメリットがあります。

ビズリーチの特徴は? 登録に審査があるハイクラス向け!

リクルートが運営するハイキャリア向け「リクルートダイレクトスカウト」

リクルートダイレクトスカウト

リクルートダイレクトスカウトは、ヘッドハンターと転職希望者のマッチングサイトとして、リクルートが運営しています。

リクルートダイレクトスカウトを利用して転職した人の平均年収は900万円と、ハイキャリア向けです。

転職希望者は完全無料で利用でき、審査も不要なので、自分の市場価値を知るために登録してみる、という使い方も可能です。

いったん登録しておけばスカウトを待つだけなので、キャリアアップを実現させたい忙しい50代なら、ぜひ利用したい転職サービスです。

リクルートダイレクトスカウトの特徴は?【無料でヘッドハンターからスカウト!】

50代の転職におすすめの転職エージェント

50代の転職なら、ヘッドハンティング型の転職サービスと併せて利用したいのが転職エージェントです。

理由は非公開求人を紹介してもらうため。

転職サイトに公開されている50代可の求人には好条件のものが少ないと感じるはずです。

50代の人を採用したい場合、プロジェクトリーダーや役員クラスなど経営戦略に関わることが多く、ライバル企業には知られたくないために公開しません。

だから、会社にとって重要なポジションの求人は転職エージェントからの紹介でのみ応募が可能な「非公開求人」となるのです。

また、仕事と転職活動を両立させたい人も転職エージェントを利用するべきです。

転職エージェントで受けられるサービス

  • キャリアの相談
  • 応募書類の添削
  • 非公開求人の紹介
  • 面接対策
  • 面接の日程調整
  • 年収交渉

転職エージェントに事務手続きなどもすべておまかせできるので、仕事が忙しい50代はぜひ利用してください。

ここからは、50代の人が登録しておきたい転職エージェント厳選5社を紹介します。

自分に合う転職エージェントを見つけるためにも2~3社は登録しておくことをおすすめします。

応募先の候補を増やすには実績No.1の「リクルートエージェント」

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、転職支援実績No.1の転職エージェント。

これまでに50万人がリクルートエージェントを使って転職を成功させています。

非公開求人を含めて20万件の求人を持っており、50代で応募先の候補を増やすなら必須です。

リクルートエージェントだけの限定求人も多いので、転職のチャンスを逃さないために、早めに登録しておいてください。

リクルートエージェントの特徴まとめ|どんな人が使うべき?

気軽な情報収集からはじめるなら「doda」

doda

dodaは転職サイトとして登録すると転職エージェントのサービスも使えるようになります。

転職サイトとしてコンテンツが豊富で、「年収査定」など読んでいて面白いサイトかつ転職にまつわる情報が網羅されていて、はじめの情報収集に適しています。

気軽に参加できる転職イベントを全国で開催しており、企業担当者と直接会って話せるほか、キャリアカウンセラーとの面談も可能です。

転職に興味がある、転職するか悩んでいる、という人はまずはdodaで情報収集をするのがおすすめです。

dodaの特徴・使い方まとめ【転職イベントも!情報収集に便利なサイト】

関東のIT・Web業界に強い「type転職エージェント」

type転職エージェント

type転職エージェントは東京・神奈川・千葉・埼玉のIT・Web業界で転職したい人におすすめの転職エージェントです。

地域・業界に特化しているので、希望の求人が見つけやすいです。

担当者自身もIT・Web業界の経験者が多いので、持っている情報が厚く。専門知識も豊富なので安心して相談できます。

リクナビネクストの転職エージェント満足度ランキングで2位になった実績もあり、評判も高いです。

関東×IT・Web業界で転職したい人は登録しておきたい転職エージェントといえます。

type転職エージェントの特徴は?【IT・Web業界や女性の転職におすすめ】

年収600万円~を目指すなら「JACリクルートメント」

JACリクルートメント

JACリクルートメントは年収600万円以上に特化したハイキャリア向け転職エージェント。

外資系への転職にも強く、バイリンガルや外国人担当者が英語や中国語でのレジュメ・面接指導も対応してくれるなど他社には手の届かない点までサポートしてくれます。

求人の絶対数は多くないものの、ハイキャリア向けに特化しているので役職のあるミドルクラス~役員クラスの転職の支援実績が豊富にあります。

ハイキャリア層に特化した転職エージェントは多くないので、キャリアアップを目指すなら登録しておくべき転職エージェントです。

JACリクルートメントの特徴は? どんな人が登録すべき?

外資系への転職なら「ランスタッド」

ランスタッド
ランスタッドはオランダに本社を置き世界39カ国で人材紹介業を展開する大手。

欧米を中心に拠点があるので、海外勤務希望や外資系企業・日系グローバル企業などのハイキャリア層向け求人を多く取り扱っています。

年収800万円~3,000万円のエグゼクティブ・管理職向けの求人をメインに扱っており、他社では出会えなかった求人に出会える可能性があります。


ランスタッドの特徴は? どんな人が登録すべき?

50代の転職を成功させよう

50代の転職は、けっして簡単ではありませんが、実際に転職を成功させた人も多くいます。

長期間の転職活動になることも珍しくないことを意識して、仕事と両立しながら自分の希望に合う転職先を見つけていく粘り強さが転職成功のカギです。

50代の場合、会社にとって重要なポジションの求人となることも多いため非公開求人から応募先を探す必要があります。

ヘッドハンティング型の転職サービス、転職エージェントをうまく使いこなして転職を成功させてください。

今回紹介したヘッドハンティング型サイト・転職エージェント(PR)
  1. ビズリーチ:登録に審査あり、有料プランも。ヘッドハンターや企業から直接連絡
  2. リクルートダイレクトスカウト:リクルートが運営するヘッドハンティング型ハイキャリア向けサイト。審査なし
  3. リクルートエージェント:転職支援実績No.1の大手。求人数も多く選択肢が広がる
  4. doda:転職イベント豊富でまず情報収集したい人におすすめ
  5. type転職エージェント:首都圏のIT・Web業界で転職したいなら
  6. JACリクルートメント:年収600万円以上・外資系などハイキャリア層向けに特化
  7. ランスタッド:オランダに本社を置く。外資系・グローバル日系企業の転職に強いハイキャリア向け