でも、実際には40代で転職を成功させている人は多くいます。
この記事では、40代の転職の現状を統計データを使って解説し、転職成功のポイントをまとめています。
転職しようかな、と考えている人はぜひ一度読んでみてください。
40代も転職できる?厳しい?
40代の転職は20代・30代と比べて難しい、というイメージがある人も多いのではないでしょうか。
実際のところの40代の転職事情はどうなのか、統計データから読み取っていきます。
40代の転職割合と求人数
厚生労働省「2019年雇用動向調査」より作成
厚生労働省が毎年発表している雇用動向調査からは、年代別に転職して仕事に就いた人の割合がわかります。
40代前半の男性は5.9%、女性は13.1%、40代後半の男性は6.2%、女性は10.8%が、転職して仕事に就いていることがわかります。
20代、30代に比べると転職する人の割合がかなり減りますが、それでも男性はだいたい17人に1人、女性は10人に1人は転職していることになります。
40代になると転職する人の割合が大きく減る理由は大きく3つに分けられます。
✅ 40代で転職する人の割合が大きく減る理由
- 求められる能力のハードルが高くなるため
- 求人そのものが20~30代よりも少ないため
- 家族からの同意が得られにくくなるため
40代になると、ポテンシャルではなくこれまでの実績が求められるようになり、転職のハードルが高くなります。
また、40代の求人はプロジェクトリーダーや新規事業立ち上げなどポジションが限られてくるので、プレーヤーの20代・30代に比べるとどうしても求人数が少なくなります。
子どもの年齢が上がり、転勤や年収の減少を家族が受け入れてくれない、という事情もあります。
ただし、それでも40代で転職をしている人、転職で年収UPをかなえた人も多くいるのも事実です。40代で転職した人の年収についてみてみましょう。
40代の転職で年収は上がる?下がる?
厚生労働省「2019年雇用動向調査」より作成
40代前半・後半どちらにおいても、転職で年収が上がった人は約4割です。年収が変わらなかった、という人を含めると約6割。
つまり、40代で転職した人の過半数は、年収が上がるかもしくは変わらなかった、という結果になっています。
40代で転職できる人は、現職で実績があり次の職場でも即戦力となれる、チームを統率できるなど能力が高い人が多いです。
ただ、同じような業務内容であっても都市圏から地方への転職や、大企業から中小企業への転職となると、急所水準は下がる傾向にあります。
給与以外の面で、転職で実現したいことも明確にしておく必要があるでしょう。
40代の転職を成功させるための3つのポイント
統計から、40代の人も転職している人は多くいること、年収UPをかなえた人もいることなどが数値としてわかったのではないでしょうか。
この章では40代で転職を成功させるためのポイントを3つ紹介します。
- 転職を通して実現したいものを見極める
- 即戦力とマネジメント力をアピール
- 会社に溶け込めるかを重視される
ひとつずつ見ていきましょう。
40代の転職のポイント1.転職を通して実現したいものを見極める
40代の転職では、20代・30代の転職以上に転職で実現したいことをはっきりさせておくことが重要です。
40代の転職では、人生最後の転職活動になる人も多いです。何度も転職を繰り返すことは難しい年代ですから、転職に失敗してしまった、となると巻き返しが効かないことも。
「こんなはずではなかった」を避けるためにも、まずは転職活動の目的を決めてください。
✅ 40代転職の目的の例
- 残業時間を減らして家族との時間を増やしたい
- 地元に戻って暮らしたい、地方移住したい
- どうしてもやりたい仕事がある
- 自分の能力を最大限発揮できる職場で年収UPを実現したい
必ずしも年収を上げることだけが転職の成功ではありません。自分が転職で叶えたいこと、が実現すればその転職は成功です。
家族との話し合いが必要になる場面もあるかもしれません。
誰かに相談に乗ってほしい、ということであれば後半に紹介する転職エージェントを使ってみるのもおすすめです。
第3者目線かつ転職のプロにアドバイスをもらえます。
おすすめの転職エージェントを先に見る(下にスクロールします)
40代の転職のポイント2.即戦力とマネジメント力をアピール
【直近3年間に中途採用した40代の採用理由(複数回答可)】
マイナビ「2018年10月 中途採用業務の実績調査」より作成
直近3年間に40台を中途採用した理由を企業にアンケートした結果、上のグラフのようになっています。
40代の採用理由として最も多いのは「豊富な経験」で、44%。
そのほか、「専門性が高い」「モラルや責任感が強い」「幅広い人脈・対人関係能力が強い」「若手社員の指導」など、即戦力とマネジメント力が必要とされていることがわかります。
企業が求めている「即戦力」「マネジメント力」がどのようなものなのか、企業が求める人材像を見極めてアピールすることが大切です。
20代・30代にはない実績やマネジメント経験などを具体的なストーリーをもって面接で伝えられると、40代のあなたを採用するメリットが伝わりやすくなります。
40代の転職のポイント3.会社に溶け込めるかを重視される
採用した後に社内の人とうまくやっていけるのか、という点は採用担当が重視するところです。いくら能力が高くても、社内の人と衝突してトラブルを起こす人は採用できません。
また、これまで在籍していた会社のやり方に固執せず、転職先の会社のやり方になじめるかどうかや、年下の人が上司になったとしても素直に意見を聞けるかといった人間性の面も面接でチェックされています。
面接官の話を丁寧に聞いている姿勢を示す、あいづちを打つ、どのような質問にも感情的にならずに冷静に回答する、などに気をつけましょう。
普段の仕事で部下を指導する立場にいる場合は、本人にその気がなくとも受け答えが尊大な態度に見えてしまうこともあります。
転職エージェントから面接対策を受けるなど、面接前に第3者目線でアドバイスを受ける機会があると安心です。
40代の転職のカギはヘッドハンティング型
40代の転職でキャリアアップしたい人におすすめしたいのが、ヘッドハンティング。
経歴を登録しておくと、企業やヘッドハンターから直接連絡を受け取って転職活動を進めることができます。
企業やヘッドハンターと、転職したい人とを結ぶ「ヘッドハンティング型」の転職サービスは、求人を自ら検索する「転職サイト」とも、転職をサポートしてくれる「転職エージェント」とも異なります。
代表的な2つのヘッドハンティング型サイトを紹介します。
登録に審査ありの「ビズリーチ」
ビズリーチは、登録に審査があり、選ばれた人だけが使えるハイクラス向け転職サービスです。
年収の目安は500万円~で、ターゲット層は年収750万円~。
登録の際に審査がある分、求職者の質が担保されていて企業やヘッドハンターは人材を探しやすいのです。
無料コースもありますが、本格的に転職活動をするのであれば月額2,980円or4,980円の有料コースへの登録をすることもできます。
スタンダード | タレント | ハイクラス | |
月額料金 | 無料 | 2,980円 | 4,980円 |
対象 | - | 年収750万円未満 | 年収750万円~ |
求人情報 | 検索・閲覧のみ。 応募不可 | 年収1,000万円以上の求人への応募不可 | 年収1,000万円以上の求人への応募も可 |
通常スカウト | 閲覧不可 | 〇 | 〇 |
プラチナスカウト | 〇 | 〇 | 〇 |
ヘッドハンターの検索 | 一部可能 相談は不可 | ハイクラス向けには相談不可 | 〇 |
プラチナスカウトとは、社長や役員クラスとの面接・もしくはヘッドハンターとの面談が確約されたスカウトのこと。
無料コースの場合は、プラチナスカウトを受け取れるまで待つしかありませんが、有料会員になると自分からアピールが可能になります。
リクルートが運営する「リクルートダイレクトスカウト」
リクルートダイレクトスカウトは、リクルートが運営するヘッドハンターと求職者をマッチングするサービス。
年収600万円以上をターゲットにしており、完全無料で利用が可能。
ビズリーチと異なり審査不要ですぐに登録でき、登録後はスカウトメールが来るのを待てばOK。
経歴に自信のある人・キャリアアップしたい人は登録しておいて損はないサービスです。
リクルートダイレクトスカウトを使って転職した人の平均年収は900万円以上と、ハイレベルな求人をヘッドハンターが紹介してくれます。
40代の転職におすすめの転職エージェント
40代の転職なら、ヘッドハンティング型の転職サービスと併せて使いたい転職エージェント。
40代は公開求人は少ないです。好条件の求人は転職エージェントを通してのみ応募できる非公開求人に集中しています。
事業戦略上において重要なポジションの人材を募集するなど、ライバル企業に知られないようにするためです。
また、仕事と転職活動を両立させたい人も転職エージェントを利用するべきです。
✅転職エージェントで受けられるサービス
- キャリアの相談
- 応募書類の添削
- 非公開求人の紹介
- 面接対策
- 面接の日程調整
- 年収交渉
効率よく転職活動を進められるので、多忙な40代の転職には転職エージェントの利用をぜひおすすめします。
以下でおすすめの転職エージェントを紹介していきます。
実績で選ぶなら「リクルートエージェント」
リクルートエージェントは転職支援実績No.1の転職エージェント。
これまでに50万人がリクルートエージェントを使って転職しており、非公開求人含め20万件の求人を扱っています。
提案される求人数が多く、選択肢を増やすことができます。
また、専用アプリで担当者とやり取りが可能で、紹介求人の閲覧・応募もアプリから手軽にできる点も人気です。
効率よく転職活動を進めたい人は登録しておきたい転職エージェントです。
気軽な情報収集に適している「doda」
dodaは転職サイトとしても、転職エージェントとしても利用できるので、1つのサイト内で公開求人の検索から転職エージェントとのやり取りまで完結できるので便利。
全国で気軽に参加できる転職イベントを開催しているので、まだ転職しようか迷っているという人も実際に企業担当者と会って話を聞くことができます。
イベントには、転職相談ができるコーナーもあるので、転職のプロに相談してみたいという人にもおすすめ。
サイト内のコンテンツも「年収査定」など読んでいて面白く、転職前の情報収集には適したサイトといえます。
dodaの特徴・使い方まとめ【転職イベントも!情報収集に便利なサイト】
関東のIT・Web業界に強い「type転職エージェント」
関東圏のIT・Web業界で転職するなら登録しておきたいのがtype転職エージェントです。
地域も業界も特化しているので、希望に合う応募先が見つけやすいメリットがあります。
担当者も業界に精通していて専門知識もしっかり持っていて、深い情報を教えてもらえます。
リクナビネクストの転職エージェント満足度ランキングで2位になった実績もあり、応募書類のブラッシュアップや面接対策も安心してまかせることができます。
関東×IT・Web業界で転職先を探している人は登録しておくと良いでしょう。
type転職エージェントの特徴は?【IT・Web業界や女性の転職におすすめ】
年収600万円~を目指すなら「JACリクルートメント」
JACリクルートメントは年収600万円以上に特化したハイキャリア向けの転職エージェントです。
JACリクルートメントを利用して転職した人の半数以上が40歳以上(公式サイト2017年実績より)ということもあり、40代向けの求人を多く扱っていることがわかります。
英語や中国語のレジュメ添削や面接指導など、他社では手の届かないハイレベルなサポートをしてくれることも特徴。
登録に審査はありませんが、職歴や経歴によっては「紹介できる求人がありません」と断られてしまう人もいます。
そのぶん、紹介される求人は外資系や大企業の重要ポジションなど質が高いです。
キャリアアップを目指す人は自分の市場価値を知れるチャンスなので、登録してみてはいかがでしょうか。
外資系への転職なら「ランスタッド」
ランスタッドは世界39カ国で人材事業を展開しているグローバルな人材会社。
本社がオランダにあり、欧米を中心に拠点があるので、外資系企業や日系グローバル企業など他社では扱っていなかったハイキャリア向け求人に出会えることもあります。
求人の絶対数は多くはありませんが、ハイキャリアに特化した転職エージェントは多くありません。
特に外資系企業を転職先の候補にしている人は登録しておいて応募先の候補を増やしたほうが良いでしょう。
ランスタッドの特徴は? どんな人が登録すべき?
40代の転職を成功させよう
40代の転職は30代までと比べてより、実績や即戦力・マネジメント力が問われてハードルが上がります。
ただ、統計で紹介した通り40代で転職する人も少なくありませんし、年収アップを実現した人は約4割となっています。
40代の転職成功には非公開求人にたどり着けるように、ヘッドハンティング型の転職サービスと転職エージェントの利用がほぼ必須といえます。
基本的には無料で利用できますから、複数登録しておいて広く情報収集するようにしましょう。
- ビズリーチ:登録に審査あり、有料プランも。ヘッドハンターや企業から直接連絡
- リクルートダイレクトスカウト:リクルートが運営するヘッドハンティング型ハイキャリア向けサイト。審査なし
- リクルートエージェント:転職支援実績No.1の大手。求人数も多く選択肢が広がる
- doda:転職イベント豊富でまず情報収集したい人におすすめ
- type転職エージェント:首都圏のIT・Web業界で転職したいなら
- JACリクルートメント:年収600万円以上・外資系などハイキャリア層向けに特化
- ランスタッド:オランダに本社を置く。外資系・グローバル日系企業の転職に強いハイキャリア向け